概説理学療法 第3版~基礎から築く理学療法の知

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2026年1月
  • 電子版発売日 : 2026年1月23日
¥5,500(税込)
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商品情報

内容

「能動的に学ぶ姿勢」が身につく様々な工夫が満載の一冊!

改正・改定された指定規則や理学療法学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠し,また,養成校の標準的な授業回数にあわせて全15章構成となっている.理学療法の基本原理を確実に理解し,自律的学習力の獲得を企図した一冊. 各章冒頭には「学修目標」,反転授業への対応として「事前学修」のためのエッセンスと課題を設け,修得すべき要点,学修内容の全体像と基礎を把握できるよう配慮した. 章末には深い理解を促す「アクティブ・ラーニング」,達成度を評価する基礎・標準・応用に分かれた「確認テスト」,知識の定着を図る「事後学習の課題」を収録.修得状況を可視化するルーブリック評価表の掲載も大きな特徴である.

序文

第3版 序文

本書は,2007年に嶋田智明先生の企画・編集により上梓された『概説理学療法』の精神を受け継ぎ,変化の著しい現代社会において,改めて理学療法の本質に光を当てるための一冊として位置づけられる.初版に込められた「理学療法の深遠さ,その可能性を学生に伝えたい」という思いは,時を経た現在においても,その教育的価値を失ってはいない.

近年,少子高齢化,医療技術の高度化,価値観の多様化,そしてAI や情報通信技術(ICT)の発展など,我々を取り巻く環境は急速な変容を遂げている.このような社会情勢のもと,理学療法士を目指す学生には,知識や技術の修得に加え,変化へ柔軟に対応し続ける学修の姿勢とその自律的なスキルが求められている.すなわち,現代においては「何を学ぶか」のみならず「どのように学ぶか」,つまりメタ認知的な学修能力がきわめて重要となっている.

本書は,このような時代背景を踏まえ,理学療法の基本原理の確実な理解と,自律的に学び続けるためのスキルの獲得を企図して,その全体構成および各章の構成を改変した.全体構成としては,第2版は31章を4部で編成していたのに対し,第3版では養成機関の標準的な授業実施回数に配慮し,15のClass(章)として再編成している.また,現代社会の要請に対応した質の高い理学療法を提供できるよう,Class 12 からClass 14 の3 つの章には,多様性の尊重,多職種連携協働,コンプライアンス,VUCA時代への対応,情報技術,災害医療,自律的学習などをテーマとした内容を追加し,拡充を図っている.

各Classの構成は,現代の理学療法に対応する内容を網羅し,かつその完全修得と深い探求を可能にするため,「学修内容のセクション」と「学びを支えるセクション」の2部構成とした.学修内容のセクションでは,技術を扱うClass に「技術体験」の項を設け,修得状況を確認するためのルーブリック評価表を掲載した.学びを支えるセクションでは,完全修得を目的として,「学修目標」とその達成度を評価する「確認テスト」を配置した.さらに,反転授業への対応として,「事前学修のためのエッセンス」を設けている.ここでは,各章で修得すべき要点を簡潔にまとめ,学生が授業前に学修内容の全体像と基礎を把握できるよう配慮したものである.これにより,学生は基礎知識を基盤として授業に臨み,より発展的,多角的な内容へと思考を深めることが期待される.加えて,各Class の後半には「学びを深めるQUESTIONS」を設け,対話を通じた深い理解を促す「アクティブ・ラーニング」の課題,修得度判定のための「確認テスト」,そして知識の定着をはかる「事後学修の課題」を収録した.

本書が初版以来約20年間にわたり教育現場で活用されてきた事実は,編者および執筆者一同にとって光栄であり,その責任の重さを改めて認識している.第3版においても,学修内容および学修を促す諸要素を現代の教育環境に合致するよう最適化(アップデート)した.本書が,学生諸君の数年間にわたる理学療法の知の構築において,強固な基盤となることを心より願うものである.


令和7年12月

編者 有馬慶美・加藤研太郎・笹川健吾

目次

Class1 理学療法と理学療法士

1 理学療法とは

 1 実は意味が深い「理学+療法」

 2 理学療法の定義

 3 現在の理学療法の領域

 4 未来の理学療法への期待

2 理学療法の構成と過程

 1 手段からみた理学療法の構成

 2 対象からみた理学療法の構成

 3 理学療法の過程

3 理学療法士とは

 1 理学療法士とは

 2 理学療法士の仕事

 3 理学療法士の職域の広がり

4 社会と理学療法士(組織)

 1 現代社会における理学療法士の存在意義

 2 多職種連携における理学療法士の責務

 3 日本理学療法士協会(JPTA)の役割

 4 社会の変化と理学療法士の未来

Class2 理学療法士の姿勢

1 包括的に人をとらえる

 1 「包括的」とは

 2 生活者としてとらえる

 3 全身をとらえる(疾患横断的・病期縦断的)

 4 心身を捉える

2 医療倫理,職業倫理

 1 4つの倫理

 2 人としての倫理

 3 社会人としての倫理

 4 医療人としての倫理

 5 理学療法士としての倫理

3 根拠に基づく理学療法(EBPT)

 1 根拠に基づく医療(EBM)の重要性

 2 EBPTの定義と意義

 3 EBPT実践とPICOの活用

 4 エビデンスの種類と情報源

 5 データベースと検索の実際

 6 EBPTの展望

4 社会の変化にしなやかに適応する -理学療法士としてVUCAワールドで活躍する

 1 現代社会の特徴-VUCAワールドの到来と理学療法への影響

 2 未知への対応力-探求の重要性

 3 生涯にわたる学び-自己研鑽の力

 4 変化に適応するための思考と問題解決のフレームワーク

 5 VUCAワールドにおける理学療法士のレジリエンス

Class3 理学療法の対象

1 生活構造とICF

 1 ICFとは

 2 ICIDHとは

 3 ICIDHからICFへの移行

 4 ICFの構成

 5 ICFカテゴリーコード

 6 ICFの臨床応用

2 身体の構造と機能

 1 運動器系の構造と機能

 2 神経系の構造と機能

 3 内部系の構造と機能

3 理学療法の対象疾患-運動器系・神経系・内部系

 1 運動器系の代表的疾患

 2 神経系の代表的疾患

 3 内部系の代表的疾患

Class4 理学療法の手段(1) 安全・理学療法評価

1 医療安全

1 医療安全の重要性

 2 感染の標準予防策

 3 理学療法の安全域と有効域

 4 医療過誤とヒヤリハット

2 理学療法過程

 1 理学療法過程

 2 医師の指示

 3 評価

 4 推論

 5 意思決定

 6 介入

 7 結果の評価

3 理学療法評価 - 理学療法の検査と測定

 1 検査・測定の目的

 2 検査・測定時の注意事項

 3 検査・測定の種類

Class5 理学療法の手段(2)運動療法

1 運動療法の概要

 1 運動療法の定義

 2 運動療法の効果と目的

 3 運動療法の対象

 4 運動療法の種類

 5 運動療法におけるリスク管理

2 運動療法の体験

 1 関節可動域運動

 2 関節可動域運動の体験

 3 筋力増強運動

 4 筋力増強運動の体験

Class6 理学療法の手段(3)物理療法

1 物理療法の概要

 1 物理療法の定義

 2 物理療法の分類

2 物理療法の体験 - 極超短波・電気刺激・超音波・アイスパック

 1 極超短波

 2 電気刺激療法

 3 超音波

 4 アイスパック

Class7 理学療法の手段(4)日常生活活動練習と義肢装具療法

1 日常生活活動練習

 1 ADLの概念と分類

 2 代表的なADL評価法

 3 ADL練習の基本的な考え方

 4 T字杖を用いた歩行

 5 T字杖歩行の体験

 6 片麻痺患者の移乗動作

 7 左片麻痺患者の移乗動作の体験

2 義肢装具療法

 1 義肢装具とは

 2 リハビリテーションにおける装具療法

 3 切断術後のリハビリテーションにおける理学療法

Class8 理学療法の領域(1)運動器系理学療法

1 骨折の理学療法

 1 大腿骨頸部骨折の病態-情報収集(I:information data)

 2 大腿骨頸部骨折の理学療法評価-検査測定(O:objective data)

 3 大腿骨頸部骨折の理学療法

2 靱帯損傷の理学療法

 1 前十字靱帯損傷の病態

 2 ACL損傷の理学療法評価

 3 ACL損傷の理学療法

Class9 理学療法の領域(2)神経系理学療法

1 腓骨神経麻痺

 1 腓骨神経麻痺の病態

 2 腓骨神経麻痺患者の評価

 3 腓骨神経麻痺患者に対する理学療法

2 脳卒中(脳血管障害)

 1 脳卒中(脳血管障害)の病態

 2 脳卒中後の神経学的変化

 3 脳卒中患者の評価

 4 脳卒中患者に対する具体的な理学療法

Class10 理学療法の領域(3)内部系理学療法

1 慢性閉塞性肺疾患

 1 呼吸器の構造・機能

 2 慢性閉塞性肺疾患の病態

 3 COPDの理学療法

2 急性心筋梗塞

 1 循環器の構造と機能

 2 急性心筋梗塞(AMI)とは

 3 急性心筋梗塞に対する理学療法

 4 さらなる高みを目指して

Class11 理学療法の領域(4)地域理学療法

1 地域理学療法とは

 1 地域とは

 2 欲求の階層性

 3 「地域」の中における理学療法士の役割

2 通所施設での理学療法士

 1 通所施設の種類と特徴

 2 そこで展開される主な理学療法

 3 理学療法士に求められる能力

3 入所施設での理学療法士

 1 入所施設における理学療法の意義と社会的背景

 2 施設別の理学療法の具体事例・場面の拡張

 3 理学療法士の専門性と職業倫理的側面

 4 今後の展望と制度面での課題など

4 訪問による理学療法

 1 訪問理学療法の特徴

 2 地域包括ケアシステムと訪問理学療法

 3 訪問理学療法の対象者とニーズ

 4 訪問理学療法の実際

 5 家族・介護者支援と多職種連携

 6 今後,訪問理学療法に求められるもの

Class12 協働と理学療法

1 コミュニケーション技法

 1 コミュニケーション能力の必要性

 2 多職種との円滑なコミュニケーション

 3 ディブリーフィングという考え

2 記録、報告と個人情報保護

 1 診療情報記録の基本的考え方と視点

 2 診療情報の記録に関する一般原則

 3 診療録の実際

 4 SOAPの記載方法における注意点

 5 個人情報の保護と利用

3 チーム医療における理学療法士

 1 チーム医療とは

 2 チーム医療の職種と理解

 3 他職種連携の場と実際

Class13 現代社会と理学療法

1 情報技術と理学療法

 1 情報技術と理学療法の概要

2 災害と理学療法

 1 災害と理学療法の関係

 2 災害時に被災者に見られる問題

 3 多職種連携と理学療法士の関係

 4 災害時における理学療法士の役割

 5 災害支援に関わる理学療法士の素養

3 ウィメンズヘルスの理学療法

 1 性差医療

 2 ウィメンズヘルス理学療法とは

 3 対象者を守るためにわれわれが気をつけたいこと

4 予防と理学療法

 1 予防理学療法と健康増進の概要

Class14 理学療法の学びと探求

1 理学療法士養成と理学療法士への学び

 1 理学療法士の養成

 2 理学療法士への学び

2 患者教育・指導

 1 運動学習に関する理論的枠組み

 2 運動学習理論

3 理学療法の研究

 1 理学療法士が研究について学ぶ理由

 2 理学療法の研究領域

 3 研究方法の一般的な流れ

 4 研究倫理

Class15 理学療法に関わる法令・制度

1 社会保障と社会保険の全体像

 1 社会保障制度の役割と仕組み

2 医療保険

 1 制度の概要

 2 保険者と被保険者

 3 保険給付

 4 医療保険における理学療法の位置づけと理学療法士の役割

3 介護保険

 1 制度の概要

 2 保険者と被保険者

 3 介護保険の財政

 4 介護保険サービス利用の流れ

 5 要介護・要支援の区分

 6 介護保険で利用できるサービス

 7 介護保険制度を取り巻く状況と改定

 8 介護保険における理学療法の位置づけと理学療法士の役割

4 地域包括ケアシステム

 1 地域包括ケアシステム

 2 理学療法と地域包括ケアシステムの関わり

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書籍情報

  • ISBN:9784830647208
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2026年1月
  • 電子版発売日:2026年1月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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