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- 薬剤師のためのクリニカル・パール
商品情報
内容
序文
はじめに
医師の世界には「クリニカル・パール」と呼ばれる、普遍性があり、短く洒脱で、そして驚くほど使い勝手の良い“臨床的格言”のようなものがある。ローレンス・ティアニーJr先生や、米国家庭医療の父ロバート・B・テイラー先生が残したパールはその象徴で、パールに触れるたびに深く頷き、「ああ、そうだった」と静かに思い出させてくれるのだ。ある時はセーフティネットになり、ここぞという場面では臨床判断に一筋の光を射してくれることもある。常識といえるほどまでに定着した、標語のようなパールもあり、若手医師たちの教育を支える柱になっているものもある。短歌のように余韻を残し、時を経ても廃れない—クリニカル・パールにはそんな不思議な魅力がある。
では、薬剤師の世界はというと、どうだろう。現場レベルでは、ベテラン薬剤師たちが、昔から使い続けている独自のパールは存在するだろう。しかし、それらをまとめた文献や書籍は、私の知る限り存在しない。ならばまとめる価値があるのではないか—そう半ば確信に近い思いを抱いたのが、この企画の原点だった。
私自身、医師として卒後20年、数多のパールの恩恵を受けてきた。そして薬剤師との関わりの深さにおいては、周囲のどの医師にも引けを取らないと自負している。診療所、病院、高齢者施設、在宅……あらゆる場でともに働き、さらにポリファーマシー関連の勉強会を幾度となく開催・参加し、その後の飲み会でも多くを語り合ってきた。だからこそ、薬剤師パールの言語化を後押しできる部分があるのではないか—そう考え、本来薬剤師ではない私が編者に加わる決断をした。恐縮の極みではあったが、この立場だからこそ見える景色もあるはずだと信じて。
クリニカル・パールの本質については、Mangrulkarら(Am J Med. 2002)が示す4基準—1一般化可能な知恵、2経験豊富な臨床家の洞察、3あまり知られていない知識の伝達、4注意を惹く簡潔さ—が示唆に富む。パールとは単なる豆知識ではなく、“普遍性を宿した言葉”の結晶である。
今回、AIによるパール生成を取り入れたのは、本書編者の1人、青島周一先生のアイデアであった。編集を重ねる中で、パールの創作には臨床経験だけではなく、短歌づくりにも似た“言葉の練り上げ”という別の骨の折れる作業が求められることがわかってきたため、ベテラン薬剤師のパール生成のサポートがあった方が良いかもしれない、という思いがこのアイデアの発端である。ちょうどコロナ禍をまたぐタイミングでChatGPTが普及し、新しい創作ツールとして手元に加わったのは、ありがたい偶然であった。そして、これは青島先生だからこそのアイデアだった。各執筆者の思いを損なわぬよう、編者3名と山下さんをはじめ編集部の皆さまと幾度も議論を重ね、丁寧に磨き上げたのが本書である。なお、洗練さよりも「執筆者の思い」を最優先したため、これからさらに練り上げられる余地のある“未完成の美しさ”を持つパールもあるかもしれないが、それは「あえて」であり、現場の生の声を届けることを何より重視した。
どんな提案にも建設的に応えてくださり、常に私たちにエンパワーメントを与えてくださる平井みどり先生。この企画を思いついたとき、まず先生のご意見をぜひ伺いたいと思いました。実際にご相談して、多くの気づきと後押しをいただき、本当にありがたく思っています。
そして、斬新な視点で企画を前へ推し進めてくださった青島先生。何度も先生のアイデアと驚くべき仕事の早さに救われました。先生とご一緒に企画を進めることができ、本当に良かったです。
また、何度も相談に乗り、骨の折れる作業を支えてくださった株式会社金芳堂編集部・山下祐介さん。数々の無理難題にお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
そして最後に、すべての執筆者の皆さまに深い敬意と感謝を申し上げます。
本書が、各地で奮闘する薬剤師の皆さまにそっと寄り添い、明日の判断に小さな光を灯す存在となりましたら、これ以上の喜びはございません。
2025年11月末日
香り立つ一杯とともに、行きつけの珈琲店にて
編者を代表して 北 和也
目次
はじめに
対患者コミュニケーション
「気になることはありませんか?」は薬局でソーシャル・キャピタルを育む
初回の服薬指導が物を言う
五感を意識して服薬指導を
精神的な不安がある患者に対して、減薬する時は手元に薬を残しておこう。
残薬が教えてくれる暮らしぶり
薬を飲めていないことに寛容であれ
医薬品の適正使用のサイクルを!!
「納得できなかったら薬なんて飲まないでください」と患者に言えるようになろう
患者だけでなく、ベッドサイドもみなさい。大切なものはそこにあります。
話せない人こそ、その声に耳を傾けろ
会話が困難な患者さんほど薬剤師の関わりが大切になる。
患者はついついウソをつく
Why notは使わない!
“寄り添った風の加害”を防ぐために ~その寄り添いに薬学はあるか
まずメタ認知からはじめよ
人生の踊り場は、誰にでも訪れる
日常の何気ない声掛けがとても大切。
患者さんとのより良いコミュニケーションが一番の薬かも
高齢患者が安心する減薬、患者にかかりつけ医へ気を遣わせないための服薬指導と地域連携!
「甘いものが食べたいんじゃなくて、砂糖が食べたいんだ」本当の本音。
「玄関から入ってください。」心のひだを慮ることが重要
この痛みは私の痛みで、これが生きている証だから取り上げないで。
多職種連携
相手の関心に関心を寄せよ
なぜを伝えよ
薬あるところに薬剤師あり
薬剤師がいるあらゆる場所をEBMセンターに
想定していなかった驚きが評価となる
居丈高に「べき論」をぶつ人と一緒に仕事はしたくない。
3人寄れば文殊の知恵。しかし三人寄っても下種は下種。
新たな視点で私たちを眺めなおす
菌を殺すことではなく、患者を治すために
薬剤師として、端(はた)・楽(らく)! 〜他者の負担を軽減する働き方〜
薬剤師としてできることだけを提供するのではなく、求められる事を提供する。
薬剤師がつなげる地域と医療
薬剤師の顔が見えない ~薬剤師の存在意義をどうしたら示せるのか~
医師との向き合い方
粉砕依頼をきっかけに処方提案、減薬を切り出す。
疑義照会とは薬剤師の武器であり患者の盾ともなる。
疑義照会は薬剤師法第24条である
わからないことがあれば遠慮するな。
自分の患者を悪くしてやろうと思う医師はいない。医師の想いに寄り添ってあげなさい。
患者さんが中心であることを忘れない
疑義照会先の医師は不機嫌なものである
提案して症状が悪化したらどうしようではなく、症状変化をモニタリング、その後のフォローに尽力を!
医師から依頼があった時には、できないと断るのではなく、できることを考えろ!
医師が武将なら、薬剤師は軍師
二者択一に解はなし。三つ目の解を探せ!
自分にとっての当たり前は他人にとっては当たり前ではないかもしれないと心得よ。
減薬対象は内服のみにあらず。
TDMは薬を使用する前から始まる
常に薬剤性かどうかを推考せよ。
鑑別診断は3つ挙げなさい。本命、穴馬、対抗馬は何かを考えなさい。
薬剤師症候群になってはいけない。
腎臓を診(ら)れれば、全身が診(ら)れる
私の処方提案の起源
認知バイアス・ピットフォール・エラー回避
自分が影響を受けているバイアスを客観的に把握し、エラーに対して敏感になるべきである。
入院中の服薬コンプライアンス改善が時に有害事象を招くおそれがある
お薬手帳には外来注射薬は記載されていない場合が多い
まずは「時系列」を意識
リハ薬剤で健康支援を
リハ栄養・リハ薬剤で医原性サルコペニア回避を
情報(検索・収集・活用)
「薬のことなどわかるはずがない」と肝に銘じよう
他人の言葉を信じるだけではなく必ず自分でアセスメントする
「薬+情報」がセットではじめて「医薬品」として機能するもの
検査値を活用するときはその患者さんの背景を理解したうえで活用
良い薬が売れるとは限らない
エビデンスの深い森に迷い込もう
薬の効果は絶対的な指標で考える
システマティックレビューはカタログである。
医学論文は可能ならばサプリメンタリー(補遺)も確認しよう
「検索して情報を探す」から「流れくる情報を拾う」
(論文の)タイトルを眺めるだけでも意味がある
シンプルなメッセージについて背景を考えてみる
伝書鳩になるな。薬剤師として自分がどう思ったかを必ず考えろ。
薬剤管理サマリーとお薬手帳の活用で、ポリファーマシーの「先祖返り」を防ぐ
一包化調剤の必要性
処方整理はプロセスの情報共有が重要
放屁回数のカウントがインタビューフォームに掲載
MRは医薬品情報担当者か営業か。それは薬剤師次第
生涯学習・哲学・マインドセット・教訓
スピリチュアルペインに向き合える薬剤師に
医療に“信頼”が必要なのは、そこに不確実性があるから
病気だけ治せばそれでいいのか
「カタログスペック」だけでなく、「あなたの人生がどう変わるか」でも薬を語れる薬剤師に
「正解」を探すのではなく「応え」を創ろう、目の前の患者と共に
プロフェッショナルの健全な介入
その処方に時間を感じろ
化学構造式は閃きの宝庫である
態度を選ぶ
できない言い訳ではなく、やるための方策を考えよ
頭で動くな、足で動け
仕事が溜まってストレスを感じている時の唯一の解消法は「その仕事をすること」である
やり始める奴はたくさんいる。やり遂げる奴になれ。
「積極的」かどうかは,自分の中だけにある
現状維持では、後退するばかりである
「防日区隔室」の中で今日を生きる。
自己啓発に頼り過ぎるな。与えてもらうよりも、やり方は自分で考えて自分で探そう。
過去と他人は変えられないけれど、未来と自分は変えられる。
「この人だ!」と思ったのなら、地球の裏側でも会いに行きなさい。
「真似ジメント」から始めてみよう!
リーダーは夢を語れ!
教育は“片想い”のようなもの
将来、楽しそうに失敗談を話せる薬剤師になろう ~中堅・若手薬剤師に伝えたいこと~
相手の状況に合わせる「分包機さん、錠剤6包分包お願いします。」で気づいたこと。
楽しく仕事をするための6つの心得
医者や薬じゃなく、今必要なのは“水”なんだ
「今度は、僕が助ける」体験はその人を突き動かす原動力になる。
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書籍情報
- ISBN:9784765320801
- ページ数:289頁
- 書籍発行日:2026年1月
- 電子版発売日:2026年2月3日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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