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看護教育のためのコンセプト学習とコンピテンシー評価 原著第3版
- ページ数 : 248頁
- 書籍発行日 : 2026年3月
- 電子版発売日 : 2026年2月19日
商品情報
内容
看護教育・看護学の分野で世界的に著名なJean Foret Giddensによる書籍の日本語翻訳版。近年看護教育において関心が高い「コンセプト学習アプローチ」について、看護現場を見据え、看護教育と臨床現場へ橋渡しをする実践的なガイドブックです。
◆コンピテンシーに基づくアプローチとコンセプト学習アプローチの違い、両者の関係性や応用について解説
◆授業構成時のコンセプト学習の教え方および従来の内容重視の教え方との違いを解説するとともに、コンセプト学習につながる具体的な教え方を例示
◆臨床現場におけるコンセプトの教え方に加え、コンセプトに焦点を当てた事例重視学習活動がどのように機能するかを説明
主な対象
看護学の基礎教育を教える教員、学術的なキャリアを志す看護学生
序文
監訳者序文
看護教育における待望の良書を翻訳し,紹介することは望外の喜びである.本書は,Jean Foret Giddens(PhD, RN, FAAN, ANEF)の『Mastering Concept-BasedTeaching and Competency Assessment: A Guide for Nurse Educators, Third Edition』の翻訳書である.初版および第2版は,『Mastering Concept-Based Teaching:A Guide for Nurse Educators』(2015,2019),Linda Caputi (EdD, MSN, RN,ANEF, CNE)とBeth L. Rodgers(PhD, RN, FAAN)との共著であった.第3版はGiddensの単著として出版された.Giddens の教育方法としてのコンセプト学習アプローチの特徴は,看護の視座と学びの視座から捉えた看護教育の内容と方法にある.学生がコンセプトを理解し活用するために,コンセプトの提示の仕方およびそのテンプレートの例,カリキュラム導入と評価,実習での進め方等が詳説され,活用可能な看護教育者のためのガイドを提供する.その具体的例を巻末の付録で示す.付録は,著者と米国エルゼビアの許可を得て掲載した本書独自の画期的な取り組みとなっている.読者がコンセプト学習の全体を理解できるように,本書の姉妹編『Concept for Nursing Practice』(第4版)から抜粋したコンセプト“可動性”を掲載している.
コンセプト学習教育の主要な利点として,①教育内容の飽和状態や情報管理への対応,②優れた臨床判断力と協働能力につながる概念的思考力を育成することで,複雑な医療環境で看護師が成功裏に効果的なケアを実践できるよう学生を準備すること(第1 章1 頁)をGiddens は挙げている.すなわち,学生が看護職として成長・熟達する過程を見据え,コンセプト思考スキルを身につけることで,学生は新しい情報に遭遇する際に,既存の知識とコンセプトとの関連を統合することが可能となる.この学習過程を通して批判的思考と臨床推論,また臨床判断の能力を促進する利点がある.
看護教育の歴史は,1850年代に「看護とは何か?」とナイチンゲールの問いから始まり,それから100年後の1950年代には「看護師は何をする人ぞ?」と問われ,看護の先達者たちは多くの理論と実践を“看護学・看護科学”として発展させてきた.看護学の探究者や専門職者たちの“看護科学”への潮流の変遷から50年余を経て,Giddens のコンセプト学習アプローチは,新たな看護教育の変革を具体的に論じ,実践し,関心のある教育者たちを牽引している.多様化・膨大化する看護教育の中で,Giddens は静かに「人が学ぶとはどういうことか.看護教育における学びとは?」と問いかける.それはまた,看護教育の変革を迫っている.さらに,看護教員自身のマインドセットが飛躍することをも期待させる.
看護教育の“問いつつ学ぶこと”の意味を黙考する翻訳の機会に深謝する.本書が,学生の学びを模索する先生方の刺激となり,教育方法の選択肢の一つとして寄与することができれば幸いである.
なお,本著の日本語版における“assessment”と“evaluation”の訳は,Giddensの原著に基づきながら“目標に準拠した評価”に注目し,「診断的評価は教育を行う前に学習者の学習への準備を把握するために行う評価であり,形成評価は教育課程で成否を確認し,指導を改善するための評価である.また,総括的評価は実践の終わりに学力を総体として捉え,目標に照らして到達点を把握するための評価である」を参考にした(西岡加名恵:教科と総合学習のカリキュラム設計 パフォーマンス評価をどう活かすか,p81,図書文化,2016).
最後に,本書の翻訳出版の企画までに長い年月を経てきたが,その間誠実に出版までの歩みを共にしてくださった方々の励ましと支えのおかげで,この良書の翻訳の完成を迎えることができる.本書の編集を担当された飯塚真一氏,尾畑豊子氏をはじめとするエルゼビア・ジャパンの方々に心より感謝申し上げる.
2026年1月
訳者を代表して 津波古 澄子
原著者序文
過去20年にわたる教育改革は,人間の学習に関する私たちの知識の拡充によって推進されてきた.思考と学習のプロセスに関する脳科学の研究の進歩は,教育実践に大きな影響を与えてきた.研究で示されているのは,学習は情報と情報を関連づける能力,つまり“つながりをつくる能力”に影響を受けること,そうしたつながりが知識構造を形成し,多様な状況で情報を適用し,最適な情報活用を可能にすることである.このプロセスが,コンセプト学習アプローチ(conceptual approach)の核心である.したがって,学習の科学は,初等・中等および高等教育におけるコンセプト学習アプローチの台頭を導いた.近年,看護教育において,コンセプト学習アプローチへの関心が高まってきた.この関心の高まりは教育分野全体の動向と一致し,情報を管理することで過剰なカリキュラム内容を整理し,学生の積極的関与(主体性,to engage)を促し,看護学生の考える力を育み,そしてますます複雑化するヘルスシステムにおいて良質の看護ケアができる,より高い技術を備えた看護を学んだ卒業生を育成する手段となる.
コンセプト学習アプローチは,①コンセプト,②例示(exemplars),③コンセプトに基づくカリキュラム,④コンセプトに基づく教え方,⑤コンセプト学習,⑥コンピテンシー評価を看護教育者の実践に組み込むことを意味している.ほとんどの教員にとってコンセプト学習アプローチは,カリキュラムの構成や教え方において大きな変化を意味する.それは教員と学生の間で一緒に教育過程を再考する共同的な取り組みが求められるからである.看護のカリキュラムにおいて,コンセプト学習アプローチを導入する関心の高まりはあるものの,多くの教員たちは適切で十分な体験や明確な指針を得る機会が少なく,それゆえ専門知識や理解が不足している現状である.また,教え方の専門的知識はもってはいても,学習をよりよく推進するようなコンセプトに基づいた教え方に関する知識があるとは限らない.
本書は,看護教育におけるコンセプト学習アプローチのための専門的な手引きとして具体的に執筆され,主に看護学の基礎教育や大学院で教えている教員および学術的なキャリアを志す大学院の看護学生たちに向けたものである.本書は,教員の役割,教え方(教授方略),カリキュラム開発に関する一般的な教育に関する多くの優れた本にあるようなリソースを再現するものではない.ただし,本書ではこれらのトピックスをコンセプト学習アプローチの文脈で取り上げ網羅している.また,本書を最初から最後まで順序立てて読むことを想定しているのではない.各章はそれぞれ独立して構成されており,関心のあるテーマに応じて章を読み進めて活用できる.
① 第1 章は,コンセプト学習アプローチの一般的な概要に焦点を当てている.コンセプト学習アプローチとさまざまな要素の,広範な全景をみたい教員にとって,優れた出発点となる.
② 第2 章では,看護教育におけるコンピテンシーに関する議論が展開される.特に,コンピテンシーに基づくアプローチとコンセプト学習アプローチの違いについて説明され,より重要な点として,コンピテンシー評価がコンセプト学習アプローチの構成要素として適用されることを確認している.
③ 第3 章では,コンセプトを深堀りし,コンセプト分析で示されている意味について考察している.この章は,理論的レンズを通して捉え,コンセプトの理解を深めることを意図した.この深い理解がコンセプト学習アプローチの基盤となる.
④ 第4 章では,コンセプトに基づくカリキュラムの作成方法を解説している.この過程は他のカリキュラム構築過程と類似しているが,本章ではコンセプトがカリキュラムの基盤となるような方法を説明している.
⑤ 第5 章は,人間の脳がどのように学習するのか,およびコンセプトの活用がどのように学習を向上させるのかについて,現在の知見を紹介している.
⑥ 第6 章は,授業構成時のコンセプト学習の教え方について議論し,従来の内容重視(content-focused)の教え方との違いを説明している.さらに,コンセプト学習につながる具体的な教え方の例を示している.
⑦ 第7 章は,臨床現場におけるコンセプトの教え方について論じ,コンセプトに焦点を当てた事例重視学習活動(examples-focused learning activities)がどのように機能するか等を説明している.
⑧ 第8 章は,評価方略を概説し,教員が学生の学習成果を評価に活用できるように評価方略の概要を説明しながら,再度,コンセプト学習とコンピテンシー評価について特に重点をおいている.
⑨ 第9 章では,コンセプト学習アプローチに関連した看護文献の概要を提供し,コンセプト学習アプローチの専門性の開発に向けた提案を示す.
留意すべき重要な点として,各章は相互に関連しているため,一部の内容が重複するのは避けられない.例えば,コンセプトに基づくカリキュラムの開発と実装(第4 章)には,教え方(教授方略)の開発(第6,7 章)と学習評価(第8 章)を含んでいる.他にも,効果的な教育方略の開発(第6,7 章)は,コンセプトの基礎的な理解(第3 章)とコンセプトを用いた学習の理解(第5 章)が必要である.
著者の願いは,本書がコンセプト学習アプローチへの旅に勇敢にも着手する教員の実用的な手引きとして活かされ,学術的な看護のキャリアを目指す大学院生の皆様にとって有用なリソースとなることである.本書が皆様のコンセプト学習の旅において,役立つものとなることを心より願っている!
Jean Foret Giddens
目次
第1章 コンセプト学習アプローチの背景と利点
背景
コンセプト学習アプローチ
コンセプト学習アプローチの利点
まとめ
第2章 コンセプト/コンピテンシーに基づくアプローチの区別
コンピテンス,コンピテンシー,コンピテンシー基盤型教育の定義
コンピテンシーに基づくアプローチの起源と進展
コンセプトとコンピテンシーの交差点:これらのアプローチは
どのようにフィットするのか?
まとめ
第3章 看護学のためのコンセプト
コンセプトの概要
看護におけるコンセプト
看護教育のためのコンセプト開発
まとめ
第4章 コンセプトに基づくカリキュラムの開発
概要:カリキュラムの開発と改訂
基本的な要素
カリキュラムの枠組みと設計
科目デザインと順序性
プログラムの評価
コンセプトに基づくカリキュラムの開発と導入における
成功のための秘訣
まとめ
第5章 コンセプト学習
学習の定義
教育神経科学:脳はどのように学習するか?
学習に影響する要因
看護学におけるコンセプト学習
看護教員にとって何を意味するのか?
まとめ
第6章 コンセプトに基づく学習の授業展開
認知的枠組みのサポート
コンセプト教育の主要な原則
授業におけるコンセプト学習活動の設計
まとめ
第7章 コンセプトに基づく臨床教育
従来の臨床教育
現代的なコンセプトに基づく臨床教育
臨床教育におけるコンセプト学習活動の設計
臨床の場におけるコンセプト学習活動の例示
臨床教育における教員に期待される役割
まとめ
第8章 学習の評価
教育プロセスの構成要素としての評価
アセスメントと評価方略の開発
コンセプト学習アプローチにおけるアセスメント(学習評価)と
総括的評価
臨床コンピテンスの評価
まとめ
第9章 看護学におけるコンセプト学習アプローチの発展
コンセプト学習アプローチについて 看護学の文献からわかっていることは
何か?
コンセプト学習アプローチにおける看護教員の専門技能の開発
看護学を超えて: 健康科学教育におけるコンセプト学習アプローチ
まとめ
付録 可動性
可動性
定義
範囲
正常な生理的過程
可動性の変化とコンテクスト
結果
リスク要因
アセスメント
臨床管理
相互関連コンセプト
例示
索引
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書籍情報
- ISBN:9784866552163
- ページ数:248頁
- 書籍発行日:2026年3月
- 電子版発売日:2026年2月19日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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