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肺移植の臨床-移植登録から慢性期管理までのベストプラクティス-

  • ページ数 : 296頁
  • 書籍発行日 : 2025年10月
  • 電子版発売日 : 2026年2月25日
¥6,600(税込)
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商品情報

内容

●肺移植診療のための実践書がついに刊行‼●過渡期から新たな時代に向けてブラッシュアップ‼●肺移植の基礎知識と診療のノウハウを詳細に解説‼

序文

序文

肺移植によって私の臨床観が書き換わった瞬間は、トロントの病院で呼吸器内科医として働いていたときの一場面でした。皮膚筋炎関連間質性肺炎の急性増悪で瀕死だった韓国人女性が、移植後に酸素なしで病棟を歩く―― その背中を見て、私は「もう一度ゼロから学ぼう」と腹を括りました。初診で受け持ったとき、救命は難しいかもしれない―― とどこかで線を引いていた自分への戒めでもありました。

日本に目を向けると、当時の肺移植はほぼ根づいていない状況でした。これでは呼吸器診療が世界から遅れる―― そう感じて帰国後は普及啓発から始めました。しかし、呼吸器内科医として継続的にかかわる道は険しく、私は東北大学呼吸器外科に籍を置き、移植内科医として診療と研究に携わることになりました。居場所を与え、挑戦を後押ししてくれた仲間と環境に、今も深く感謝しています。

日本の移植医療はいま過渡期です。臓器あっせんの整備、社会の理解、制度・運用のアップデート―― 歩みは着実です。だからこそ、本書は臨床現場でそのまま使える内容に徹しました。全21 章で、紹介・登録から待機中管理、脳死・生体の移植手術、組織適合性検査の解釈と活用、合併症対応、社会保障の活用、小児・移行期支援までを収めています。本書がきっかけとなり、移植登録を後押しし、移植後の合併症対応に貢献できる―― そんな実務の力になれたら本望です。

日本の肺移植診療を牽引し、内科医の育成にも大きくご尽力くださった東北大学加齢医学研究所 岡田克典先生、本書の刊行を支えてくださったぱーそん書房 山本美惠子さま、そして執筆に携わってくださったすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。


2025年9月吉日

平間 崇

目次

1 日本における肺移植の現状 (岡田克典)

 1 日本の臓器移植医療の歴史

 2 肺移植実施施設と移植件数

 3 臓器提供施設

 4 肺移植レシピエントの適応基準

 5 脳死肺移植と生体部分肺移植

 6 肺移植成績(1 年生存率、5 年生存率、10 年生存率)

 7 世界と比較した日本の肺移植医療の現状

2 移植施設への紹介と移植登録 (向井峻太)

 1 肺移植実施施設への紹介

 2 肺移植に関するインフォームド・コンセント

 3 移植登録検査と地区肺移植適応検討委員会

 4 一般適応指針

 5 除外条件

 6 中央肺移植適応検討委員会

 7 日本臓器移植ネットワーク

3 肺移植の適応疾患 (半田知宏、重田文子、杉浦寿彦、川㟢 剛、平間 崇)

 1 拘束性肺障害

 2 閉塞性肺障害

 3 肺循環障害

 4 感染性肺障害

 5 移植後肺障害

4 肺移植の待機中管理 (平間 崇)

 1 登録更新の診察

 2 肺移植受諾の意思確認

 3 かかりつけ医との情報共有

 4 術式変更

 5 病原体同定と周術期感染対策の準備

 6 予防接種

 7 栄養食事療法

 8 呼吸理学療法とリハビリテーション

 9 組織適合性検査

 10 緩和ケア

 11 アドバンス・ケア・プランニング

5 臓器あっせんと脳死ドナー肺摘出術 (杉本誠一郎)

 1 臓器提供の流れ

 2 メディカルコンサルタント

 3 クロスマッチ

 4 ドナー肺の評価

 5 術前準備

 6 術前ミーティング

 7 摘出手術の実際

 8 虚血時間

6 脳死肺移植のレシピエント手術  (佐藤雅昭)

 1 手術計画

 2 麻酔導入

 3 手術体位

 4 開胸と良好な術野の確保

 5 肺門剝離と肺摘出

 6 体外循環の導入とその方式の選択

 7 肺門のトリミング

 8 グラフトのトリミング

 9 吻合操作(1) 気管支吻合

 10 吻合操作(2) 肺動脈吻合

 11 吻合操作(3) 左房吻合

 12 再灌流

 13 ECMO 離脱、止血、閉胸

7 生体肺移植手術 (中島大輔)

 1 生体ドナー肺摘出術

 2 生体ドナー肺のフラッシング

 3 生体肺移植ドナーの術後経過

 4 レシピエント移植手術

 5 生体肺移植レシピエントの術後管理

 6 ABO 不適合移植

8 肺移植の麻酔管理 (高橋和博、山内正憲)

 1 術前評価

 2 術中管理

 3 術後管理

9 肺移植の集中治療管理 (紺野大輔、山内正憲)

 1 血行動態管理:肺高血圧症を中心に

 2 呼吸管理と二期的閉胸

 3 疼痛管理周術期と急性期(退院まで)

 4 栄養管理(栄養食事療法)

 5 睡眠管理

10 移植肺のグラフト合併症と管理 (平間 崇)

 1 グラフト(移植肺)の管理とは

 2 グラフトの代表的合併症

 3 時期別にみたグラフトの管理および合併症

 4 手術関連合併症

 5 片肺移植特有の合併症

 6 初期移植片機能不全

 7 拒絶反応

 8 慢性移植肺機能不全

 9 グラフト機能管理におけるセルフマネジメントとかかりつけ医の役割

11 肺移植の免疫抑制療法 (平間 崇)

 1 免疫抑制薬の必要性

 2 肺移植に用いられる免疫抑制薬

 3 免疫抑制療法の種類

 4 免疫抑制薬の薬物動態

 5 カルシニューリン阻害薬

 6 代謝拮抗薬

 7 副腎皮質ステロイド

 8 mTOR 阻害薬

 9 生物学的製剤とその他の免疫抑制療法

 10 免疫抑制薬の相互作用と管理

12 肺移植における感染症管理 (宇井雅博)

 1 肺移植レシピエントの感染症:特徴と治療

 2 移植前の感染症対策:スクリーニングと予防

 3 周術期の感染症管理

 4 急性期の感染症管理:予防投与

 5 慢性期の感染症管理:市中感染症と日和見感染症

13 肺移植の栄養食事療法 (平間 崇)

 1 るい痩と肥満、サルコペニア

 2 栄養評価

 3 移植登録・待機中のるい痩+サルコペニア

 4 移植登録・待機中の肥満±サルコペニア

 5 周術期の栄養食事療法

 6 急性期の栄養食事療法

 7 慢性期の栄養食事療法(定期検査時)

 8 肺移植後の食事管理とQOL の向上

14 肺移植の呼吸理学療法とリハビリテーション (平間 崇)

 1 登録時および待機中のリハビリテーション

 2 周術期のリハビリテーション(移植手術~ICU 退室)

 3 急性期のリハビリテーション(ICU 退室~退院)

 4 慢性期のリハビリテーション(移植1 年以降)

15 肺移植後の周術期・急性期肺外合併症 (山口美保、春藤裕樹)

 1 循環器合併症

 2 消化器合併症

 3 腎泌尿器代謝合併症

 4 造血器合併症

 5 脳神経合併症

 6 運動器合併症

16 肺移植におけるメンタルヘルス (長岡敦子)

 1 肺移植における精神科医の役割

 2 移植前:移植登録時診察および待機期間

 3 周術期:せん妄、不眠

 4 急性期:不安、抑うつ

 5 慢性期

17 肺移植後の慢性期管理 (平間 崇)

 1 高血圧

 2 脂質異常症

 3 糖尿病

 4 骨粗鬆症

 5 慢性腎臓病

18 肺移植後の社会生活上の管理 (渡邊俊和)

 1 発熱時の対応

 2 上・下気道症状時の対応

 3 消化器症状時の対応

 4 外傷時(擦過傷、打撲、軽度の裂傷など)の対応

 5 海外旅行

 6 結婚や妊娠

 7 悪性腫瘍スクリーニング

19 肺移植における組織適合性検査 (平間 崇)

 1 肺移植と組織適合性検査の歴史

 2 ヒト白血球抗原

 3 HLA タイピング(HLA 抗原検査)

 4 抗HLA 抗体

 5 クロスマッチ(リンパ球交叉試験、HLA 抗原抗体反応)

 6 脱感作療法

20 小児の肺移植 (平間 崇)

 1 小児肺移植の現状と課題

 2 小児肺移植の医療体制と成長支援

 3 発達支援と成人移行に向けた長期支援

21 肺移植を支える社会保障制度と連携体制 (秋場美紀)

 1 肺移植にかかる費用

 2 医療費助成制度

 3 脳死臓器移植に対応する院内連携

 4 肺移植における施設間連携

 5 日本臓器移植ネットワーク

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書籍情報

  • ISBN:9784911601396
  • ページ数:296頁
  • 書籍発行日:2025年10月
  • 電子版発売日:2026年2月25日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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