超実践型 リアルワールドデータビジネスの教科書

  • ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2026年2月
  • 電子版発売日 : 2026年2月25日
¥3,410(税込)
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商品情報

内容

「リアルワールドデータ(RWD)」という概念は、医療・ヘルスケア分野が先駆けですが、近年、ビジネス分野でも、この概念が広がりつつあります。そのため、ビジネスマンは、リアルワールドデータを学ぶために、医学書コーナーで本を探している状況です。そこで本書では、最近のニーズを踏まえ、ビジネスマンのために、リアルワールドデータの活用方法を詳しく掲載しています。リアルワールドデータについて、何も知らないという読者でも理解しやすい内容です。なお、mMEDICI株式会社の行うウェビナー先生の経験などを踏まえ、実践的です。本書を読んで、リアルワールドデータの可能性を広げ、企業ニーズも広げたい著者の思いが詰まっています。

序文

監修のことば


リアルワールドデータ(RWD)が百花繚乱の様相である。近年は国による公的RWDの整備が進み、民間事業者が提供するRWDの種類も増えた。

RWDの用途は、第一義的には、エビデンスの構築とそれに続くEBMの促進である。アカデミアによるRWDを用いた研究成果は急増している。

一方で、民間企業によるRWD利活用はさほど進んでいない。エビデンスの構築と、その社会実装ないしビジネス活性化との間には、大きな障壁がある。ビジネスの世界には、市場メカニズム、官による規制、業界の慣習、などの要件があって、様々なタスクが必ずしも円滑・迅速に進むわけではなかろう。

RWDをビジネス展開するには、アカデミアに準じる知識とスキルに加え、相応のビジネス経験や知恵が必要だろう。そういったノウハウも人材も、日本ではまだ不足している。

本書の著者である廣瀬直紀氏は、その稀有な人材のひとりである。大学院で広く公衆衛生学を学び、RWD研究の論文執筆経験もある。卒後は外資系製薬企業で疫学専門家として勤務した後、独立して起業しRWDビジネスに携わっている。

本書では、氏のこれまでの経験や知恵が闊達な文体で綴られている。その慧眼たるや刮目に値する。これまでRWD利活用に二の足を踏んでいたビジネスマンが、本書を紐解き、眼光紙背に徹すれば、行動変容に至るやもしれぬ。それを大いに期待している。


東京大学大学院医学系研究科
康永秀生



はじめに


本書はReal World Data(RWD)を活用したビジネスを立ち上げ、推進していくための実践的ノウハウを教える教科書です。ただ教科書的なことを教えるのではなく、実際に私がRWDビジネスの専門家として多種多様な企業のビジネスを支援する中で身につけた「RWDビジネスの攻略法」を可能な限り具体的にお伝えします。それは研究手法ではなく、ビジネスとしてRWDを活用して売り上げを作っていく手法です。

自己紹介が遅れました。私はRWDのビジネス・研究を専門とする疫学専門家の廣瀬直紀と申します。東京大学・東京大学大学院でRWD研究を専門に学び、その後に大手外資製薬の日本とグローバルそれぞれでRWD研究に携わりました。そして、独立してmMEDICI株式会社を起業し、製薬、CRO(開発業務受託機関)、医療データベース事業者、総合商社、コンサルティング会社、ヘルステック、スタートアップなど様々な企業のRWDのビジネスと研究の支援をさせて頂いています。いわば「RWDビジネスのプロ」といったところでしょうか。

RWDは今、ヘルスケア業界において最もホットと言えるトピックの一つのでしょう。ヘルスケアに関連する事業を持つ企業は、RWDビジネスで勝つために莫大なリソースを投下し始め、それを牽引するRWD人材の獲得に力を入れています。私自身も企業のRWD人材であると同時に、今は独立してRWD人材のキャリア支援事業も行っていますが、「RWD人材を紹介して欲しい」という企業からのリクエストが尽きません。

さて、ヘルスケア業界がRWDに熱狂し始めてから数年が経ちましたが、いまだに十分なケイパビリティが育ったとは言えません。多くの企業が「RWDビジネスに携わりたい、でも何をどうすれば良いか分からない」と路頭に迷っています。なぜならばRWDを研究だけではなく、ビジネスの視点で扱える人間が日本にはほぼ存在しないからです。RWDの情報発信は、多くはアカデミアからであり、そのトピックは研究にフォーカスしています。しかし、その知識だけではRWDビジネスをドライブすることはできません。誤解を恐れずに言えば、ビジネスにはビジネスのダイナミクスがあり、企業におけるRWD研究とはビジネスという全体における部分的な営みに過ぎないのです。

だから私は、本書を執筆しました。「RWDって何?」という全くの初心者の方が、本書を読むことで以下のような知識を獲得できることを目指しました。


●RWDを活用したビジネスモデルには、どんなものがあるか

●RWD部門はどう立ち上げれば良いか、人材の獲得や教育はどうすれば良いか

●RWD研究はどうドライブしていけば良いか

●製薬企業を顧客としたRWDビジネスを育てるには、どうすれば良いか

●RWDビジネスにおけるステークホルダーとどう関係性を築き、発展させるか


本書には、私のRWDビジネスの知識と経験の全てを込めたつもりです。読んでくださった方がまるで「明日から手を動かせるようになる」ことを目指してRWDビジネスを解説していきます。


mMEDICI株式会社CEO
廣瀬直紀

目次

監修のことば

はじめに

Chapter1 業界別RWDビジネスのモデル

1 RWDビジネスの現在地

研究ではなく「ビジネス」としてのRWD

なぜ今、RWDビジネスが注目されているのか

圧倒的に不足するRWDビジネス人材

RWDのビジネスモデルの概要

2 製薬企業のRWDビジネスモデル

メディカルアフェアーズ部門におけるRWD活用

安全性部門におけるRWD活用

臨床開発部門におけるRWD活用

マーケティング部門におけるRWD活用

3 CROのRWDビジネスモデル

RWD研究支援

RWDのメディカルライティング支援

RWD解析支援

RWD構築支援

RWD教育支援

4 シンクタンク

コンサルティング会社のRWDビジネスモデル

RWD事業の構築支援

RWDビジネスのマーケティング支援

RWDビジネスの営業支援

5 医療データベース事業者のRWDビジネスモデル

医療データベースの販売

医療データベースアナライザーのライセンス販売

医療データを用いた経営コンサル

RWD研究支援

6 ヘルステックのRWDビジネスモデル

Chapter2 RWD部門を立ち上げる

1 RWD部門のあり方

なぜ個人ではなく部門としてのRWDチームが必要なのか

RWDの専門性を既存部門に組み込むか、新設部門として立ち上げるか

RWD部門に求められる立ち回り

2 RWD部門のロードマップ

初期フェーズ:社内認知の獲得と連携構築

中期フェーズ:業務体系の確立と専門性の発揮

後期フェーズ:部門の飛躍

3 RWD人材の採用

RWDの人材マーケットの現状

雇うべきRWD人材の見極め方

4 RWD人材の教育

公衆衛生大学院に進学させる

RWD研究講座を受講させる

腕のある疫学専門家による実地訓練

社内での全社のRWD研修の実施

Chapter3 企業のRWD研究を推進(ドライブ)する

1 企業のRWD研究はアカデミアのRWD研究と同じではない

研究計画書の違い

リサーチクエスチョンの違い

チームメンバーの違い

承認プロセスの違い

予算の違い

外注の有無の違い

2 リサーチクエスチョンを策定する

3 研究の実現可能性を調査する

研究テーマ

実現可能性調査のポイント

4 研究計画書を執筆する

上長との握りは確実に

「これで十分」というレベルからさらに3段階上のものを

自分を疑い、たっぷりと感度分析を

決める時はきっぱり決める

5 解析をする

解析計画書を執筆する

解析結果をチェックする

解析はダブルコーディングで

あれも見たいこれも見たいはNG

解析はRWDに慣れた専門家が行おう

6 論文を書く

研究計画の段階でリザルトの考察可能性を確認しておく

ディスカッションはリザルトから言えることだけを淡々と書く

ディスカッションの方向性をあらかじめ握っておく

投稿先のジャーナルは論文を書き始める前に決めておく

執筆はメディカルライターではなく疫学専門家に

事前にイントロダクションとメソッドは記載しておく

7 ベンダーに外注する

ベンダーのRWD研究ケイパビリティチェックは入念に

イントロダクションやディスカッションの構成は箇条書きレベルで伝える

適切な外注費の相場を理解する

8 製造販売後データベース調査を行う

製販後DB調査の経験がある疫学専門家をサイエンティフィックリードに置く

実現可能性調査は極めて、極めて慎重に

RMP提出段階では研究計画のアウトラインまで作成しておく

照会事項対応は先読みで準備しておく

研究計画書は最小粒度で執筆する

チームにデータマネージャーを加える

専門医を正しく研究に巻き込む

Chapter4 製薬を顧客としたRWDビジネスのマーケティング

1 顧客インサイトを掴む―製薬企業が求めるRWDビジネスとは

医療データベース事業

RWD研究支援

2 ブランドを構築する―あなたのRWDビジネスの強みとは

人の強み

実績の強み

データの強み

3 顧客に認知される―RWDビジネスのマスマーケティング方法とは

セミナー

ブログ

SNS

学会参加

医療データベースのアカデミア提供

4 顧客に購入してもらう―RWDビジネスの営業方法とは

面談の打診

面談の実施

面談後のフォローアップ

Chapter5 RWDステークホルダーをマネジメントする

1 疫学専門家

成果を測定する

モチベーションを設計する

教育する

2 グローバル

研究の初期から、丁寧に、細かく合意を握りに行く

事前に日本特有の事情をインプットしておく

英語は頑張る

決めるべきところは決める

長期休暇の際は返信ゼロと思っておく

3 アカデミア・病院のKOL

まっすぐにサイエンスをやる

できないことはできないと伝える

著者は粛々と貢献に従って記載する

報酬は誠実に支払う

Chapter6 ビジネスで一流のRWD人材になるために

1 ビジネスにおける疫学専門家の仕事とは

RWD研究

製版後DB調査

社内教育

社内体制整備

医療データベースへのアクセス拡大

社外活動

2 大学院に進学する

大学院の選び方―5つの専門性を身につける

研究室の選び方、過ごし方

3 就職活動に成功する

業界の選び方

企業の選び方

求められるソフトスキル

職務経歴書を書く

面接を突破する

4 企業でパフォーマンスを発揮する

RWD研究についてのSOPやテンプレートを集める

社内で進行しているRWD研究のプロジェクトを把握する

他部門の同僚と顔馴染みになる

RWD研究をリードする

RWD研究の教育をする

転職する

付録 RWD企業に聞く

TXPMedical編

DeSCヘルスケア編

NTTデータ編

TriNetXJapan編

Ubie編

JMDC編

メディカル・データ・ビジョン編

おわりに

著者・学術監修者プロフィール

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書籍情報

  • ISBN:9784765320870
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2026年2月
  • 電子版発売日:2026年2月25日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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