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- 研修医必携! ヤスとボスのChapter12で総合力が身につく驚異のモニカン(Morning Conference)!
商品情報
内容
本書は、地域の小病院・若狭高浜病院を舞台に、モーニングカンファレンスを“ライブ配信”さながらに再現した総合診療の実践書です。
指導医・研修医・医学生の「チーム高浜」がどう考え、どう悩み、どう乗り越えていくのか、そのリアルな思考プロセスを追体験。臨床推論の根拠、患者さんへの寄り添い方、勉強の仕方まで、総合診療に求められる要素を網羅。
鑑別リストやフローチャート、行動経済学、ACPまで、現場の温度感で学べ、初学者から中堅まで、登場人物とともに成長した自分に出会える、“総合診療思考”を鍛える一冊です。
序文
まえがき❶
「君が見学に来てくれた海透君だね、よろしく! さぁ、さっそく聴診器をもって患者さんの診察にいこうか!」
医学生だった僕が、宇治徳洲会病院の見学で出会った野木真将先生(現 クイーンズメディカルセンター ホスピタリスト部門長/亀田総合病院 総合内科部長)との、これが最初の会話でした。目をキラキラと輝かせ、心から楽しそうに身体診察を教えてくれる先生の情熱に、僕の心は一瞬で鷲づかみにされました。この衝撃的な出会いこそが、僕の教育に対する情熱の、すべての始まりです。初期研修医1年目の4月。高鳴る希望を胸に、僕は宇治徳洲会病院の門を叩きました。配属された整形外科病棟で、低ナトリウム血症の鑑別に頭を抱えていた僕が、当時の整形外科部長であった徳山良之先生(現 宇治徳洲会病院副院長)に相談したときのことです。
「先生、ADH分泌が亢進しているパターンだと思うのですが……」
「海ちゃん、ようそこまで調べてくれたなぁ。まさにそのとおりやな。整形外科では痛みや手術のせいでADHが亢進する患者さんが多いから、骨折と一緒にナトリウムもようなっていくで」
教科書の知識だけでは決してたどりつけない、生きた臨床の知恵を、実に的確な言葉で授けてくれました。そして、こう付け加えたのです。
「でもな、ご飯がおいしく食べられたら、もっと早くよくなるかもしれへんな! ふりかけ3 包分3 で出しといたって(笑)」
僕が医師として初めて出した処方箋は「ふりかけ3包分3」でした。後輩の必死の努力を笑顔でみとめ、それをユーモアあふれる「治療」という形に変えてくれる。徳山先生のその懐の深さと遊び心こそ、僕が医師としてもち続けたいと願う姿勢のお手本です。
総合診療医として故郷の高浜に貢献したい。その思いを胸に、病気もけがも診られるようになるため、僕は総合診療の研修の後、整形外科での研鑽を選びました。
どんなささいな質問にも根気づよく付きあってくださる一方で、僕の学びが浅いことを見抜くと、厳しい言葉が飛んできました。「お前はこれから高浜で一人で整形外科をやっていくんだろ。ちゃんと勉強しろ」。その叱咤の奥にある、僕の未来を心から案じてくれるあたたかい眼差し。僕が目指す「愛のあるやさしさ」の本当の意味を、背中で教えてくれたのが、整形外科の師、山岡弘明先生(現 山岡整形外科医院 院長)です。
そして、故郷・高浜で手探りのまま、教育をゼロから立ち上げようともがいていた僕の隣で、誰よりも楽しそうに、一緒になって汗を流してくれたのが、共著者の安原大生先生でした。仲間と何かを創り上げることの底知れない喜び、支えてくれる存在のありがたさを、身をもって教えてくれました。
“教育とは、料理のようなものである”
教育者が丹精込めて学びの素材を仕込み、適切なタイミングで提供する。それを学習者がじっくりと味わい、患者さんへと還元して、初めて一皿の料理が完成するのです。
珠玉の医学書が最高のレシピブックだとしたら、本書はそれとは少し趣が異なります。目の前で調理され、湯気の立つままに提供される一皿のように、学び手がリアルタイムでそれを味わう――そんなライブ感こそが、本書最大の魅力だと自負しています。
僕をここまで導き、育ててくださったすべての方々へ、心からの感謝をささげます。
この本が、同じように情熱を燃やす教育者と、未来を担う学習者たちをつなぐ、ささやかな灯火となることを。そして、その灯火がやがて大きな光となり、日本中があたたかい教育で満たされる日がくることを、心から願っています。
“We are mainstreaming it!!”
いまの歩みが大きな未来につながると信じて
2025 年暑い夏に
JCHO若狭高浜病院 臨床研修センター長/整形外科部長 海透優
まえがき❷
医師3年目の秋、本書の「ビッグボス」こと海透優太先生との出会いが、私の医師としてのキャリアを大きく動かしました。臨床のあわただしさが過ぎ去った夜の病院で、研修医や医学生にとっての「最高の学びの場」とは何かを夢中で語りあった日々。思い返せば拙いながらもその情熱に満ちた時間が、私をこの高浜の地へと再び導いてくれました。
本書は、ここ若狭高浜病院で私たちが日々繰りひろげている朝のカンファレンスやベッドサイドでの学びのやりとりを、そのまま物語の形でお届けするものです。見ず知らずの土地で、患者さんのために懸命に学び、地域に寄り添おうと奮闘する若き研修医と医学生たち。本書では、彼らが臨床の壁にぶつかり、悩み、そしてチームと共に乗り越えていく、そのリアルな思考のプロセスを追体験できるように工夫しました。
出身も目指す医師像もさまざまな彼らにとって、どのような診療科に進んでも、揺るがない「幹」となるような学びとは何か。それは、「なんとなく」実践してきたことを言語化し、「なぜそう考えるのか」を自分の言葉で説明できるようになることだと、私は考えています。その瞬間に訪れる「なるほど!」という知的な喜びこそが、医師としての成長の原動力になると信じ、日々の指導にあたっています。
私の指導医としてのスタイルは、すばらしい師匠たちから授かったものです。後輩のがんばりを見つけ、励まし、学びを最大化する教育者としての姿勢は、福井大学の井階友貴先生から。総合診療医としての内科診療の礎は、福知山市民病院の川島篤志先生から。そしてなにより、この高浜の地で若手と共に情熱をもって医療と教育に取り組む魂は、ビッグボスから受け継いできました。
本書を執筆する傍ら、私自身は大学院で医療者教育学を学んでいます。学問という新しいレンズを通して私たちの実践を眺めてみると、経験的に培ってきた「高浜スタイル」の教育が、学習者の成長を促すうえで、非常に理に適ったものであるという確信を深めることができました。各章のおわりにある「エンドノート」では、研修医たちがその日の学びをどう自分のものにしていったか、その内省のプロセスを少しだけのぞけるようにしました。本書のもう一つの物語として、お楽しみいただければ幸いです。
ビッグボスの熱い想いと、私たちのささやかな工夫が詰まった「学び」と「教育」の物語。拙著ではありますが、皆様の臨床や教育の一助になることを心から願っております。
2025 年暑い夏に
JCHO若狭高浜病院/福井大学地域プライマリケア講座 安原 大生
目次
Chapter 1 誤嚥性肺炎
「とりあえず絶食と嫌気性菌カバー」って、本当にそれでいいんですか?
Chapter 2 尿路感染症
高齢者の発熱+膿尿。とりあえずセフトリアキソンでいきますけどいいですか?
Chapter 3 入院中発熱
「患者さんが熱出てます」とよばれたら、何を、どの順番で診にいけばいいですか?
Chapter 4 不明熱
とりあえず検査はしたんですがよくわかりません…… 僕のやり方合ってますか?
Chapter 5 COPD
BNPもちょい上がりの高齢者の呼吸困難。心不全とCOPD、ってどうやって見分けるんですか?
Chapter 6 急性心不全
診断はつきました。で、利尿薬は何を、いつまで、どれくらい使えばいいんですか?
Chapter 7 慢性心不全
Fantastic fourは知ってます。でも、HFpEFってエビデンスのある治療ないですよね?
Chapter 8 圧迫骨折と認知症
「痛みどめと安静」ぐらいしかやることないですよね?
Chapter 9 食思不振①
患者さんがご飯を食べません……どこを診て、何をすればいいですか?
Chapter 10 食思不振②
「もう積極的な治療は……」ご家族に、どう切り出せばいいかわかりません。
Chapter 11 勉強法
指導医の先生方って、一体いつ、どうやって勉強しているんですか?
Chapter 12 キャリア形成
「どんな医師になりたいの?」って聞かれても……正直まだわかりません。
あとがき
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書籍情報
- ISBN:9784895908733
- ページ数:252頁
- 書籍発行日:2026年2月
- 電子版発売日:2026年3月5日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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