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  • 1からはじめる健診胸部X線判定 基本知識と画像アトラス

1からはじめる健診胸部X線判定 基本知識と画像アトラス

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2026年2月
  • 電子版発売日 : 2026年3月7日
¥5,500(税込)
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商品情報

内容

この所見は何か? どう考えたらよいのか? 見逃さず,しっかり判定!
290点の画像をもとにていねいに解説した健診胸部X線判定の手引き 待望の1冊! 2つの判定・指導区分を一つひとつ解説することで,多視点で理解が進む.基本知識と考え方だけでなく,日々の現場で頼りになり,所見・疾患別の画像アトラスとしても使える! 医学生や研修医を含む初学者の学習にも役立つ!

序文

序文

これまでに、胸部X 線診断に関する読影の仕方を解説する書籍は多数発刊されており、肺がん検診に関する判定基準に基づいた読影テキストもいくつか発刊されています。しかし、一般的な健康診断における胸部X 線の判定基準に基づいて、胸部X 線写真を具体的に示しつつ、詳細に解説を加えた書籍に遭遇することはこれまでありませんでした。著者は一般的な健康診断や特殊健康診断に日常携わっており、一般的な健診医の視点で胸部X 線診断をどう行うべきかと頭を悩ませながら、これまでの胸部X 線に関する書籍の画像と照らし合わせながら、暗中模索のなか、これまで診断に従事してきました。

日本人間ドック学会・予防医療学会から胸部X 線判定区分がこれまで示されており、「健診判定基準ガイドライン(改訂新版)」において胸部X線検査所見の判定および事後指導区分が示されています。この2 つの基準や区分を、一般的な健診医が実臨床的に使用している場合が多いかと思われます。そのような判定区分や事後指導区分を同時に対比した書籍はなく、実際の一般的な健康診断に準拠した胸部X 線の書籍テキストもないのが現状であり、そのような境遇にいる健診に携わる医師の方々に少しでも助けにでもなればという思いで今回筆を執った次第です。したがいまして、本書では基本姿勢として人間ドック学会・予防医療学会の判定区分に従い、所見と病名の項目を順に構成しています。しかし、縦隔、肋骨、胸膜などの項目での腫瘤影という表現で記載されているところは、大きさが3 cm に満たない結節影である可能性もあるため、本書では結節・腫瘤影として扱っていますが、これらの部位では大きさが胸部X 線では判定しがたい場合も多いかと思われます。肺門疾患は肺門病変とし、病変として全体の統一をはかりました。また、気道病変・所見の項では気管狭窄は気管・気管支の狭窄とし、気管支壁の肥厚は気管・気管支壁の肥厚とし、気管分岐角の異常を追加しました。さらに、胸膜病変の病名の項目では悪性中皮腫との鑑別が問題となる良性石綿胸水を独自に入れており、各臓器の所見や病名に新たに加わる候補になりうるものも入れております。他の所見では、肋骨侵食像、腕頭動脈蛇行、病名では肺内リンパ節、Langerhans 細胞組織球症、肺分画症、肺胞蛋白症、apicalcap、胸膜肥厚様病変、重複大動脈弓、肺底区動脈大動脈起始症なども追加して記載しております。また、術後変化の乳房術後を乳腺(乳房)術後として記載しました。

疾患のなかには合併疾患や遺伝性疾患などの存在によっては、実際の判定区分以上の対応を要するものも含まれていることをあらかじめ言及しておきます。これは、人間ドック学会・予防医療学会や健診判定基準ガイドラインの判定区分は胸部の病変に対する対応を重視しているためと思われます。遺伝性疾患が疑われる場合には健診受診者の合意のある場合には、臨床遺伝専門医に紹介するなど、必要な対応をすべきかと思われます。

また、今回の画像で提示された症例は必ずしも確定診断に至っていない例も含まれており、健康診断でスクリーニングの段階で精査の対象にすることが望まれる、という症例もいくつかあります。さらに人間ドック学会・予防医療学会の判定区分の所見や病名に現時点で加えられていないのですが、日常健康診断で遭遇する可能性のある疾患を最後に簡潔に解説しています。今後の判定区分のなかに含めてもよいものもいくつかあるのではないかと思われます。一方で、横隔膜腫瘤影という所見と横隔膜腫瘍という診断名はかなり稀な例であり、この本のなかに掲載できる妥当な画像も見つかりませんでした。日本や海外の文献および図書にもあまり記載がなく、胸部X 線での読影の限界もあり、項目から除外してもよいのではないかと個人的には思われます。

今回、本書で引用した胸部X 線画像の大半は一般健康診断や塵肺健診などで検出されたものを主体にしておりますが、一般的な健康診断で見ることは稀である所見、肺野の所見や医療器具などを含む画像などは入院中の方から撮影されたものも含んでおります。その意味では健診の判定基準や指導区分に当てはめることに無理がありますが、健康診断で見ることも想定されるため、あえてそのような症例の画像も判定区分を加えております。一方で、日常見る胸部X 線の所見が必ずしも単独の所見であるとは限らず、いくつかの所見が複合して生じることさえあります。そのような症例は健康診断というよりは日常の診療内で遭遇することの方が圧倒的に多いのではないかと思います。しかしながら、一般的な健康診断においても複数の所見が複合することもあり、そのような場合、判定をどうすればよいのかについては臨床症状・身体所見などを総合的に考慮することも必要になってきます。また、最近では健康診断の胸部X 線所見の読影判定に人工知能(AI)診断が適用されている施設も見受けられます。健診所見の見落としを減少させる意味でも便利なツールになりうると思われますが、少数ながらAI 診断でも偽陽性や偽陰性になる可能性も当然あり、自分の目でよく観察したり、身体所見、血液所見や胸部CT、造影胸部CT、PET-CT などのさらなる画像所見を合わせて考慮していくことで、AI 診断を真摯に検証していく姿勢が望まれています。

今後の症例の集積により、複合所見やAI 画像診断の意義がより明らかにされ、胸部画像診断のさらなる発展に貢献し、健康診断の胸部X 線で恩恵を受ける人々が増加していくことを切に望んでおります。


2025年12月

きんろう病院・内科
黒田直人



監修者序文

健康診断(健診)に際して、我が国では標準の胸部健診として、胸部単純X 線検査は必須となっています。胸部単純X 線検査は現在、我が国では40 歳以上の男女を対象に行われていますが、肺がん検診に関しても国立がん研究センターがん対策研究所による“政策提言”(有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン2025年度版)で死亡率減少効果があると認められた検査法です。提言では、対策型、任意型両方の検診に実施が勧められる“推奨グレードA” に指定されています。一方、胸部単純X線写真は生活習慣病を含めて全身状態を表す鏡であるとも言われています。

日本人間ドック学会・予防医療学会による胸部X 線健診判定区分を見てみますと、所見判定項目数が異常なしを含めて78 項目、病名判定項目数が33 項目と数多く挙げられています。実際の健診の現場での胸部単純X 線検査の読影では、まず正常所見、正常亜型所見を除いた異常所見を見出し、その所見が上記の所見判定のいずれに相当するかを判断し、続いて疑い病名判定を可能な限り行い、最終的にその受診者の今後の事後指導区分の判定ができれば、受診者にとってもっとも有効な健診であったと言えるでしょう。

本書からは著者が健診の場で、この胸部単純X線検査の読影の過程で正常所見・正常亜型所見を除いた異常判定、さらにその所見判定、疑い病名判定の充実に少しでも役に立つ各々の代表症例の画像を集積して、それらを画像アトラスとしてここに上梓したいという強い気持が伝わって来ます。また、著者は現在、内科医として活躍していますが、以前は病理医として経験を積んでおり、今回のコメントのなかにも画像と病理像の背景にも触れている所もあり、興味深い書となっております。この書物が健診の場で仕事をされておられる方々や、診療の場で最初に行われる胸部単純X 線写真の読影に携わる方々のお役に立つことを祈念いたします。

本書の上梓に多大のご努力を頂いた克誠堂出版株式会社編集部の金丸秀昭様には深謝いたします。


2025年12月

監修者吉田祥二

目次

総論 胸部X線の基本事項

1 胸部 X 線撮影の種類

 胸部 X 線撮影の種類と選択 撮影時の注意点とコツ

2 胸部 X 線の読影手順

 軟部陰影の観察 骨陰影の観察 気管の観察

 気管支の観察 心大血管陰影の辺縁部の観察

 傍気管線の観察 奇静脈弓の観察

 前接合線後接合線奇静脈食道陥凹線の観察 肺動脈の観察

 肺静脈の観察 大動脈肺動脈窓の観察 心陰影の観察

 大動脈の観察 横隔膜の観察 肺野と肺門の観察

 胃泡の観察 腸管ガス像や遊離ガス像の有無の観察

 小葉間裂の確認 肋骨横隔膜角の観察 心臓横隔膜角の観察

 横隔膜縦隔陥凹の観察 側面像の評価

3 胸部X線の判定区分事後指導区分

 日本人間ドック学会による胸部 X 線健診判定区分

 健診判定基準ガイドラインによる胸部X線検査所見の判定および事後指導区分

4 所見異常なしと正常亜型

 所見異常なしと正常亜型

各論

1 各病変と所見アトラス

1 肺内病変所見

 結節影 腫瘤影 空洞影 浸潤影 線状影

 索状影 瘢痕像 石灰化影 無気肺

 シルエットサイン 肺紋理増強 血管影の走行異常

 肺血管影の減少 多発性結節影 斑状影 粒状影

 網状影 多発(性)輪状影 囊胞影(ブラ) 肺の過膨張 肺野の透過性亢進

2 肺門病変所見

 肺門リンパ節腫大 肺動脈拡張

3 気道病変所見

 気管気管支狭窄 気管偏位 気管気管支壁の肥厚像

 気管支拡張像 気管分岐角の異常

4 縦隔病変所見

 縦隔の結節腫瘤影 縦隔拡大 縦隔リンパ節腫大

 縦隔気腫 縦隔の石灰化影 食道裂孔ヘルニア

5 胸膜病変所見

 胸水 気胸 胸膜の結節腫瘤影 胸膜肥厚

 胸膜癒着 胸膜の石灰化影 胸膜プラーク

6 横隔膜病変所見

 横隔膜ヘルニア 横隔膜挙上 横隔膜の結節腫瘤影

7 肋骨病変所見

 肋骨の結節腫瘤影 肋骨の破壊像 肋骨の骨硬化像

 肋骨島 肋骨骨折骨折後 肋骨の奇形変形

 肋骨侵食像(rib notching)

8 胸郭胸壁病変所見

 脊椎側彎 脊椎後彎 漏斗胸 変形性脊椎症

 脊椎圧迫骨折 胸郭変形 鎖骨骨折骨折後 鎖骨の異常影

9 心血管病変所見

 心陰影の拡大 大動脈の拡張像 大動脈弓の突出

 大動脈の蛇行 大動脈の石灰化影

 腕頭動脈蛇行(右上縦隔部の突出)

10 先天性病変所見

 奇静脈葉 右側大動脈弓 右胸心 内臓逆位

11 術後変化所見

 胸郭形成術後 肺切除術後 気胸術後 胸骨縦切開術後 術後変化 乳腺(乳房)術後

12 その他所見

 リンパ節の石灰化影 異物 造影剤残留 医療機器装置 ステント留置 シャントチューブ

2 各病変と疾患アトラス

13 肺内病変病名

 肺炎 肺化膿症 肺結核(症) 非結核性抗酸菌症

 肺アスペルギルス症 肺腫瘍 転移性肺腫瘍

 良性肺腫瘍 間質性肺炎肺線維症 塵肺症

 サルコイドーシス 陳旧性肺結核 陳旧性肺病変

 肺気腫 肺囊囊胞症 肺内リンパ節

 Langerhans 細胞組織球症 肺分画症 肺胞蛋白症

14 気道病変病名

 慢性気管支炎 びまん性汎細気管支炎 気管支拡張症

 中葉症候群

15 縦隔病変病名

 縦隔腫瘍 縦隔気腫

16 胸膜病変病名

 胸膜炎(胸水) 気胸 胸膜腫瘍 陳旧性胸膜炎

 良性石綿胸水 胸膜中皮腫 Apical cap

 胸膜肥厚様病変

17 横隔膜病変病名

 横隔膜弛緩症 横隔膜腫瘍

18 肋骨病変病名

 肋骨腫瘍

19 胸郭胸壁病変病名

 胸壁腫瘍

20 心血管病変病名

 大動脈瘤 動脈硬化 心不全 重複大動脈弓

 肺底区動脈大動脈起始症 心囊液貯留

3 その他

21 軟部乳腺所見または病変

 軟部腫瘤 乳腺内石灰化

22 すりガラス影

 すりガラス影

23 健康診断胸部 X 線読影における AI 診断の適用

参考図書文献


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784771961609
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2026年2月
  • 電子版発売日:2026年3月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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