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- 脳神経外科学大全
商品情報
内容
序文
序文
脳神経外科は、脳、脊髄、末梢神経系といった生命活動の中枢を担う神経系疾患に対し、高度で専門的な診断と治療を提供する分野である。その重要性は年々高まりつつあり、脳神経外科医は、単に生命を救うのみならず、患者の生活の質(QOL)向上を追求するという重大な使命を担っている。本分野は日進月歩の勢いで進化を続けており、最先端の医療技術や治療概念を学び、時代の変化に即応する不断の研鑽が求められる。
本書の目的と特色〜最前線の体系化
本書は、現代脳神経外科における最前線の知識と技術を体系的に整理し、実践的理解を深めることを目的として執筆した。診断法や治療法、外科的手技の最新動向に加え、ニューロモデュレーション、免疫療法、再生医療、遺伝子治療など関連領域の進展にも重点を置いた。各章では、これらの領域を相互に関連づけ、臨床現場に直結する知識として理解できるよう配慮している。さらに、本書では現代脳神経外科が直面する課題と今後の展望にも言及し、研究成果をいかに臨床へ還元すべきかを考察した。日々進歩する脳神経外科の全体像を俯瞰し体系的に把握することで、次代の医療を担う読者諸氏が学びと実践の架け橋を見いだす一助となることを願う。
脳神経外科を変える技術革新
1)診断の革新:機能的MRI(fMRI)や拡散テンソル画像(DTI)など非侵襲的画像技術の進歩により、脳機能や神経線維の評価が格段に精密化した。これにより、脳卒中、脳腫瘍、認知症などにおける早期診断と個別化医療が現実のものとなった。
2)治療の進化:ロボット支援手術、手術ナビゲーション、術中MRI、神経モニタリング、内視鏡手術、血管内治療の発展は、安全性と低侵襲性を飛躍的に高め、患者QOL向上に寄与している。これらの技術は外科医の判断と技能を拡張し、より精緻で確実な手術を可能にした。
3)未来医療の核:人工知能(AI)は診断支援、手術計画、画像解析など多領域で脳神経外科に変革をもたらしている。本書では、その応用を具体的な症例や研究成果とともに紹介した。AI技術は今後の脳神経外科の在り方を大きく変えうる可能性を秘め、未来医療の中核となるであろう。
著者からのメッセージ
著者は、故・太田富雄先生(大阪医科薬科大学名誉教授)の薫陶を受け、在職中および開業後の約二十余年(1977~1998)にわたり『医師国家試験対策シリーズ2 外科』、『医師国家試験直前対策No.8 外科3 脳・脊髄・神経』、『MINOR TEXTBOOK脳神経外科要説』(いずれも金芳堂)の初版および改訂版の執筆に携わった(梶川、温故創新.脳神経外科ジャーナル.2020)。また、開業時には金芳堂および諸関係各位のご厚意により、本書の原点となる『脳神経外科学概説』(限定出版)を刊行した。
「臨床と教育の経験を、次代を担う医療者へ確実に継承したい」――この一念のもと、本書を上梓した。本書が、医学・薬学・看護・介護・福祉系の学生、研修医、さらに脳神経外科・脳神経内科専門医試験を志す医師諸氏、そして他科の医師にとっても、専門知識を深める確かな道標となり、日々の研鑽の一助となれば望外の喜びである。
謝辞
本書の刊行にあたり、全編にわたって格別のご高配とご指導を賜り、監修の重責をお引き受けくださった森惟明先生に、ここにあらためて深甚なる謝意を表する。先生から拝受した学恩は筆者の生涯を通じて尽きることなく、本書の随所に息づいている。また、多大なるご尽力を賜った小林架寿恵様(株式会社クリエイトGC)ならびに金芳堂関係者各位に、心より厚く御礼申し上げる。
令和8年1月吉日
著者 梶川博
目次
第1章 中枢神経の構造と機能
1.前頭葉
2.頭頂葉
3.側頭葉
4.後頭葉
5.大脳辺縁系
6.基底核、錐体路、知覚路
7.小脳、脳幹、脊髄
- column 感情、達成感、幸福感に関与する神経解剖
第2章 脳神経症状・神経学的検.
1.総論
2.意識障害
3.頭痛
4.運動障害
5.感覚障害
6.言語障害
7.瞳孔、視力・視覚障害
8.めまい
9.認知機能障害
- column 脳神経外科・内科の研修カリキュラム例示
- column 脳卒中後のリハビリテーション
- column 言語関連専門職と支援
- column 摂食嚥下障害のリハビリテーション
- column 失語症の方と接するときの注意点
- column めまいの症状とその原因(患者・家族向け)
- column 認知症の早期発見を目指す 物忘れ外来の役割
- column 認知症をめぐる社会の動き
第3章 診断プロセスにおける検査
1.総論
2.頭蓋単純線影
3.CT(コンピュータ断層撮影)
4.MRI(磁気共鳴画像)MRA(磁気共鳴血管画像)
5.脳血管造影
6.脳波検査
- column 頭蓋底を通過する神経および血管
第4章 緊急的な病態
1.頭蓋内圧亢進
2.脳ヘルニア
第5章 脳腫瘍
1.総論
2.神経膠腫
3.胎児性脳腫瘍
4.松果体腫瘍
5.脳神経および脊髄神経腫瘍
6.髄膜腫
7.中枢神経系の間葉系・非髄膜性腫瘍と神経皮膚症候群
8.頭蓋咽頭腫
9.下垂体神経内分泌腫瘍
10.胚細胞腫瘍、嚢胞性病変
11.虫垂神経原発リンパ腫
12.転移性脳腫瘍
第6章 脳血管障害
1.総論
2.脳血管内治療
3.脳梗塞
4.脳出血
5.くも膜下出血
6.脳動脈瘤
7.脳動静脈奇形
8.もやもや病
9.頸動脈海綿静脈洞瘻、硬膜動静脈瘻
10.三叉神経痛、片側顔面痙攣、舌咽神経痛
- column 脳卒中予防10か条、脳卒中克服10か条
第7章 頭部外傷
1.総論
2.頭蓋骨骨折
3.急性外傷性頭蓋内血腫、脳挫傷
4.慢性硬膜下血腫
5.頭部外傷の合併症・後遺症
- column 頭部を打ったときの注意事項(患者・家族向け)
第8章 水頭症、奇形
1.水頭症総論
2.乳幼児水頭症
3.正常圧水頭症(成人水頭症)
4.中枢神経神経系奇形疾患
第9章 頭蓋内感染症
1.頭蓋内骨髄炎、頭蓋底骨髄炎
2.髄膜炎、脳室炎、脳炎
3.硬膜外・硬膜下膿瘍
4.脳腫瘍
5.脳静脈洞血栓症
第10章 脊椎・脊髄疾患
1.脊髄腫瘍
2.脊髄血管障害(脊髄血管奇形)
3.脊柱脊髄疾患
- column 複数診療科が連携する脊椎・脊髄疾患の診療
第11章 神経障害
1.てんかん
2.パーキンソン病
3.糖尿病性神経障害
4.末梢神経疾患
第12章 脳神経外科領域の手術
1.主要な術式と保険収載
2.手術見学ならびに手術介助ガイドライン
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書籍情報
- ISBN:9784765320993
- ページ数:218頁
- 書籍発行日:2026年3月
- 電子版発売日:2026年3月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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