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- 小児科×遺伝学 基本からわかる臨床遺伝学・遺伝子検査Q&A
商品情報
内容
序文
序文
この十数年のゲノム解析技術の進歩により、医学分野でのゲノム研究は飛躍的に進み、先天異常や発達障害、代謝疾患、免疫疾患など多くの小児疾患で、病態の背景にある「ゲノムの役割」が次々と明らかになってきました。ゲノム検査により診断が確定することで治療選択や予後の見通しが立ち、時にゲノム病態に直接的に基づく薬剤選択へとつながる場面も増えています。遺伝学の知識はもはや特殊な領域のものではなく、「普通の医療」の中で必要な基礎力となりつつあり、その重要性は今後さらに高まるでしょう。
一方で、遺伝学を体系的に学ぶ機会は決して多くありません。学生の頃に概念として触れても、実臨床で検査適応を考え、結果を解釈し、家族に説明する段階で、あらためて遺伝学の基本的な知識の必要性と難しさ(すなわち、遺伝学の魅力)に気づくことが少なくないはずです。遺伝子検査の適応が拡大しているいま、遺伝学を専門としない医療者も、用語を正しく理解し、知識をアップデートしていくことが求められています。また、臨床遺伝に関わる多様な職種の連携は不可欠であり、共通の言語をあやつって議論できることが診療の質を左右します。
本書は、日々の診療に直結する「わかる」と「使える」を目標に、Q&A形式で丁寧に整理しました。普段は何気なく使っている用語の意味やゲノム検査の特性を知ることで、どのような場面でどの検査を依頼し、結果をどう理解し、どのように説明するかを具体的に描けるようになります。さらに、臨床でしばしば遭遇する非典型例にも対応できる視点を盛り込みました。前半では遺伝学と遺伝子検査の概要をまとめ、後半では具体的な疾患を遺伝学の視点から解説しています。
遺伝子検査を行う際には、検査の説明をしたうえで同意を取得し、検体の採取から結果を解釈する過程があり、さらには患者・家族に説明するための一連の流れが必要になります。これらの過程には、通常の血液検査や画像検査では遭遇しない注意点があり、臨床現場で避けて通れません。本書のQ&Aは、そうしたポイントを先回りして取り上げ、初学者がつまずきやすい用語や概念を一つずつほどいていきます。
小児医療に関わる方のすべてにとって、遺伝学を学ぶことは、患者の診断や治療をよりよいものにするだけでなく、家族の理解を助け、将来の見通しを共に考える力にもつながります。いずれの章も経験豊富な先生方に執筆いただき、入門書として最適であると同時に、診療の現場でいつもそばに置き、迷ったときに立ち戻ることができる一冊を目指しました。進歩し続ける遺伝学を、一緒に歩むパートナーとして本書を活用していただければ幸いです。
2026年2月
加藤元博
目次
1 臨床遺伝学
Q1 遺伝とは何でしょうか?
Q2 顕性遺伝(優性遺伝)・潜性遺伝(劣性遺伝)とは何でしょうか?
Q3 保因者とは何でしょうか?
Q4 遺伝カウンセリングの基本と注意点は?
Q5 家系図を書く際の注意点について教えてください
Q6 Dysmorphologyの診察のコツは何でしょうか?
Q7 小児に対する遺伝学的検査と結果報告の留意点は?
Q8 着床前診断・出生前診断の基準や説明のポイント
Q9 遺伝子解析において、研究と診療の違いはどこにあるでしょうか?
Q10 ゲノム医療推進法とは何でしょうか?
Q11 遺伝学的検査における偽陽性や偽陰性はどのように考えたらよいですか?
2 遺伝学の基本知識
Q12 DNAとは何ですか?
Q13 RNAはどのようにしてできるのでしょうか?
Q14 タンパク質はどのようにしてできるのでしょうか?
Q15 エピゲノムとは何でしょうか?
Q16 X染色体の不活化はどのようにして生じるのでしょうか?
Q17 ミトコンドリアとは何でしょうか?
Q18 遺伝子の変化はどのように記載すればいいでしょうか?
Q19 遺伝子変化があれば病的なのでしょうか?
Q20 優性阻害(ドミナントネガティブ)効果とは何でしょうか?
Q21 不均衡転座とは何でしょうか?
Q22 ヘテロ接合性の消失(LOH)とは何でしょうか?
Q23 病的なゲノム変化をもっていても発症しないことがあるでしょうか?
Q24 一塩基多型とは何ですか?
Q25 モザイクとは何でしょうか?
Q26 遺伝学に関するデータベースにはどのようなものがありかすか?
3 遺伝学的検査
Q27 どの検体を検査に出せばいいでしょうか?
Q28 遺伝子検査は保険診療で実施できますか?
Q29 核型分析とは何でしょうか?
Q30 FISH法とは何でしょうか?
Q31 ダイレクトシークエンス・サンガーシークエンスとは何でしょうか?
Q32 MLPA法とは何でしょうか?
Q33 マイクロアレイ検査とは何でしょうか?
Q34 次世代シークエンサーとは何でしょうか?
Q35 がんゲノムプロファイリング検査とは何でしょうか?
Q36 Liquid biopsyとは何でしょうか?
4 小児疾患と遺伝学的検査
Q37 トリソミー症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q38 ターナー症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q39 クラインフェルター症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q40 Beckwith-Wiedemann症候群とSilver-Russell症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q41 Prader-Willi症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q42 Angelman症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q43 Williams症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q44 Sotos症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q45 Noonan症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q46 Kabuki症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q47 筋ジストロフィーの遺伝学的検査について教えてください
Q48 結節性硬化症の遺伝学的検査について教えてください
Q49 脊髄性筋萎縮症の遺伝学的検査について教えてください
Q50 神経線維腫症1型の遺伝学的検査について教えてください
Q51 ミトコンドリア異常症の遺伝学的検査について教えてください
Q52 トリプレットリピート病の遺伝学的検査について教えてください
Q53 Gorlin症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q54 ムコ多糖症の遺伝学的検査について教えてください
Q55 ゴーシェ病の遺伝学的検査について教えてください
Q56 アミノ酸代謝異常症の遺伝学的検査について教えてください
Q57 マルファン症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q58 22q11.2欠失症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q59 MIRAGE症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q60 骨形成不全症の遺伝学的検査について教えてください
Q61 軟骨無形成症の遺伝学的検査について教えてください
Q62 重症複合免疫不全症(SCID)の遺伝学的検査について教えてください
Q63 慢性肉芽腫症の遺伝学的検査について教えてください
Q64 Wiskott-Ardrich症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q65 X連鎖無ガンマグロブリン血症の遺伝学的検査について教えてください
Q66 白血病の遺伝学的検査について教えてください
Q67 リンパ腫の遺伝学的検査について教えてください
Q68 脳腫瘍の遺伝学的検査について教えてください
Q69 固形腫瘍の遺伝学的検査について教えてください
Q70 遺伝性骨髄不全症の遺伝学的検査について教えてください
Q71 Li-Fraumeni症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q72 遺伝性網膜芽腫の遺伝学的検査について教えてください
Q73 DICER1症候群の遺伝学的検査について教えてください
Q74 VHL病の遺伝学的検査について教えてください
5 遺伝子治療
Q75 核酸医薬について教えてください
Q76 遺伝子治療(in vivo)について教えてください
Q77 ex vivo遺伝子治療について教えてください
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書籍情報
- ISBN:9784765320962
- ページ数:322頁
- 書籍発行日:2026年3月
- 電子版発売日:2026年3月14日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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