医学のあゆみ296巻12号 若い女性の「やせ」

  • ページ数 : 70頁
  • 書籍発行日 : 2026年3月
  • 電子版発売日 : 2026年3月18日
¥1,705(税込)
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内容

・「痩せていることが美しい」という価値観,SNSを介した細身体型の可視化,経済的要因,体質的要因など多層的な問題を背景に,日本の若年成人女性における低体重者は約20%に達し,先進諸国のなかで突出して高い.
・肥満症対策が重視される一方で,痩せの問題への対応はこれまで十分とはいえなかったが,2025年には「女性の低体重/低栄養症候群(FUS)」が提唱され,低体重や栄養不足による月経異常,骨密度低下,耐糖能障害,精神・身体症状などが複合的に出現する病態を包括的に捉える概念として注目されている.
・本特集では,FUSについて概説し,骨密度への影響,プレコンセプションケアとの関連,糖尿病・肥満症治療薬の目的外使用の現状,摂食障害の現状と課題,ボディイメージと教育,そして女性が健康的な生活を送れる社会に向けた取り組みについて,各分野の専門家が論じる.

序文

はじめに


日本の若年成人女性における低体重(BMI 18.5 kg/m2未満)の割合は約20~25%に達し,先進諸国のなかでも突出して高い水準にある.この背景には,“痩せていることが美しい”という価値観の内在化,SNS を介した細身体型の可視化,経済的要因,さらには体質的要因など多層的な問題が存在する.近年ではGLP-1(glucagon-like peptide-1 receptor)受容体作動薬の適応外使用による健康被害も社会問題化しており,“痩せ”がもたらす健康リスクへの対応は喫緊の課題となっている.しかし,肥満症対策が重視される一方で,痩せの問題への対応は十分とはいえなかった.

こうした状況を受け,2025 年に日本肥満学会は日本骨粗鬆症学会,日本産科婦人科学会,日本小児内分泌学会,日本女性医学学会,日本心理学会の5 学会と連携し,“女性の低体重/低栄養症候群(Female Underweight/Undernutrition Syndrome:FUS)”を提唱した.FUS は,低体重や栄養不足に起因する月経異常,骨密度低下,耐糖能障害,精神・身体症状などが複合的に出現する病態を包括的に捉える疾患概念であり,従来見過されてきた“痩せの健康リスク”を可視化する新たな枠組みとして注目されている.

本特集では“若い女性の「やせ」”をテーマに,医学的・社会的観点から多角的に検討する.FUS が提唱された背景と経緯,その概念整理と課題解決に向けた展望を概説したうえで,骨密度への影響,プレコンセプションケアとの関連,糖尿病・肥満症治療薬の目的外使用の現状,摂食障害の現状と課題,ボディイメージと教育,そして女性が健康的な生活を送れる社会の実現に向けた取り組みについて,各分野の専門家が論じる.

本特集が,医学的エビデンスに基づく知見の共有と,臨床・教育・政策における今後の健康支援への一助となれば幸いである.


田村好史
順天堂大学大学院医学研究科スポーツ医学・スポートロジー,同代謝内分泌内科学,同国際教養学部グローバルヘルスサービス領域

目次

特集 若い女性の「やせ」

はじめに

田村好史

女性の低体重/低栄養症候群の疾患概念提唱の背景

小川 渉

女性の低体重/低栄養症候群(FUS)とその課題解決に向けて

田村好史

女性の低体重/低栄養と骨密度

能瀬さやか

女性の低体重・低栄養とプレコンセプションケア─ 次世代の健康を見据えた女性の低体重・低栄養の課題

荒田尚子

若年女性の痩身志向と糖尿病治療薬・肥満症治療薬の適応外使用による健康被害:現状と症例報告─ 日本社会におけるルッキズムの蔓延と医療現場の課題

山下滋雄

若い女性の「やせ」と摂食症(障害)─ 現状の課題と包括的支援体制の構築に向けて

河合啓介

日本人若年女性のボディイメージの現状と心理教育的介入方法

鈴木公啓

日本人女性の痩せをめぐる健康課題と支援モデル─ 女性の低体重/低栄養症候群(FUS)予防と包括的教育の視点から

室伏由佳・他

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T細胞によるセルフとネオセルフの識別能による全身性自己免疫疾患の発症

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癌・腫瘍学

がん治療の進歩によって骨転移診療の重要性が増している

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連載

医師の働き方改革 ─ 取り組みの現状と課題19(最終回)

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書籍情報

  • ISBN:9784006029612
  • ページ数:70頁
  • 書籍発行日:2026年3月
  • 電子版発売日:2026年3月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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