循環器診療のエビデンスをぎゅうっとまとめました

  • ページ数 : 228頁
  • 書籍発行日 : 2026年4月
  • 電子版発売日 : 2026年3月25日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

大好評「エビぎゅう」シリーズ,待望の第三弾! 臨床の“かゆいところ”にしっかり手が届くCQを厳選し,要点をコンパクトに解説。最新エビデンスをぎゅっと濃縮するだけでなく,実臨床での考え方やひと工夫といったリアルな知見もたっぷり収載。治療にとどまらず,合併症,生活習慣,予防,リハビリといった周辺領域までまるっとカバーします。忙しい診療の合間や学会帰りに,気になるテーマからサッと読める“チョイ読み”仕様で,今日からすぐ役立つ一冊。

序文

第2版の序


近年,AIのめまぐるしい発達が私たちの生活に大きな変化をもたらしています。医療従事者の日常においても,エビデンスの検索,論文作成,学会発表の準備など,さまざまな場面でAIの関与が進み,仕事の効率が飛躍的に高まっていることを実感します。患者さんにとっても,情報源あるいは健康のアドバイザーとして,AIは今後ますます重要な役割を担うことでしょう。では,莫大な知識を背景とするAIの前で,知識をよりどころとする内科医は将来不要になるのでしょうか。部分的にそう感じることがあっても,決してそうは思いません。

医療は,人がいてこそ成り立ちます。病気には常に不安が伴い,患者さんが病院を訪れるのは,治療を受けるためだけでなく,医療従事者との対話を通じて安心を得るためでもあると思います。互いの表情や声のトーン,間の取り方を感じ取りながら行われる対話には,ぬくもりがあります。そこから患者さんの安心が生まれます。人間的なコミュニケーションの中で専門家としての助言を受けることこそ,患者さんが真に求めていることなのだと思います。だからこそ,私たちは知識を磨き続ける必要があります。

本書は,どの診療科に携わる方にも役立つ循環器領域の基本的なクリニカルクエスチョンをもとに構成しました。なかには,基本的でありながら専門医でも即答に迷うような,「いまさら人に聞けない」問いも取り上げています。各分野で活躍されている経験豊かな先生方にご執筆いただき,AIには真似できない実体験に基づく最新の医学的知見を,医師のみならずメディカルスタッフの方にも読みやすいよう,できるだけわかりやすく簡潔にまとめました。本書に収めたクエスチョンは,読者の皆さまがふと抱く疑問であると同時に,患者さん自身が抱く疑問でもあるかもしれません。診察室でそのような質問を受けたとき,私たちが自らの声のトーンや表情,間合いをもってさらりと答えるところに,医療の美しさがあると考えます。

私が研修医のころ,日野原重明先生がしばしばウィリアム・オスラーの言葉を引用し,「医学はサイエンスに基づくアートである」と語っておられました。医学がアートの領域を失えば,それはもはや医学ではなくなるのかもしれません。本書が,読者の皆さまの知識の一端となり,医学が医学であり続けるための一助となれば幸いに存じます。


2026年2月吉日

聖路加国際病院 循環器内科
浅野 拓

目次

略語一覧

Ⅰ 高血圧

CQ01 正しい血圧の測り方は? (桑原政成)

CQ02 降圧目標値は年齢・合併症によってどう変わる? (桑原政成)

CQ03 夜間の血圧パターンは重要か? (桑原政成)

CQ04 降圧薬と認知症の関連性は? (桑原政成)

CQ05 降圧薬として利尿薬を使用すべき状況は? (神崎 剛)

CQ06 ARNIの降圧薬としての使い方は? (神崎 剛)

CQ07 拡張期血圧のみ高い患者の管理はどのようにしたらよいか? (神崎 剛)

Ⅱ 心不全

CQ08 HFrEF(収縮不全)の管理のポイントは? (稲葉慎太郎,荻田 学)

CQ09 HFpEF(拡張不全)の管理のポイントは? (稲葉慎太郎,荻田 学)

CQ10 MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)内服中の心不全患者の高K血症への対処は? (稲葉慎太郎,荻田 学)

CQ11 BNP/NT-proBNPは循環器内科医でなくても使うべきか? (稲葉慎太郎,荻田 学)

CQ12 心機能の低下,原因検索のポイントは? (堀内 優)

CQ13 HFpEF(左室駆出率50%以上)はどのように診断するか? (堀内 優)

CQ14 慢性心不全患者の利尿薬選択と,導入・中止の判断は? (堀内 優)

CQ15 心機能が改善した心不全患者では,抗心不全薬を中止してよいか? (堀内 優)

CQ16 貧血/鉄欠乏を伴う心不全の管理の仕方は? (土肥智貴)

CQ17 慢性心不全患者の塩分・水分制限,どのように指導する? (土肥智貴)

Ⅲ 冠動脈疾患

CQ18 虚血評価に運動負荷心電図は必要か? (割澤高行)

CQ19 虚血のある冠動脈疾患でも,本当に血行再建しなくてよいのか? (割澤高行)

CQ20 冠動脈に狭窄がない狭心症とは? (割澤高行)

CQ21 LDLコレステロールの目標値は? (松岡勇樹,外海洋平)

CQ22 スタチンを内服すると糖尿病になる? 認知症を起こす? (長谷川英哲,外海洋平)

CQ23 スタチンで筋肉痛。患者への対応は? (坂本大輔,外海洋平)

CQ24 すべての急性心筋梗塞患者にβ遮断薬は必要か? (植木康志,板垣 惟)

CQ25 DAPT(抗血小板薬2剤併用療法)の標準的な継続期間は? (植木康志,板垣 惟)

CQ26 高齢者や出血リスクが高い患者でDAPTの短縮は可能か? (植木康志,板垣 惟)

CQ27 PCI後のDAPTを1年以上継続すべき患者はいるのか? (二宮 開)

CQ28 心房細動患者の抗凝固療法とDAPT併用,いつまで続ける? (二宮 開)

CQ29 PCI後の患者が手術や内視鏡検査を受ける場合,抗血栓薬をいつ中止すべきか?(二宮 開)

Ⅳ 不整脈

CQ30 心房細動(AF)患者にアブレーション治療を勧めたほうがよいか? (伊藤大起)

CQ31 不整脈の検出に,Apple Watchは役に立つのか? (伊藤大起)

CQ32 AFアブレーション後には抗凝固療法は止められるか? (伊藤大起)

CQ33 ブルガダ(Brugada)心電図の患者はすべて突然死リスクが高いのか? (佐藤宏行)

CQ34 心電図でみられる早期再分極は異常所見なのか? (伊藤知宏,佐藤宏行)

CQ35 器質的疾患がなければ心室期外収縮は経過観察でよいか? (山本惟彦,佐藤宏行)

CQ36 オメガ-3多価不飽和脂肪酸はAF予防に良い? 悪い? (河村岩成)

CQ37 睡眠時無呼吸症候群と不整脈の関連は? (河村岩成)

CQ38 すべてのAFに抗凝固療法を導入すべきか? (河村岩成)

Ⅴ 弁膜症

CQ39 大動脈弁狭窄症(AS)の手術タイミングは? (吉野邦彦,伊藤丈二)

CQ40 僧帽弁閉鎖不全症(MR)の手術タイミングは? (吉野邦彦,伊藤丈二)

CQ41 ASに対するTAVI治療の最近の成績は? (吉野邦彦,伊藤丈二)

CQ42 MRに対するカテーテル治療(TEER)の最近の成績は? (吉野邦彦,伊藤丈二)

CQ43 胸骨正中切開による開心術は減っていくのか?―低侵襲手術の現状(吉野邦彦,伊藤丈二)

Ⅵ 閉塞性動脈硬化症

CQ44 下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)の診断はABIで十分か? (尾﨑 大)

CQ45 ABI低値でも,症状がなければ血行再建は不要か? (尾﨑 大)

CQ46 LEAD患者における抗血小板薬の選択は? (尾﨑 大)

Ⅶ 循環器疾患と合併症

CQ47 糖尿病を合併する心血管疾患のリスク管理で,特に注意すべきことは? (久保田芳明)

CQ48 CKD患者における心血管疾患のリスク管理で特に注意すべきことは? (神崎 剛)

CQ49 心毒性を有する抗がん剤とは? 治療中に注意すべきことは? (小宮山知夏)

CQ50 メンタルヘルスと心血管疾患の関連は? (種本陽子)

CQ51 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)と心血管リスクの関連は? (加藤隆生)

CQ52 「やせ薬」として有名になってしまったGLP-1 受容体作動薬は心臓にも良いのか?(久保田芳明)

CQ53 COVID-19と心疾患は関連性があるのか? ワクチンの影響は?(渋谷晃子,森 信好)

Ⅷ 生活習慣・予防医療

CQ54 一次予防のアスピリンは必要か? (常見勇太)

CQ55 本態性高血圧でも,減塩の効果があるものとないものがある? (常見勇太)

CQ56 「チョコっと運動」でも効果はあるか? (浅野 拓)

CQ57 ゴルフは運動に入るのか? (浅野 拓)

CQ58 LDLコレステロールを下げるために,コレステロールの多い食事を控えるよう指導すべきか? (川木雄斗)

CQ59 心血管疾患を予防する適切な睡眠時間は? (川木雄斗)

CQ60 心血管疾患を予防するために目標とすべき1 日の歩数は? (鈴木隆宏)

CQ61 少量のアルコールは体に良い? 悪い? (鈴木隆宏)

CQ62 高齢者は肉をたくさん食べたほうがよいか? (浅野 拓)

CQ63 ファスティング(断食)は減量に有効か? (浅野 拓)

CQ64 カロリー計算は減量に有効か? (浅野 拓)

Ⅸ リハビリテーション

CQ65 心臓リハビリは生命予後の改善に寄与するか? (中出泰輔)

CQ66 有酸素運動とレジスタンストレーニングの組み合わせは,心リハの効果を高めるか?(山口有里那,横山美帆)

CQ67 高強度インターバルトレーニング(HIIT)とは? (中出泰輔)

CQ68 スマートフォンアプリやウェアラブルデバイスを用いた心リハの効果は? (貝原俊樹)

CQ69 在宅で行う心臓リハビリテーションの有効性は? (岩津弘太郎)

CQ70 心血管疾患の運動指導で注意すべきシチュエーションとは? (横山美帆)

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書籍情報

  • ISBN:9784758324342
  • ページ数:228頁
  • 書籍発行日:2026年4月
  • 電子版発売日:2026年3月25日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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