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商品情報
内容
「血管内にどれだけNaを入れたいかで製剤を選ぶ」
「尿量に“正常”はない。見るべきは体重」
「ループ利尿薬は中途半端な用量だと効かない」
など、臨床の“さじ加減”が最短でつかめる。
利尿薬の使い方はもちろん,最新CKD-MBDガイドラインの要点も押さえて知識をアップデート!
コスパ最強の水・電解質入門,ここに誕生。
序文
序文
こんにちは,Dr. Beanです。はじめましての人もいるかも知れません。本書は『マメカン血液透析』(2025年7月)に引き続き,新人編集者のイチヤくんと一緒に作りました(もう新人ではないけれど,まだ後輩が入社しないため,下っ端なのは変わらないようです)。
前作でデビューを飾った彼ですが,編集者として社内で賞をもらったとのことで,今回はさらに意気揚々と「水・電解質」という難敵に挑んでいます。
水・電解質というのは,医療において常に付きまとうテーマです。一見シンプルで,何となく日々の診療をこなせてしまうこともありますが,実は奥が深く,ふとした瞬間に足元をすくわれる怖さがあります。不思議なもので,上手くいくときはその理由を深く考えないことも多いのですが,上手くいかないときには必ず明確な「原因」があります。
本書では,そうした「なぜ上手くいかないのか」「どう考えれば道が開けるのか」という核心部分を,最新のエビデンスまでしっかりとカバーして書き上げました。透析医療がテーマの1冊目に続き,こうして「マメカン」シリーズ2冊目を世に送り出せることは,著者として非常に感慨深く,また喜ばしいことだと感じています。
前作で「名編集者」への第一歩を踏み出したイチヤくん(X:@Ichiya_Shinji)が,本作を経てどのように成長していくのか。10年後の彼を想像しながら,その伴走ができたことを誇りに思います。読者の皆様にも,ぜひ彼の奮闘と本書の内容を併せて楽しんでいただければ幸いです。
最後になりますが,今回も手厚くサポートしていただいたメジカルビュー社の方々,そして,Dr. Beanの姿を鮮やかにデザインしていただいた渡邊真介様に心より感謝申し上げます。
2026年3月
Dr. Bean(A. K. A長澤 将)
目次
1章 輸液の基本
1 輸液のなりたち
輸液は,広い意味での注射/静脈内投与が必要とは限らない/先人たちの試行錯誤で輸液療法が確立された/輸液の組成はどう決まった?
2 浸透圧と細胞
浸透圧:溶質の濃度が高いほうに溶媒が移動しようとする力/細胞内はK濃度が高く,Na濃度が低い!
3 体液分布
体液分布(ICFとECF)/体液量をどう測る?/点滴を入れると,血管内と間質に分布する/生理食塩水は間質と血管内に分布する/透過性の亢進で,血管内脱水も起こりうる/5%ブドウ糖液は細胞内にも分布する
4 製剤の使い分け
血管内にどのくらいNaを入れたいか,で分類する/所詮は生食と5%ブドウ糖の組み合わせ/乳酸,酢酸,重炭酸が入っているのは,高Cl性アシドーシスを防ぐため/膠質液はすべて血管内に留まる/基本的には晶質液で十分
5 尿の考え方
INとOUTのバランスをとるのが尿/尿を見れば,体液量の状態がわかる/利尿薬の影響を踏まえて尿を解釈する/利尿薬以外にも,尿に作用する薬剤がある
6 血圧の考え方
尿量確保のために血圧の維持が重要/平均血圧は65 mmHgを最低ラインに/過剰な輸液はよくないが,一概には言えない/血圧や意識状態,体温,尿量などから判断する
7 リンゲル液と生理食塩水
敗血症には,原則として緩衝化晶質液を用いる/膠質液はあまり使われない/リンゲル液と生食のどちらがいいか?は,病態とセットで考える
8 指標となるパラメータ
「まず補液して灌流を保つ!」⇨「適切な輸液」へと変化してきた/輸液反応性と輸液耐性の間をゴールにする/うっ血の評価はデバイスやエコー,IN/OUTバランス/年齢や合併症によって,目標の幅が狭まると難しい/パラメータのまとめ/尿量に「正常」はない。重要なのは体重/腎機能が落ちれば,乏尿の目安も上がる
2章 よくある電解質異常と利尿薬
1 高ナトリウム血症
多飲→多尿は生理的なので問題ない/抗利尿ホルモン(ADH)が効かない多尿(尿崩症)に注意/中枢性か,腎性かを鑑別する/「体液量」と「濃度」は分けて考える/治療は5%ブドウ糖液/意識障害+治療抵抗性は予後不良
2 利尿薬のさじ加減
体液量過剰の場合は水を追い出す/尿が出ない理由を考えずに利尿薬はNG
①ループ利尿薬(フロセミドなど)
ヘンレループ上行脚で再吸収を阻害する/低Ca血症,低Mg血症に注意/十分な量を投与する。フロセミドは空腹時/長時間作用型が良い,とは言い切れない
②V2受容体拮抗薬(トルバプタン)
人工的に尿崩症を引き起こして利尿する/心不全に効果はあるが,生命予後改善は限定的/利尿薬抵抗性:限外濾過や緩和ケアも選択肢に
③サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)
Na,Clの再吸収を抑制し,体液量を減らす/半量で十分。安価な割によく効く
④炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミドなど)
心不全治療薬としてリバイバル/脳を騙してキレイに換気させる/アシドーシスに傾くので調整用に使う
⑤ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)(スピロノラクトンなど)
Kを保持し,Na再吸収を抑制する/利尿薬というより,臓器保護薬/イニシャル・ディップを恐れるな/薬を組み合わせて,オーダーメイドの水・電解質管理を!
3 低Na血症
Na不足ではなく,水が過剰/尿と体重に矛盾がないかをチェック/低Naを見たら,まず尿電解質/SIADは水の排泄不全。Naには作用しない/SIADの70%は水制限でカバーできる/浸透圧性脱髄症候群(ODS)の恐怖
4 高カリウム血症
「とりあえずRAA系阻害薬を中止」はダメ/Kの大半は筋肉(細胞内)にある/心臓を守ることが最優先,K吸着薬は最後/野菜ジュースはK吸収率が高くなる
5 低カリウム血症
低K血症を見たらホンモノと思え/補充しても上がらないならMg欠乏/高血圧で低Kならアルドステロン過剰分泌を疑う/低Kで尿pHが下がらないなら尿細管性アシドーシス
3章 セットで考える電解質・代謝異常
1 マグネシウム
Mgが正常下限でも,組織では枯渇していることがある/ループ利尿薬やプロトンポンプ阻害薬で低Mgのおそれあり/「とりあえず不整脈にMg」は否定された/適度な高Mgを維持し石灰化を防ぐ
2 カルシウム
Ca濃度はアルブミン補正をしてから評価/Ca,P,PTHをセットでオーダーする/緊急時は,生理食塩水でCaを出す/CKDの低Ca血症はそれほど多くない/慢性期なら,Ca補充よりも活性型ビタミンD
3 リン
腎機能が低下しても,すぐに血清Pは上がらない/フレイルを避け,肉や魚はしっかり食べる/炭酸Caは安価だが,石灰化に注意/原因不明の呼吸不全や心不全は低P血症を疑う/いきなりカロリーを入れてはいけない/緊急時以外は,Pはゆっくり経口投与
4 骨(CKD-MBD)
Ca管理の優先順位が上がり,PTHの下限がなくなった/カルシミメティクスでしっかりPTHを下げ,骨を守る
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書籍情報
- ISBN:9784758324632
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2026年4月
- 電子版発売日:2026年4月3日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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