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- 子どものこころの診療―小児科医が挑む子どものこころの臨床<小児診療Knowledge&Skill 4巻>
商品情報
内容
子どものこころの臨床に携わる小児科医と精神科医のエキスパートによる、日々の診療に活用できる『小児診療 Knowledge & Skill』シリーズ第4巻
序文
序
このたび,『小児診療Knowledge & Skill』シリーズの第4巻として,『子どものこころの診療―小児科医が挑む子どものこころの臨床』を世に送り出す運びとなりました.総編集の加藤元博先生(東京大学)をはじめ,本シリーズの刊行に多大なるご尽力をいただいた中山書店の日下美由紀様,ほかすべての関係者の皆様に,心より感謝申し上げます.
また,本書の企画と編集を共に推進し,中核を担ってくださった共同編集者の岡田俊先生,金生由紀子先生,石﨑優子先生,永光信一郎先生をはじめ,すべての執筆者の皆様の熱意とご協力に,改めて心より感謝の意を表します.皆様の献身的な参画なしに,本書の完成はありえませんでした.
現代社会における小児医療の新たな責務
子どものこころの問題は,現代の小児医療において避けて通ることのできない,きわめて重要なテーマです.社会状況の変化に伴い,小児科外来には神経発達症,心身症,気分症など,「こころ」の健康に関する相談が年々増加し続けています.
この潮流のなか,2023年にこども家庭庁が始動し,子どもの権利を尊重した切れ目のない支援の構築が国家的な課題となりました.特に,子どもアドボカシーの重要性が高まるにつれ,医療の場においても,子どもが自らの声を上げ,その意見が尊重される環境整備が求められています.小児科医には,身体的な健康を守るだけでなく,子どもたちのウェルビーイング全体を支え,権利を擁護する役割が強く期待されています.
連携と専門性に基づく「知」と「技」の結集
しかし,「こころ」の診療は専門性が高く,多岐にわたる知識と技術が求められます.子どものこころの診療もまた,子どもの発達科学と精神医学の最新の知見に基づいた,“ 体系的な「知識(Knowledge)」と「技術(Skill)」” が不可欠です.本巻は,この切実なニーズに応えるべく,「知識と技術に裏づけされた自信を日常診療に」という本シリーズの理念に基づき企画されました.
本書では,「子どものこころ」の臨床に携わる小児科医と精神科医のエキスパートが結集し,実際に日々の診療で活用できるポイントを主軸に原稿を執筆してくださいました.内容は,以下の広範な領域を網羅しています.
・子どものこころの発達と検査,治療の枠組み
・神経発達症
・心身症
・気分症・精神病圏
・逆境体験とトラウマ
・子どものコンサルテーション・リエゾン
・一般外来での対応から専門外来への連携
・予防と連携(特に5歳児健診を中心に)
私たちが目指したのは,エビデンス(根拠)とエクスペリエンス(経験)を融合させた「知」と「技」を提供し,小児科医が目の前の子どもの状態を深く理解し,最適な方針を決定できるようになることです.
専門家同士の協働の推進
この第4巻に込めた最も強いメッセージは,「専門性を活かした連携の必須性」です.子どものこころの診療における専門性担保のため,今,一般社団法人子どものこころ専門医機構の設立が進められてきました.これは,小児科医,精神科医がそれぞれの強みを活かし,専門家として質の高い診療を提供するための大きな一歩です.本書は,個の優位性を誇示するのではなく,小児科医がすでにもっている「子どもの全体像を診る力」や「身体疾患への専門性」を土台としつつ,精神科医療の専門性と効果的に協働するための指針を提供します.
特に,地域で活動する公益社団法人日本小児科医会「子どもの心相談医」との連携は,子どもたちを身近で支えるうえできわめて重要です.また,子どもの心身の問題の早期発見・早期支援の要となる5歳児健診において,小児科医が積極的な役割を果たし,専門的な視点から健診の質を高める責務を果たすことも,本書の重要なメッセージの一つです.
本書が,小児医療の現場に「こころ」の臨床をしっかりと根付かせ,専門家同士の緊密で心優しい連携を促進する「羅針盤」となり,子どもたちの権利を守り,健やかな成長を支える未来を築くための一助となることを確信しています.読者の皆様の熱心なご活用を期待し,序文とさせていただきます.
2026年1月
田中恭子
順天堂大学医学部小児科学講座 准教授
目次
1章 子どものこころの発達,検査
小児科医が担う子どものウェルビーイング (田中恭子)
子どものこころの発達の特徴 (永田雅子)
小児科診療におけるBPSフォーミュレーションの重要性と実践 (田中恭子)
心理検査 (松嵜くみ子,傍田彩也子)
生物学的検査 (北島 翼)
2章 治療の枠組み
薬物療法
向精神薬を用いた薬物療法 (岡田 俊)
小児心身症における薬物療法 (石﨑優子)
心理社会的治療
トラウマインフォームドアプローチとトラウマ焦点化治療 (亀岡智美)
認知行動療法/行動療法,対人関係療法 (池田真希子)
遊戯療法・箱庭療法 (大堀彰子)
支持的精神療法の実際 (生田憲正)
親ガイダンスと養育支援 (金生由紀子)
親子の関係性に働きかける心理社会的治療と介入
(公衆衛生モデル,PCIT,CARE) (加茂登志子)
ペアレント・トレーニング (石井礼花)
環境調整と地域・多機関連携 (小川知子)
コラム①クリニックでできる心理療法:小児科医編 (秋山実季,秋山千枝子)
コラム②クリニックでできる心理療法:看護師編 (江崎陽子)
精神科医との連携
小児科医から (岡田あゆみ)
精神科医から (桑原 斉,横山 香,山内秀雄)
かかりつけ医とこころの診療を専門とする小児科医との連携 (作田亮一)
コラム③小児科医会「子どもの心」相談医の活躍 (本田真美)
3章 子どものこころの診療
神経発達症
自閉スペクトラム症 (広瀬宏之)
注意欠如多動症(ADHD) (岡田 俊)
知的発達症 (汐田まどか)
学習障害(限局性学習症) (岡 牧郎)
運動症(発達性協調運動症,チック症) (金生由紀子)
心身症
起立性調節障害 (山分銀六,吉田誠司)
摂食症 (大谷良子)
慢性疼痛症 (永井 章)
身体症状症と解離症 (宮本信也)
習癖異常 (櫻井優子)
神経症圏と適応反応症
不安症群 (渡部京太)
強迫症 (小平雅基)
適応反応症 (牛田美幸)
精神病・気分障害圏
統合失調症と初期対応・ARMS(At Risk Mental State) (松本 峻,藤田純一)
うつ病・抑うつ状態と初期対応 (宇佐美政英)
双極症と初期対応・ADHD・思春期の周期性精神病との鑑別 (辻井農亜)
抗NMDA受容体脳炎,てんかんに伴う精神症状 (和久田智靖,中村佳夏)
児童虐待と子どものメンタルヘルス
小児期逆境体験と子どもの発達 (山崎知克)
プライマリケアでの被虐待児のケア (田中 哲)
愛着障害 (五月女友美子)
PTSD(心的外傷後ストレス症) (八木淳子)
4章 小児科身体治療とメンタルヘルス
小児がんの心理社会的支援 (江崎陽子,田中恭子)
移植医療におけるメンタルヘルスと意思決定支援 (小林まどか,田中恭子)
早産・低出生体重児における発達とメンタルヘルス (細澤麻里子)
リエゾンチームと多職種連携・地域連携 (藤井義之)
その他の慢性疾患と自立支援 (落合亮太)
小児コンサルテーション・リエゾン (田中恭子)
5章 一般外来での対応と専門外来への紹介
不登校 (黒神経彦)
自傷行為と自殺企図 (中村俊一郎)
デジタルゲーム・インターネット嗜癖の状態像とケア (吉川 徹)
睡眠障害 (井上 建)
性的逸脱・性化行動 (上野千穂)
ヤングケアラー,子どもの貧困 (門田行史)
6章 予防と連携
乳幼児健診と事後指導 (小倉加恵子)
5歳児健診の方向性 (永光信一郎)
地域連携:子どものSDH(健康の社会的決定要因)の視点から (小林穂高,向原千夏)
拠点病院事業 (児島正樹)
コラム④お子さんの居場所支援:「川崎市子ども夢パーク」 (西野博之)
付表
付表①主な心理検査の種類と概要
索引
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書籍情報
- ISBN:9784521751443
- ページ数:320頁
- 書籍発行日:2026年3月
- 電子版発売日:2026年4月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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