- m3.com 電子書籍
- 基礎からの薬物動態学 第3版
商品情報
内容
序文
第3版まえがき
本書は,故 池田敏彦先生を中心に初版が構成されました.池田先生は長きに亘り医薬品開発の薬物動態分野で活躍され,多くの革新的医薬品の創出に尽力されました.そのご経験が本書初版には,至る所に,自然に,そしてわかりやすく引用されました.本改訂第3版においては,池田先生の創薬への意気込みが伝わる「概念」に関する記載については,なるべく表現を変えずに,しかし最新の知識や事例も盛り込みながら構成しました.
初版は,6年制の薬学教育の先駆者が世に輩出され活躍し始めた頃に,創薬と医療が融合した薬学教育における薬物動態学の教科書として出版されました.その基本的な学問の観点は現在も変わらないものの,医薬品は低分子から高分子,そして細胞自体がヒトに投与されるようになり,それらの標的は,酵素や受容体などのタンパク質から核酸にまで広がっています.このような医薬品の大きなパラダイムシフトが生じている中,薬物動態学という学問の目指すところは変わりません.以下に初版まえがきの一節を引用いたします.
薬物動態学は,薬の吸収,分布,代謝および排泄のメカニズムを詳細に調べる学問です.血液中の薬物濃度の時間的な変化を測定することも,これに含まれます.このことにより,その薬がどの程度強く,また長く,薬効や毒性(副作用)を発現するのかを予測することが可能になります.薬の作用は,薬物濃度の高さとその持続時間で決まるからです.つまり,薬物動態を調べることは,医薬品としての性能を評価することにもつながっています.したがって,製薬企業においては,新薬を開発する段階で,数多くの化合物の中から最も有望なものを見つけるために,薬物動態学的なスクリーニングが日夜,実施されています.
1つの薬の薬物動態は,ヒトと実験動物の間で,また,欧米人やアジア人などの民族間でも異なるのが通常です.さらには,同じ民族においても個人間で違っています.このような違いは,薬効や副作用の動物種差やヒトでの個人間変動をもたらしています.すべては,薬物の代謝や輸送に関わっている遺伝子に,多くの変異が存在していることに起因しています.最近では,このような個人間変動に合わせて薬の種類や量を調節する,個別化医療の重要性が謳うたわれています.このように,薬物動態研究が起点となって,個別化医療が推進・展開されてきたのであり,個々の患者に応じた投与設計など,薬物動態学は,臨床の現場に密接した学問となっているのです. 本書は,令和4年度に文部科学省より発出された「薬学教育モデル・コア・カリキュラム」に則り,構成しました.この改訂ではSpecific Behavioral Objective(SBO),いわゆる「何をすればよいのか」がなくなり,「行動主義」から「構成主義」,「機械的な作業」から「思考を伴う実践」への移行が求められています.「思考を伴う実践」の観点は,まさに初版に位置付けられたところであり,本改訂では,最新の国家試験に基づく「最新の知識」と「思考を伴う実践」を融合することを意識しました.
本書が,薬物動態学の知識と思考,それに伴う実践を学ぶための指針となり,医薬品等の特性に応じて,薬物そして生理活性物質との相互作用や個人間変動を十分に認識し,臨床現場で活躍できる薬剤師の育成につながることを期待いたします.
最後に,本書の改訂に多大なご尽力をいただきました,編集部諸氏に感謝いたします.
2026年2月
千葉 康司
目次
1.生体膜透過
1.1 生体膜の構造
1.2 物質の生体膜透過機構
1.3 受動拡散(単純拡散)
1.4 担体輸送
1.5 膜動輸送
2.吸 収
2.1 消化管吸収
2.2 消化管吸収に影響を及ぼす因子
2.3 その他の投与経路
3.分 布
3.1 分布を支配する要因
3.2 薬物-血漿タンパク結合
3.3 薬物の胎児への移行
3.4 薬物の脳への移行
3.5 薬物のリンパ管系への移行
4.代 謝
4.1 薬物代謝
4.2 第Ⅰ相反応
4.3 第Ⅱ相反応
4.4 薬物代謝酵素の細胞内局在と肝ミクロソーム
4.5 シトクロムP450
4.6 薬物代謝が薬効・毒性に及ぼす影響
4.7 プロドラッグ
4.8 初回通過効果
4.9 薬物代謝に影響を及ぼす因子
5.排 泄
5.1 腎排泄
5.2 胆汁中排泄
5.3 唾液中排泄
5.4 乳汁中排泄
6.薬物動態の変動要因
6.1 年 齢
6.2 遺伝的因子
6.3 妊娠における薬物変動
6.4 病態時における薬物変動
7.ファーマコキネティクス
7.1 コンパートメントモデル
7.2 2-コンパートメントモデル
7.3 1-コンパートメントモデルにおける点滴静注(定速度静脈内投与)
7.4 1-コンパートメントモデルにおける繰り返し投与後の血中濃度
7.5 非線形体内動態
7.6 生理学的薬物速度論
7.7 モーメント解析
8.薬物相互作用
8.1 薬物相互作用
8.2 薬物動態学的相互作用
8.3 薬力学的相互作用
9.治療薬物モニタリング(TDM)
9.1 TDMの概念と意義
9.2 TDMが必要な薬物の特徴
9.3 薬物血中濃度の測定法
9.4 採血および検体の取り扱いの留意点
9.5 投与設計
9.6 特殊病態下での投与設計
9.7 母集団薬物速度論とベイジアン法
9.8 PK/PD理論
9.9 抗菌薬のPK/PD
索 引
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
- 全文・
串刺検索 - 目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
- PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
- 南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:7.6MB以上(インストール時:19.1MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:30.5MB以上
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:7.6MB以上(インストール時:19.1MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:30.5MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784621312841
- ページ数:162頁
- 書籍発行日:2026年3月
- 電子版発売日:2026年4月15日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。


