- m3.com 電子書籍
- ADLの動作分析 -“関節運動”からひもとく臨床実践のカンドコロ-
商品情報
内容
患者さんの日常の困りごとを支援する全セラピスト必携の一冊!
「トイレでお尻を拭くときに前に倒れそうになってしまって…」「もっときちんと髪をとかしたいのに…」など、患者さんの日々の悩みは多岐にわたります。
こうした患者さんの機能回復を図り、ストレスのない日常生活を送ってもらうようにするためには、「なぜ、その動作ができないのか?」を正確に分析し、理解する視点が欠かせません。しかし、臨床では、様々な表情を見せるADLの問題点をどのように抽出すればよいのか、そして、どのように運動療法につなげたらよいのか、その判断に苦労しているセラピストが多い現状があります。
本書では、ADLが基本動作の組み合わせ、または応用によって成り立っていることに着目し、各動作を関節運動の視点から捉え直すことで、患者さんの困りごとに対する具体的な解決の糸口を示しています。
多種多様なADLだからこそ、個々の問題に柔軟に対応できる目を養うことが求められます。その足がかりとして、ぜひ手元に置いてもらいたい一冊です。
序文
監修のことば
動作分析の本質を捉え、臨床に革新をもたらす一冊
本書を世に送り出すにあたり、監修者として、臨床家の皆様へ心からのご挨拶を申し上げます。
リハビリテーションの世界において、患者さんの機能回復と日常生活への復帰を支援する私たちの使命は、動作を正確に理解し、分析することに尽きます。従来、日常生活活動(ADL)は、「基本動作」(寝返り、起き上がり、座位保持、立ち上がり、歩行など)と「身のまわり動作」(食事、更衣、整容、排泄、入浴など)という二つのカテゴリーに分類され、それぞれが独立した評価・治療対象として扱われてきました。しかし、この分類法は、動作の本質的な構造を見過ごしている可能性があります。なぜなら、身のまわり動作を構成する要素を細かく分解すれば、それらはすべて、基本動作の応用、または組み合わせによって成り立っているからです。
そこで、本書では「広義の基本動作」という定義を提案し、身のまわり動作を、基本動作と広義の基本動作の組み合わせとして捉え直すことで、動作分析の「カンドコロ」をより深く理解することができるようにしています。
臨床実践の現場では、患者さんの「動作ができない」という問題に対し、ただ訓練を繰り返すのではなく、「なぜ、その動作ができないのか?」という根本原因を突き止めることが最も重要です。原因が関節可動域の制限なのか、筋力低下なのかという正確な動作分析なしに、適切な介入はありえません。
本書は、その動作分析の精度を飛躍的に高めるための具体的な手法と、その背景にある運動学・解剖学の知見を提供します。すなわち、基本動作の構成要素を徹底的に理解することで、一見複雑に見える身のまわり動作の動作分析も、まるでパズルのピースをあわせるように明確になるのです。この理解こそが、臨床家の皆様が患者さんの問題点に対して「ここだ!」と自信をもって介入できる核心(カンドコロ)となるでしょう。
本書は、単なる知識の羅列ではありません。すべての章が、「関節運動からひもとく」という一貫した視点に基づいて構成されており、専門家としての思考のプロセスを鍛えることを目的としています。この一冊を手に取られた皆様が、基本動作の本質を深く理解し、身のまわり動作を基本動作に分解・再構成して分析する新たな視点を獲得できる。また、その知識をもとに、患者さん一人ひとりの状態にあわせた、最も効果的なリハビリテーションを導き出すことができるようになることが、本書の最大の願いであり、監修者としての私の目標です。
本書を通じて得られる深い洞察力が、皆様の臨床実践を豊かにし、より多くの患者さんの希望につながることを確信しております。
最後に、本書を刊行する機会を与えていただいた協同医書出版社、とくに本書に熱くお付き合いいただいた大島千尋氏に感謝いたします。
2026年2月
監修者 鈴木俊明
目次
監修のことば
chapter 1 ADLの動作分析総論-ADLを分析することとは-
chapter 2 ADLの動作分析実践-基本動作-
❶寝返り動作
①寝返り動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
❷起き上がり動作
①起き上がり動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
❸立ち上がり動作
①立ち上がり動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
❹着座動作
1|椅子への着座動作
①椅子への着座動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|床への着座動作
①床への着座動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
❺歩行動作
1|前方歩行
①前方歩行を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|後方歩行、方向転換
①後方歩行、方向転換を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
❻階段昇降動作
①階段昇降動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
chapter 3 ADLの動作分析実践-身のまわり動作-
❶トイレにまつわる動作
1.トイレ動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|トイレに着座するまでの動作
①立位にて便座に対してその場で方向転換する動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|下衣の引き下げ・引き上げ動作
①立位での下肢に沿った両上肢下方リーチ動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
3|トイレットペーパーを取る動作
①座位での体幹の回旋運動を伴う両上肢リーチ動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
4|清拭動作
体幹側方からの殿部清拭動作
①座位での体幹側方からの殿部清拭動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
体幹前方からの殿部清拭動作
①座位での体幹前方からの殿部清拭動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
PETIT COLUMN 運動学的解釈のための手引き
❷整容にまつわる動作
《A 洗顔動作》1.洗顔動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|水をすくった両手に顔を近づける動作
①立位での下方リーチ動作における体幹の前傾を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
《B 髪をとかす動作》
1.髪をとかす動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|座位で頭頂部に手を運ぶ動作
①座位での上肢側方挙上動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
《C 爪切り動作》
1.爪切り動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|座位での骨盤および体幹の後傾動作
①座位での後方移動を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|座位での下肢挙上動作
①座位での下肢挙上動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
PETIT COLUMN 運動学的解釈のための手引き
❸更衣にまつわる動作
《A 上衣の着脱》
1.ひらき服の着衣動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|ひらき服の袖に腕を通す動作
①座位にて袖を手から肩まで通す動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|ひらき服を手繰り寄せる動作
頭側から手繰り寄せる動作
①座位で反対側に衣服を手繰り寄せる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
腰部から手繰り寄せる動作
①座位で反対側に衣服を手繰り寄せる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
3|もう片方の腕を反対側の袖に通す動作
①座位でもう片方の腕を袖に通す動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
4|衣服を整える動作
①座位で衣服をズボンに入れる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
《B 下衣の着脱》
1.ズボンの着衣動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|ズボンの裾に足を通す動作
①立位で一側下肢を挙上し、ズボンの裾に足を通す動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
PETIT COLUMN 運動学的解釈のための手引き
❹食事にまつわる動作
1.食事動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|食べ物に手を伸ばして口元に運ぶ動作
①座位での前方リーチ動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|口元を食べ物に近づける動作
①座位で上部体幹を前方に傾ける動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
3|コップでの飲水動作
①座位で上部体幹を後方に傾け、顎を上げる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
PETIT COLUMN 運動学的解釈のための手引き
❺入浴にまつわる動作
《A 洗い場での動作》
1.洗い場での動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|腕を洗う動作
①座位で対側上肢に手部を到達させる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|タオルで背中を洗う動作
①座位での一側上肢挙上位および一側上肢下垂位で手部を移動させる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
《B 浴槽への出入り動作》
1.浴槽への出入り動作を「基本動作」と「広義の基本動作」に分割する
2.広義の基本動作を理解する
1|浴槽のまたぎ動作
座位でのまたぎ動作
①座位でまたぐ動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
立位でのまたぎ動作
①片脚立位でまたぐ動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を理解する
2|浴槽から立ち上がる動作
①長座位から立位になる動作を運動学的に解釈する
②この動作が問題であるときの機能障害を考える
PETIT COLUMN 運動学的解釈のための手引き
同じジャンルの商品
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
- 全文・
串刺検索 - 目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
- PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
- 南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:149.0MB以上(インストール時:304.8MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:596.0MB以上
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:149.0MB以上(インストール時:304.8MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:596.0MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784763995827
- ページ数:298頁
- 書籍発行日:2026年2月
- 電子版発売日:2026年4月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。


