いちばんやさしい、医療統計 改訂版

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2026年4月
  • 電子版発売日 : 2026年4月28日
¥3,520(税込)
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商品情報

内容

これならわかる!身近な例と図表から統計をイメージでとらえる!
難しいと思っていた統計の基本がこれならわかる!P値やT検定,回帰分析って結局何を意味するの?ややこしい数式は考えず,身近な例と図表で解説.統計をイメージで捉えられるから,すんなり理解できる.学会発表・臨床研究,論文解釈に必須の知識が身につく.YouTubeやブログの解説がわかりやすいと好評の医療統計家による医師・医療スタッフのための入門書.

序文

はじめに(改訂の序)


「統計は難しい……」

「どの検定を使えばいいかわからない」

「平均値はわかるけれど,分散や標準偏差と言われると自信がない」

そんな悩みに応える1冊として,本書初版を2019年に発行しました.

実はこれらはすべて,私自身が抱えていた悩み,そのものです.

私は大学院修了後,あろうことか製薬会社の統計解析部門に配属されました.学生時代は統計の講義で寝てばかり.試験直前に詰め込んでなんとかパスしても,終われば何も残っていない.T検定の使い方すら怪しかった私が,統計を仕事にするなど夢にも思っていませんでした.

しかし,仕事を始めて数年後,統計に関して,2つのことが理解できたときに,ブレイクスルーが起こりました.

その2つというのは,

●母集団と標本の関係

●誤差の概念

です.

「なぜこのデータを解析するのか?」という目的をクリアにし,データには必ず「誤差」があるからこそ統計が必要なのだと気づいたとき,景色が一気に変わりました.この気づきから,本書初版を執筆し,同じ悩みをもつ多くの読者の方に,ご活用いただくことができました.

さて,初版の刊行から6年半が経過しました.この間, A Iやデータサイエンスの技術は飛躍的に進歩し,誰もが簡単に高度な解析ツールを使える時代になりました.しかし,ツールがどれほど便利になっても,入力するデータの背景にある「母集団と標本」を理解し,出力された結果に含まれる「誤差」を正しく評価する力がなくては,解析結果を適切に解釈することはできません.むしろツールの進化とともにその重要性は増しています.

そのため,この2つの概念をきちんと捉えることが,統計を学ぶうえで最も大切なことだと思っています.そこで,本書では「母集団と標本」の関係をまずは重点的に学べるようにしてあります.この「母集団と標本」の概念がわかるようになれば,自然と「誤差」について考えるようになりますし, 95% 信頼区間の重要性についても理解することができるようになります.

初版で大切にしていた通り,改訂版でも極力,数式は排除して解説することを心がけました.また,改訂にあたっては,さらに「わかりやすさ」を追求し,図解や身近な例を交えて内容をブラッシュアップしました.加えて,昨今の研究や論文執筆の現場で議論になることが多い「P値」の扱いについても,新たなトピックを加筆しています.具体的には,「名目上のP値」の解釈や,「そもそも,いつも多重性を厳密に回避する必要があるのか?」といった,多くの方が現場で直面する疑問に答える内容としました.そのほか,回帰分析や相関についても項目を追加し,より実践でお役立ていただけるようアップデートしました.ぜひ本書で,統計学の本質をイメージできるようにしてください.

本書を改訂・刊行するにあたり,多方面にご尽力いただいた(株)羊土社の秋本佳子 様, 森悠美 様に深く感謝いたします.また,本書を執筆するにあたって常に協力してくれた,家族に感謝いたします.


2026年3月

株式会社データシード
吉田寛輝

目次

はじめに(改訂の序)

初版の序

第1章 統計の役割

1 統計を使えるようになるには?

1「知っている」状態と「使える」状態は異なる 2 統計に必要な3つの力

2 統計=P値と思っていませんか?

1 統計= P値という間違った理解 2「統計」の本当の意味

3 役割① データの特徴をつかむ

1 特徴をつかむには,要約統計量とグラフを使う

4 役割② 母集団の推定

1 母集団と標本 2 臨床研究における母集団と標本 3 母集団と標本の関係を理解すると,論文の読みかたが変わる

章末問題

第2章 要約統計量

1 連続データ

1 データにも種類がある 2 連続データとは 3 図式化:ヒストグラムをつくってみる 4 要約:平均値を算出してみる 5 外れ値がある場合はどうするか?:中央値の算出 6 平均値で要約することが適切な状況 7 バラつき度合いも要約する:分散と標準偏差 8 正規分布とは 9 左右対称の分布ではない場合のバラつきの指標:四分位範囲と箱ひげ図 10 正規分布に近づける:対数変換と幾何平均

2 カテゴリカルデータ

1 カテゴリカルデータとは 2 カテゴリカルデータの要約法 3 分割表:複数のカテゴリカルデータの関係を分析する 4 分割表から算出される感度と特異度 5 陽性的中率と陰性的中率

章末問題

第3章 統計的推測

1 母集団の推定

1 標本をいくつか抽出してみる 2「点」推定ではなく,「区間」推定をする 3 95%信頼区間とは 4 95%信頼区間の注意点

2 仮説検定

1 統計的検定の結論は,必ず二択 2 統計的検定で重要なこととは? 3 αエラーとβエラー 4 帰無仮説と対立仮説 5 検定は手順が重要 6 片側検定と両側検定 7 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定

3 P値

1 P値とは 2 T統計量で学ぶ,P値に影響を及ぼす要素 3 統計的に有意な差と,臨床的に意味のある差は区別する 4 検証的なP値と名目上のP値とは

章末問題

第4章 計画を立てる

1 計画の重要性:バイアスと精度

1 計画を立てる 2 バイアスを避け,精度を確保する 3 バイアスを避ける 4 精度の確保

2 バイアスを防ぐ方法

1 ランダム抽出:対象のデータをランダムに集める 2 ランダム割付:集めたサンプルをランダムに群に割付ける 3 盲検化:割付けた群をわからないようにする

章末問題

第5章 さまざまな検定を理解する

1 検定を選択する際のポイント

1 対応の有無 2 アウトカム 3 正規性とは 4 群の数

2 なにを比較している検定か把握する:帰無仮説と対立仮説

1 T検定はなにを比較しているか? 2 分散分析はなにを比較しているか?

3 T検定

1 なにを解析する検定か? 2 パラメトリック検定 3 帰無仮説と対立仮説 4 T検定の手順 5 自由度について

4 ウィルコクソンの順位和検定

1 なにを解析する検定か? 2 パラメトリックとノンパラメトリックの違いを復習 3 帰無仮説と対立仮説 4 なぜ“順位”なのか 5 名前は違うが同じ検定:マンホイットニーのU検定

5 χ二乗検定,フィッシャーの直接確率検定

1 χ二乗検定とは 2 χ二乗検定の帰無仮説と対立仮説 3 χ二乗検定の手順 4 フィッシャーの直接確率検定とは

6 分散分析

1 なにを解析する検定か? 2 帰無仮説と対立仮説 3 分散分析表の見かた 4 一元配置や二元配置とはなにか? 5 分散分析の後に,多重比較をする意味

章末問題

第6章 多重性の問題

1 多重性とはなにか? なぜ問題なのか?

1 宝くじで学ぶ多重性 2 じゃんけんで学ぶ多重性 3 なぜ多重性が問題なのか

2 多重性を回避するには?

1 複数回検定しても多重性の問題が発生しない? 2 多重性を回避することはできる? 3 いつも多重性を厳密に回避すべき?

章末問題

第7章 生存時間解析

1 生存時間解析とは

1「イベント」という概念 2「打ち切り」という概念 3 どのような場合に,生存時間解析を使うか?

2 カプランマイヤー曲線

1 カプランマイヤー曲線とは 2 どこがイベントで,どこが打ち切り? 3 カプランマイヤー曲線から,さらに読み取れることとは

章末問題

第8章 回帰分析

1 回帰分析とは

1 回帰分析とは 2 最後の誤差は何者か? 3 どうやってa とb を決めるか:最小二乗法 4 回帰分析に関する用語の整理

2 共分散分析

1 共分散分析はどのような解析手法か 2 交絡バイアスを思い出そう 3 共分散分析の式~どちらの影響なのかを解析する 4 交絡因子を調整し,比較してみる 5 なぜ結果の違いが出てくるのか

3 ロジスティック回帰分析

1 ロジスティック回帰分析はどのようなときに使うか? 2 ロジスティック回帰分析はどのような解析手法か? 3 結果の解釈のしかた

4 Cox比例ハザードモデル

1 Cox比例ハザードモデルはどのようなときに使うか? 2 Cox比例ハザードモデルの解析手法と結果の解釈

章末問題

第9章 相関

1 相関係数とは

1 相関係数とは 2 相関と回帰分析の違い 3 相関係数のP値にはどんな意味があるのか

2 ピアソンの相関係数とスピアマンの相関係数

1 相関係数はなにを使うか? 2 線形関係,単調な関係とは?

章末問題

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書籍情報

  • ISBN:9784758124485
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2026年4月
  • 電子版発売日:2026年4月28日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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