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- よくわかる骨粗鬆症診療の基本とTips
商品情報
内容
『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』を踏まえ、病態・治療薬・診療の基本、そして日常診療で役立つ実践のポイントを要点整理して、わかりやすく解説。
骨粗鬆症診療に関わる医師から、研修医、骨粗鬆症マネージャーまで、骨粗鬆症の病態と診断、治療薬の使い分けのイメージがわいてくる、明日の診療・対応につながる一冊。
序文
はじめに
骨粗鬆症は高齢女性の半数にみられるcommon diseaseであり,骨折の最大のリスクの一つである.骨折が多大な苦痛をもたらすのはもちろんのこと,椎体や大腿骨近位部の骨折は生命予後に悪影響を及ぼすことが古くから知られており,どう考えても,骨は折れないに越したことはない.近年,世界中の研究者の努力によって骨粗鬆症の診断法や治療薬は飛躍的に発展してきた.適切に評価・治療を行えば,1年間で骨密度を10%以上増やすことも可能となってきており,骨粗鬆症患者の多くは「何とかできる」時代になったと感じる.
では,骨粗鬆症はどのような施設のどの診療科の医師が担当すべき疾患なのであろうか.患者の多くは骨といえば整形外科と想起し,骨粗鬆症の相談ではまず近くの整形外科クリニックを受診すると想像される.あるいはかかりつけの内科の先生に骨粗鬆症も診てもらっているという患者も少なくないと思う.骨粗鬆症はありふれた疾患であり,多くは原発性であって,治療も特にハイリスクなものではないことから,基本的に骨粗鬆症はかかりつけ医や自宅近くの整形外科クリニックで治療を受けるのがよいと筆者は考えている.他方,2023年には「グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン」が刊行され,ステロイドや骨を弱くする薬を処方する場合には骨粗鬆症への配慮が必須であることが明記されている.骨粗鬆症を併発する疾患もいくつか知られている.「骨に興味ないんだけど…」という医師も,状況によっては骨粗鬆症治療に関わらざるを得なくなったといえる.
筆者は大学院入学以来,軟骨・骨の分子生物学研究に長く従事してきたが,整形外科学講座に戻ることになり,骨粗鬆症診療に本格的に関わることになった.それまでの基礎研究を通じて骨代謝にはそれなりに詳しくなっていたつもりだったが,東京大学医学部附属病院(東大病院)で専門外来を開設してまもなく,各地から紹介される重度骨粗鬆症患者,特に診断がつかずに紹介されてくる症例への対応に悩まされることになった.幸いにも同病院には,腎臓・内分泌内科に骨代謝疾患を専門とする伝統あるチームがあり,リーダーを務めておられる伊東伸朗先生は,骨代謝疾患に精通し,骨を愛してやまないスペシャリストであった.病院としてより体系的に骨粗鬆症診療を進める必要性,また筆者自身がさまざまなサポートを得たいという思いから,伊東先生をはじめ複数の診療科の先生方と一緒に2018年に骨粗鬆症センターを開設した.現在9年目を迎えて,今日まで規模を拡大しながら診療科横断的な活動を続けている.多様な骨粗鬆症・骨代謝疾患の患者,そして多くの骨粗鬆症や骨代謝疾患,骨系統疾患の専門家の方々から日々勉強させていただき,骨粗鬆症診療に楽しくやりがいをもって従事することができている.
筆者らが骨粗鬆症センターを開設した頃,ちょうど骨形成促進薬が続々と発売開始となり,各製薬企業が主催・共催の講演会も多かった.骨粗鬆症センターという概念がまだ珍しかったことも影響したのだろう,センター長ということで,筆者も多くの講演の機会を頂いてきた.しかし筆者自身は骨粗鬆症の臨床研究を主導してきたわけではなく,自身の分子生物学的な研究を紹介しても,聴衆の先生方が気の毒でならない.一方,講演後の聴衆の先生方との交流を通じて,骨粗鬆症診療に関して圧倒的な経験と知見をお持ちの先生方がいらっしゃる一方で,鑑別すべき疾患や骨粗鬆症治療薬の特性についてあいまいな先生もおられ,そのような先生の中には骨粗鬆症診療はあまり楽しくないと感じている先生が少なくないことに気づいた.そこで筆者は,自らが直近で経験し習得した臨床のTipsを共有し,骨粗鬆症診療が楽しいと感じられるに至った工夫を共有できればと考えた.これまで約200回の講演で,「骨粗鬆症を専門としているわけではなく,特段骨代謝に詳しいわけではないが,日常診療では骨粗鬆症の診療はしている」という医師を対象に,骨粗鬆症の診断と治療の基本をできるだけわかりやすくお話し,診断と治療のピットフォールを紹介してきた.大変ありがたいことに,講演後には「骨粗鬆症に興味が出てきた」「こういう講演は初めてだった」「そういうことはもっと早く知りたかった」「今の話を本にしてほしい」という声も何度も頂いた.国内には骨粗鬆症の臨床研究を数多く主導されてきた第一人者の先生方も数多く,筆者のような者はそのような書を書くべき立場でないと考えてきたが,このたび三輪書店からご依頼をいただき,執筆の機会を得た.2025年,「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」が10年ぶりに改訂されたが,その厳密なエビデンスに裏付けられたガイドラインの対極として,手軽に参照できる入門書,すなわち骨粗鬆症診療に前向きに取り組むための入口となるような本を目指した.地域で骨粗鬆症診療に関わっておられる医師や医療従事者の皆様に広く役立ち,骨粗鬆症診療にやりがいを感じるきっかけとなれば,この上ない喜びである.
2026年2月
齋藤 琢
目次
1 骨粗鬆症診療を楽しくするために
2 骨粗鬆症とは
A.骨の構造
B.骨を構成する細胞
C.カルシウム代謝
D.リン代謝
E.骨粗鬆症の定義と病態
3 検査と診断
A.初診時の評価
A-1.医療面接・身体診察
A-2.画像検査(脊椎X線,MRI)
A-3.骨密度検査
A-4.血液・尿検査(血算,一般生化学,骨代謝マーカーなど)
B.検査結果の解釈
C.原発性骨粗鬆症以外の疾患が疑われる場合
C-1.身体所見・症状
C-2.血清カルシウム濃度の異常
C-3.血清リン濃度の異常
C-4.ALPの異常
4 治療薬の種類と特徴,注意すべき事項
A.カルシウム薬
B.天然型ビタミンDサプリメント
C.活性型ビタミンD薬
D.メナテトレノン(ビタミンK2薬)
E.選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)
F.ビスホスホネート薬
G.抗RANKL抗体薬(デノスマブ)
H.PTH1型受容体作動薬(テリパラチド,アバロパラチド)
I.抗スクレロスチン抗体薬(ロモソズマブ)
5 治療方針の選択
A.ビタミンD不足・欠乏だけの患者
B.治療開始基準を満たす骨粗鬆症患者
C.若年の骨粗鬆症患者
D.低骨形成の患者
[症例1:骨吸収亢進型の原発性骨粗鬆症]
[症例2:骨吸収亢進型の原発性骨粗鬆症,続発性副甲状腺機能亢進症]
[症例3:骨形成低下型の若年性骨粗鬆症]
[症例4:骨形成低下型の原発性骨粗鬆症]
E.治療開始早期にみられる副作用と注意事項
6 治療開始後の長期戦略と,注意すべき事項
A.天然型ビタミンDサプリメント・活性型ビタミンD薬を開始した患者
B.SERMを開始した患者
C.ビスホスホネート薬を開始した患者
D.デノスマブを開始した患者
[症例5:血清カルシウム濃度の維持に難渋した症例]
E.PTH1型受容体作動薬を開始した患者
F.ロモソズマブを開始した患者
7 注意すべき併存症・薬剤
A.腎機能障害
[症例6:高度腎機能障害患者]
[症例7:高度腎機能障害,ロモソズマブ開始後に低Ca血症を生じた症例]
B.糖尿病
C.消化器障害
D.摂食障害,偏食
[症例8:摂食障害後の若年性骨粗鬆症患者]
E.注意すべき薬剤
[症例9:アロマターゼ阻害薬を使用中の骨粗鬆症患者]
[症例10:薬剤性骨軟化症患者]
8 症例で学ぶ鑑別すべき骨粗鬆症類縁疾患
A.先天性疾患
A-1.骨形成不全症
[症例11:骨形成不全症患者1]
[症例12:骨形成不全症患者2]
A-2.低ホスファターゼ症
A-3.その他の先天性疾患
B.内分泌疾患
B-1.副甲状腺機能亢進症
[症例13:原発性副甲状腺機能亢進症患者]
B-2.甲状腺機能亢進症
[症例14:甲状腺機能亢進症を併発した骨形成不全症患者]
B-3.その他の内分泌疾患
C.腫瘍性疾患
[症例15:多発性骨髄腫患者]
D.骨軟化症
[症例16:腫瘍性骨軟化症患者]
[症例17:自己免疫性骨軟化症患者]
引用文献
おわりに
索引
コラム
非定型骨折
顎骨壊死
費用に関する説明
使う順番に注意する
患者がこちらの提案に賛成してくれない時(MRONJへの警戒感・自己注射への抵抗感・治療費への懸念)
体幹DXAの装置がない医療機関の場合
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書籍情報
- ISBN:9784895908771
- ページ数:110頁
- 書籍発行日:2026年4月
- 電子版発売日:2026年5月1日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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