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- 抗リン脂質抗体陽性妊娠の診療ガイドライン2026 改訂2版
商品情報
内容
抗リン脂質抗体症候群(APS)は,動・静脈血栓症や習慣流産,妊娠高血圧症候群などの産科合併症を引き起こす自己免疫性疾患である.本書は,抗リン脂質抗体陽性妊娠や関連する不育症に対し,適切な治療や妊娠管理を支援するための診療ガイドラインである.
初版発行以後,臨床研究や症例が蓄積され,新たな検査法や診断基準の改訂が進んだ.これらの進展をふまえ,10年ぶりに改訂.
序文
序
抗リン脂質抗体症候群(APS)は,動・静脈血栓症や習慣性流産,妊娠高血圧症候群など,多彩な臨床像を示す疾患で,内科や産婦人科はもちろん,血液科,循環器科,小児科など,さまざまな診療科にまたがっています.そのような疾患を持つ女性の妊娠については診療科間の連携を含め解決すべき課題は多岐にわたり,適切な診療の拠り所となるガイドラインの整備が極めて重要となります.
本ガイドラインの初版が日本医療研究開発機構の研究班によって刊行されてから,早いもので10年が経ちました.その間に,臨床研究の蓄積や新たな検査法の導入,分類基準の改訂など,APS診療は確実に前進を遂げています.一方で,妊娠管理においては不育症から胎児発育不全,妊娠高血圧症候群に至るまで病態は多岐にわたり,症例集積が進んだ領域においてすらエビデンスの解釈には慎重さが求められます.また,検査方法の標準化も道半ばであり,明確な指針を示すには未解決の課題も多いのが現状です.しかし,APS患者の妊娠は日々診療の現場で直面しており,「結論が出るまで待つ」という選択肢は存在しません.だからこそ,今ある知見を丁寧に整理し,現場で迷わずに使える形にする必要があります.そこで,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究(自己免疫班)(代表:渥美達也先生)編集という形で改訂することといたしました.
改訂にあたっては,各領域に精通された先生方にご協力いただき,Clinical Question(CQ)を立てた上でシステマティックレビュー(SR)を行い,推奨文を作成いたしました.レビューの対象とならない基本事項はBackground Question(BQ),今後の検討課題とすべき内容はFuture research Question(FQ)として整理し,それぞれの分野の第一線でご活躍の先生方にご執筆いただきました.また,推奨作成の過程では,医療者だけでなく患者さんや医療スタッフにもご参加いただき,GRADEグリッド法による合意形成を重ねながら,できる限り透明性の高い形でまとめました.患者さんの思い,ご家族の状況,そして医療者としての感覚や経験─それらを大切にしながら診療方針を検討される際に,本書が少しでもお力になれましたら幸いです.
最後になりましたが,臨床でお忙しい中,SRや執筆にご尽力くださった先生方,そしてプロジェクトを温かく,時に力強く牽引してくださった藤枝雄一郎先生・藤田太輔先生・金子佳代子先生に,また同時並行で作成した抗SS-A抗体陽性妊娠の診療ガイドラインの責任者の立場からアドバイスや激励をくださった坪井洋人先生に,心より感謝申し上げます.さらに,初版から今回の改訂まで,我々の意向を大切にしながら素敵な書籍にしてくださった南山堂編集部の皆様にも,この場をお借りして深く御礼申し上げます.
2026年3月
埼玉医科大学リウマチ膠原病科
村島温子
目次
第1章 抗リン脂質抗体症候群(APS)の診断〔抗リン脂質抗体(aPL)の測定意義〕
BQ1 抗リン脂質抗体症候群(APS)の定義とは?
CQ1 抗リン脂質抗体症候群(APS)の分類基準に含まれていない抗リン脂質抗体(aPL)の測定は推奨されるか?
CQ1-1 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)と分類された女性には分類基準に含まれない抗リン脂質抗体(aPL)の測定を行わないことを推奨するか?
CQ1-2 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)の臨床基準を満たすが分類基準に含まれる抗リン脂質抗体(aPL)が陰性の女性に,分類基準に含まれないaPLの測定を行うことは推奨されるか?
Column1 不育症からみた抗リン脂質抗体症候群(APS)の問題点
Column2 抗リン脂質抗体症候群(APS)の胎盤病理診断
Column3 抗リン脂質抗体症候群(APS)と遺伝子多型
第2章 妊娠前の評価
FQ1 抗リン脂質抗体症候群(APS)合併妊娠におけるプレコンセプションケア(PCC)は推奨されるか?
FQ2 自然妊娠を期待できない無症候性抗リン脂質抗体(aPL)陽性患者に生殖補助医療(ART)を含む不妊治療は推奨されるか?
第3章 妊娠時のリスク評価
CQ2 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)の周産期アウトカムを予測するうえで,血栓症既往歴,抗リン脂質抗体(aPL)プロファイルの評価は有用か?
CQ2-1 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)の周産期アウトカムを予測するうえで,血栓症既往歴の評価は有用か?
CQ2-2 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)の周産期アウトカムを予測するうえで,抗リン脂質抗体(aPL)プロファイルの評価は有用か?
第4章 妊娠中の評価・管理
BQ2 抗リン脂質抗体症候群(APS)合併妊娠の管理法
CQ3 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)に対して低用量アスピリン(LDA)とヘパリンの併用療法は推奨されるか?
CQ4 抗リン脂質抗体症候群(APS)の臨床基準を満たさない抗リン脂質抗体(aPL)陽性妊婦に対して,周産期アウトカムの改善目的で抗血小板療法・抗凝固療法は推奨されるか?
FQ3 標準治療抵抗性の産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)に免疫グロブリン静注療法(IVIG)/グルココルチコイド(GC)投与は推奨されるか?
FQ4 標準治療抵抗性の産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)に新規治療薬〔ヒドロキシクロロキン(HCQ)/スタチン/腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬〕は推奨されるか?
第5章 分娩~産後の評価・管理
CQ5 血栓症の既往がない産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)に対して産後の血栓症の予防として抗血小板療法・ワルファリン投与は推奨されるか?
Column4 抗リン脂質抗体症候群(APS)の産後(3ヵ月)の抗凝固療法について
Column5 産科的抗リン脂質抗体症候群(APS)患者における将来の全身性エリテマトーデス(SLE)合併リスクについて
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書籍情報
- ISBN:9784525331825
- ページ数:94頁
- 書籍発行日:2026年5月
- 電子版発売日:2026年5月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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