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- マンガでわかる脳神経外科の極意
商品情報
内容
著者の全国の脳外科の当直室に置かれるのが夢であり,情熱を伝える本を出したいという思いがつまった書籍.
序文
序
私が富士脳障害研究所附属病院に勤務していたかれこれ40年前に,当時部長だった瀬川弘先生が「脳外科に4コマ漫画集があればいいのになぁ」と言われていたのを記憶しており,いつか脳神経外科手術4コマ漫画集を作ろうと心に決めていました.
私たちが脳神経外科医をはじめた頃の手術教科書というと日本語のものがほとんどなくて,Kempe先生のOperative NeurosurgeryとSeeger先生の手術アトラスがバイブルのような存在でした.特にKempe先生の本はマクロ手術が中心だった頃の本で,前交通動脈瘤の手術では右前頭葉が落とされて,Weckクリップのようなクリップで動脈瘤を止める手術が解説されています.これらの本は頭皮から頭蓋骨,そして硬膜,脳,病変がすごくわかりやすく直感的に書かれており,『こんな本が今のマイクロの時代に即してできたらよいな』とも考えていました.こまごました技や目先のこだわりや理論ではなく,『頭蓋・脳の解剖と,物と道具の本質,自分達の身体のErgonomics(人間工学)に基づいた直感的な手術の道理が伝えられるとよいな』と考えて,本書の着想を得ました.私自身は日本で脳神経外科の基礎を学び,何しろ手術を上達させ,どんな病気にも驚かなくなるためには,さまざまな手術を自分ごととして学ぶ必要があると考え,米国で臨床をさせてもらうことを希望し,米国で結局9年間臨床に浸かることになりました.
幸いなことに日本では東京大学で佐野圭司先生,高倉公朋先生門下の落合慈之講師や浅野孝雄講師の手術と基本姿勢,国立国際医療センターでは近藤達也部長に手術をArtとして考えること,寺岡記念病院では寺岡暉先生に100例の受け持ち患者でも,『第六感を磨いて患者の悪化を感知しなさい!』という教訓,福島孝徳先生とは3年間,毎日毎日手術漬けで,福島先生の勢いと精神とちょっとだけ技を学び,富士脳障害研究所では瀬川弘先生,有竹康一先生,佐野圭司先生の傘の下で手術三昧でした.留学直前には東京都立神経病院での石島武一部長,清水弘之先生,高橋宏先生,鈴木一郎先生のもとで,脊髄の手術や機能外科の面白さを学ぶことができました.
そして米国では毎日のように聴神経腫瘍や脳動脈瘤,頸動脈内膜剥離術(CEA),Esthesioneuroblastoma(ENB)や見たことのない腫瘍や奇形,そして非常に多くの脊椎・脊髄の手術を経験することができました.なかでもThoralf M. Sundt Jr. 先生,David G. Piepgras先生,Michael J. Ebersold先生にはものすごく密な指導をいただきました.Sundt先生のもとで3か月1st Assistantをさせていただいた期間は,自分の中で毎日毎日が輝きでした.また米国在住後半ではLaligam N. Sekhar先生のもとで働く機会を得て,頭蓋底手術の真髄を見ることができました.そして,見学も多くの施設を訪ねさせていただきました.特にイスタンブールのUgur Ture先生の手術見学とYaşargil先生に出会いお話しさせていただいたことは忘れられない経験となりました.
その他名前を挙げきれなかった先生や先輩方,同僚や後輩と話を密にすることで,彼らの経験も書き留めて,自分の物とする努力をすることができました.特にライバルと自分では呼んでいた川原信隆先生,塩川芳昭先生,谷口真先生たちとのたわいもない話や彼らとの手術談義は,今でもすぐ脇で話をしているように聞こえてきます.
手術を学ぶには広い視点と経験も必要と考えており,日本のロボット工学の第一人者である光石衛先生とロボットの研究をすることができ,手術がどのような手順の組み合わせで出来上がるのかを考えることができました.また大好きな料理からの学び(特に切開や剥離)も実は大いに手術に生かされていると思っています.
本書はそのような先生方や経験から学び,自分なりに解釈して,自分にはこれがよいと考えてきた手術の理を漫画集としてまとめたものです.他の教育施設や患者層が異なる環境では,全く違うやり方や考え方があると思います.大事なことは,「患者第一」です.自分達なりの習慣があれば,それを理に適った方法でうまく後進に伝えていただきたいと思います.本書のやり方にこだわる必要はありません.また今の脳外科の主流である脳血管内手術や低侵襲手術,内視鏡手術,脊椎の手術などはカバーできていません.主に頭蓋のマイクロ手術の基本を伝えたいと思っています.
私自身は,The「手術の森田」を目指したわけですが,むしろ「未破裂動脈瘤(UCAS)とロボット研究の森田」になってしまったかもしれません.それでも本書を世に出せることで,私が東京大学,系列病院,Mayo Clinic, George Washington大学,その後東京大学,NTT東日本関東病院,日本医科大学で治療させていただいた患者さんたちから経験し,学んだ手術の心と技の成り立ちを皆さんに伝えることができれば幸いと思っています.少しでも皆さんの脳神経外科を学ぶステップの一助になり,一人でも多くの若手が患者さんのためになる手術を習得することに繋がれば存外の喜びです.
今は出し尽くした感がありますが,また思いつくアイデアがあれば第二弾も企画できればと思います.
この本が世界中の病院の脳神経外科当直室に置かれる日を夢見て!
皆さん脳神経外科良医を目指しましょう!
2025年12月吉日
森田明夫
東京労災病院院長
日本医科大学脳神経外科名誉教授
目次
01 4つの鉄則:手術の心構え(4か条)
Q 脳神経外科の手術の心構えで一番大切なことは何ですか?
鉄則1 急がば回れ
鉄則2 忍耐力・持続力を磨け
鉄則3 油断大敵
鉄則4 手術は慎み深く
02 4つの準鉄則:技を極める(4か条)
Q 手術を上達するにはどうしたらよいですか?
準鉄則1 上からの血の垂れ込みは禁
準鉄則2 道具を選べ!
準鉄則3 道具を知れ!
準鉄則4 見学時は声を聞け!
03 基本操作(27か条)
1 術者の姿勢(1か条)
2 体位・頭位と固定(3か条)
3 皮膚切開・筋層剥離・縫合(6か条)
4 バーホール・開頭・硬膜(7か条)
5 道具(10か条)
04 マイクロ下手技の基本(19か条)
1 マイクロ操作の基本(9か条)
2 マイクロ下手技基本(剥離・止血・減圧)(10か条)
05 開頭部位と手術のコツ(37か条)
1 前頭側頭開頭(10か条)
2 両側前頭開頭(2か条)
3 頭頂開頭(2か条)
4 後頭開頭(2か条)
5 後頭蓋開頭(2か条)
6 動脈瘤クリッピングの基本(2か条)
7 IC-PC(内頸動脈ー後交通動脈分岐部)脳動脈瘤のクリッピング(5か条)
8 MCA(中大脳動脈)瘤クリッピング(2か条)
9 Acom(前交通動脈)瘤クリッピング(1か条)
10 腫瘍摘出(6か条)
11 聴神経腫瘍(3か条)
06 医療安全 手術で失敗したら?(6か条)
1 医療安全は医療の要(6か条)
INDEX
付録1(14か条)
手術画の心得(14か条)
付録2(4か条)
バイパス術の要点(4か条)
コラム
Amor’s Recipe I.~VI.
師匠たち 1~4,仲間たち 1~2
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書籍情報
- ISBN:9784059890324
- ページ数:272頁
- 書籍発行日:2026年2月
- 電子版発売日:2026年5月2日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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