- m3.com 電子書籍
- 小児眼科学 第2版
商品情報
内容
『小児眼科学 第2版』は、初版で確立された「小児の視機能を守るための標準的教科書」という基本方針(早期発見の重要性・小児特有の診察の難しさと工夫・小児眼科全分野を網羅した知識)をそのまま堅持しながら、11年分の臨床の進歩と知見を体系的にアップデートした改訂版です。
最大の特徴として、編集体制を「日本小児眼科学会」編集へと刷新し、学会として総力を挙げて作成しました。第2版では各章に専門の編集者を置き、章内の多方面の執筆を一つの流れとして統合しています。各章は、まずその領域の考え方を示す総論を置き、続く各論で基本知識と最新情報をわかりやすく解説する構成です。
また、新しい検査・治療法の登場、疾患理解の深化、診断基準や各種ガイドラインの公表など、この11年で更新された重要事項を最新情報として反映しました。必要な知識を土台から確認し、最新の知見まで一気に押さえることができるため、日常診療に役立ちます。
そして現在、検査・治療技術の進歩に加え、専門医制度の生涯教育や学会セミナー等による知識普及が進み、小児眼科を標榜する病院・医院も増えています。成人診療を主とする眼科医でも、小児診療に一歩踏み出せる時代だからこそ、「どこまで自分で診て、どこから専門家へ送るか」を理解することが重要です。本書では、小児眼科診療が「一部の特殊な医師の領域」から「より広く行われる領域」へと変化しつつある現状にも即しています。
さらに、小児期に限って起こる疾患だけではなく、小児期に発症し、その後も長期~生涯にわたり診療を要する病態を広く扱っています。ジストロフィや病的近視などの緩徐進行性疾患、晩期合併症、手術後・腫瘍治療後のフォローアップなど、年齢の枠にとどまらない小児眼科の実像に即して、診療の視野が広がります。
そして小児眼科診療は、眼科医と視能訓練士だけで完結するものではありません。小児科などの他科医師や看護師の協力が必須であることに加え、就学相談や学校保健を含む教育関係との連携の重要性も記載し、チーム医療・地域連携を見据えた実践的な視点を盛り込みました。
初版から続く体系性と読みやすさを土台に、学会編集としての整合性、最新知見の反映、そして現在の診療環境に即した内容へとアップデートした、小児眼科診療の拠りどころとなる一冊です。
序文
第2版の序
本書の初版『小児眼科学』は,それまでにない広汎で詳細な内容をもつ小児眼科の教科書として好評を博してきた.しかし,初版刊行から約10年を経て,新たな検査や治療法が開発され,疾患の理解も深まり,さまざまな診断基準や手引きも公表されてきた.そこで,最新の情報とアップデートを盛り込み,ここに第2版を上梓することとした.この第2版は,初版の個人編集ではなく,日本小児眼科学会の編集によるものとし,学会として総力を挙げて編纂した.小児眼科で扱われる分野は,本書の章構成を見ればわかるように,眼科のほぼ全ての領域を網羅している.日本小児眼科学会は,この広い領域の専門家がほぼ揃っており,さらに日本眼科学会をはじめ多くの専門学会,日本眼科医会,日本視能訓練士協会と連携してこれまで数多くの学術活動やガイドラインや手引きの作成を行ってきた.この第2版では各章を専門の編集者が担当し,その章における多方面の執筆を統合した結果,各分野における学会の統一見解を示す内容となっている.眼以外で全身の管理や問題については,他の専門診療科に執筆いただいた.各章では,初めにその領域の考え方を示す総論を置き,各論で基本知識と最新情報をわかりやすく記載している.臨床写真やデータ,病理などの図もアトラスに匹敵する充実を図った.
第2版は,以下の初版の方針を堅持している.
◆ 小児の眼疾患は,視機能の発達に重大な影響を及ぼすものが多く,早期発見と適切な処置が非常に重要である.数ある眼科疾患のうち,過半数は小児・若年期に発症していると言ってよく,扱わなければならない疾患が膨大な数にのぼる.しかもその範囲は眼科領域のすべてに及んでいる.これらを適切に診断し管理しなければならない.病態は成人と大きく異なる点も多いので,診断や治療で迷うことも多く注意を要する.
◆ 小児は検査への協力が得られにくく,診療に困難を感じることも多い.一方で,見過ごすことができない病態が潜んでいることもあり,検査や治療にはさまざまな工夫が必要となる.さらに,視力獲得のために弱視予防や視能訓練を考慮することが必要である.
◆ 将来が長い小児の視覚を守るために,このような小児眼科診療における広い知識と診療技術のコツを習得することは眼科医にとって必須であるが,どこでも研修できるわけではない.したがって,小児眼科の広い分野を網羅した教科書をここに刊行する.しかし時を経て,小児眼科の診療は大きく変わりつつある.手持ち式カメラやOCT,皮膚電極のERGやVEP,フォトスクリーナーなどの検査機器が開発されて,幼少児でも検査が容易に実施できるようになった.治療では手術機器や技術の進歩によって,角膜手術,眼内レンズ手術,緑内障シャント手術,網膜硝子体手術などが広く行われるようになった.未熟児網膜症などでは抗VEGF治療が導入され,Surgical RetinaからMedicalRetinaへ大きく移りつつある.これらは,疾患の早期発見や予後改善に大きく寄与し,
本書ではこの進歩をわかりやすく記載している.さらにこれら検査や治療技術の進歩,専門医制度の生涯教育,学会セミナーなどでの知識普及によって,小児眼科は一部の限られた医師が行うのではなく,広く行われるようになってきた.小児眼科を標榜する病院や医院,内眼手術を行う医師も増え,成人を診る医師が,少し手を伸ばせば小児の診療ができる時代になっている.そうなると,難しい症例は専門家へどのように送るか,どこまで自分で診てどこから専門家へ送るかを理解することが重要であり,本書はこの点にも十分に配慮した.小児眼科学は,小児期という年齢枠に捉われない.ジストロフィや病的近視など緩徐に進行する疾患,晩期合併症,手術や腫瘍の治療後など,長期に,時には生涯にわたって診療を要する場合もある.したがって本書では,小児期に限って起こる疾患だけでなく,小児期に発症する疾患を広く扱っている.
小児眼科診療は眼科医だけで行えるものではなく,小児科をはじめとする他科医師,視能訓練士,看護師などの協力が必須である.また,就学相談や学校保健を含めて,教育関係者との連携も重要である.そのため,本書は広い範囲の読者にとって見やすく,理解しやすいものとなるよう努めた.
本書の表紙では子どもが空や未来を見ている図柄となっており,その眼と視覚を守るのが小児眼科の使命である.本書が小児の眼科診療に関わるすべての方々に役立ち,日本小児眼科学会が他の医学・科学領域,さらには社会との架け橋となる一助となれば幸いである.
2026年3月
日本小児眼科学会
理事長 東 範行
目次
第1章 小児の診療の特徴
医師の立場から
視能訓練士の立場から
第2章 視機能の発達と検査
屈折と視力
調節・輻湊,瞳孔
視野
色覚
眼位と眼球運動
両眼視機能
第3章 眼の構造と機能の検査
前眼部・中間透光体の検査
眼底の検査
超音波検査,CT,MRI
網膜電図(ERG),視覚誘発電位(VEP)
睡眠・全身麻酔下検査
第4章 疾患の早期発見のために
早期発見の重要性
乳幼児健診
就学時健康診断・学校における健康診断
主訴と視診で疑う眼の異常
気がつきにくい視力・視野の異常
医師の検査で見逃されやすくまぎらわしい所見
診断・治療の緊急度一覧
第5章 眼の発生と先天異常の起こり方
眼球の初期発生
各眼組織の胚葉由来
各眼組織の分化
先天異常の起こり方
第6章 屈折異常と眼鏡・コンタクトレンズの管理
屈折異常の考え方
眼鏡の管理
コンタクトレンズの管理
第7章 近視
基礎知識
小児の近視の診断と鑑別を要する病態
小児の近視管理①環境因子による管理
小児の近視管理②眼鏡矯正と近視進行抑制治療
近視進行抑制治療の実際
第8章 弱視
弱視とは
病態の研究
弱視の原因と治療
弱視診療における視力の評価方法
弱視診療における屈折検査
弱視治療用眼鏡
健眼遮閉
ペナリゼーション
乳幼児健診
弱視治療での留意点
弱視診療のトピックス
第9章 斜視
斜視と両眼視の管理
共同性斜視
外斜視
特殊な斜視
第10章 外眼部疾患
小児の外眼部の特徴
疾患
第11章 前眼部疾患
小児の前眼部疾患の特徴
疾患
第12章 白内障・水晶体疾患
小児の白内障・水晶体疾患の特徴
疾患
第13章 緑内障
小児緑内障の特徴
手術治療
疾患
第14章 眼底疾患
小児の眼底疾患の特徴
疾患
第15章 ぶどう膜炎
小児ぶどう膜炎の特徴
疾患
第16章 神経眼科疾患
小児の神経眼科疾患の特徴
疾患
第17章 眼内腫瘍
小児の眼内腫瘍の特徴
疾患
第18章 眼窩疾患
小児の眼窩疾患の特徴
疾患
第19章 涙器疾患
小児の涙器疾患の特徴
疾患
第20章 外傷
小児の外傷の特徴
外傷の各型
第21章 虐待
児童虐待 総論
頭部,全身,眼の虐待所見
頭部外傷の虐待所見
児童相談所,司法との関わり
子ども虐待に関する法律
第22章 心因性視覚障害
小児の心因性視覚障害の特徴
疾患
第23章 全身病と治療における全身管理
眼疾患を伴う全身症候群(全身所見から)
眼疾患を起こす全身病(眼所見から)
麻酔・ICUでの全身管理
NICUでの全身管理
第24章 染色体異常,遺伝性疾患と遺伝相談
染色体異常
家族歴の聴取と遺伝形式の推測
遺伝子診断
遺伝カウンセリング
眼科領域の遺伝性疾患
第25章 ロービジョンケア
ロービジョンケアに関する基礎的事項
保護者の質問に対する回答
年齢に応じた早期ロービジョンケア
代表疾患
中途視覚障害児
重複障害児
第26章 神経発達症(発達障害)・重複障害
神経発達症(発達障害)
重複障害
診療上の留意点
療育・教育機関との連携のあり方
第27章 学校保健
学校保健と法律・歴史
眼科学校保健
眼科学校保健推進などへの取り組み
第28章 色覚異常
先天色覚異常
後天色覚異常
第29章 小眼球,無眼球と義眼の管理
小眼球
無眼球
義眼の管理
第30章 身体障害者・小児慢性疾患などの手続き
身体障害者
小児慢性特定疾病
特定医療費(指定難病)
障害児福祉手当
第31章 法規・法的問題,倫理・利益相反
医行為の解釈
メディカルスタッフと法
健康診断と学校保健安全法
眼鏡店と受診勧奨
医療法改正2025
医療法と広告規制
医療従事者の安全確保と関係機関との連携
応招義務
利益相反
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
- 全文・
串刺検索 - 目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
- PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
- 南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:50.4MB以上(インストール時:125.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:201.8MB以上
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:50.4MB以上(インストール時:125.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:201.8MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784895908801
- ページ数:736頁
- 書籍発行日:2026年5月
- 電子版発売日:2026年5月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。


