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- J. of Clinical Rehabilitation35巻5号 「お楽しみ程度の経口摂取」患者における摂食嚥下リハビリテーション
商品情報
内容
●「お楽しみ程度の経口摂取」は,摂食嚥下機能回復体制加算の算定要件に含まれる,患者評価指標FOISのレベル2として制度上も位置づけられているが,その定義や判断主体,実践方法は明確とは言いがたい.安全性とQOLの両立を図るには,嚥下評価に加え,臨床倫理の視点が不可欠である.
●本特集では,摂食嚥下・誤嚥性肺炎領域の第一線で活躍する専門家が,「お楽しみ程度の経口摂取」を多職種連携の視点から論じる.経口摂取の続け方と終え方を考えるための指針となる一冊である.
序文
特集にあたって
高齢者の嚥下障害に対する経過を長期間でみていくと,どんなにリハビリテーションを行っても,年齢とともに嚥下機能が低下し,経口摂取による十分なエネルギーが不可能となっていく状態がいつかは訪れる.最期まで評価や適切な訓練・リハビリテーションを行ったうえでもやはり誤嚥のリスクが非常に高い患者さんが,それでもどうしても経口摂取を続けたいと希望する場面を,多くの医療者が経験していると思われる.言語聴覚士や医師らがご本人やご家族と相談し,さまざまな危険性を覚悟のうえでどうしても摂取したいという場合には「お楽しみ程度の経口摂取」という選択肢をとることがよくある.
実際,摂食嚥下機能回復体制加算の算定要件に含まれる,患者評価指標FOIS(FunctionalOral Intake Scale)のレベル2が「お楽しみ程度の経口摂取」であり,行政的にもこの状態の存在が認められているものと考えられる.しかし,「お楽しみ程度の経口摂取」とはどのようなことを指しているのであろうか? しっかりした定義はあるのだろうか? 診断はどのようにするべきなのか? この語句には「お楽しみ」という感情表現が含まれているが,それはどう判断するのか? もっと言えば,その主語は誰を指すのか?
最期まで自分の口で食べることは高齢者のQOLの向上にとって不可欠であり,高齢者が最期まで自分の口で食べることの重要性は,いまさまざまな場面で強調されている.しかし,それはいったいいつまでなのか.そしてその経口摂取の終焉はどのようにして決めるのか.多くの疑問に対する解決の糸口を本企画で探りたい.
本企画では嚥下障害および誤嚥性肺炎の分野で本当に高名な先生方に執筆いただいた.学会等で講演をしていただいたら,会場があふれる先生ばかりである.企画を立てた私自身がこの特集を心底読みたいと,皆様の原稿が届くのを今か今かと心待ちにしていた.そして届いた原稿を読んだとき,その期待どおりの原稿が見事に集まったのに感動した.すべての先生が「お楽しみ程度の経口摂取」を自分の言葉で情熱をもって語り,そして大きな熱量をもって自分の経験・知見を語っているのである.その患者に対して慈愛に満ちた素晴らしい医療者としての知見には心が揺さぶられ,本当にこの企画を立ててよかったと思った.執筆者の先生方,本当にありがとうございます.
現代の高度かつ複雑化する医療において,患者本位の寄り添う医療かつ安全で過不足のない医療には,チーム医療が重要な役割を果たすことは,本企画の各原稿においても繰り返し述べられているところである.本企画はそんな摂食嚥下リハビリテーションのチーム医療における羅針盤的な役割もはたしていくものと思われる.
(編集委員会 企画担当:海老原 覚)
目次
特集 「お楽しみ程度の経口摂取」患者における摂食嚥下リハビリテーション
特集にあたって(海老原 覚)
「お楽しみ程度の経口摂取」をどう判断するか(國枝顕二郎 藤島一郎)
「お楽しみ程度の経口摂取」にどう対応するか(柴田斉子)
「お楽しみ程度の経口摂取」とQOL(藤谷順子)
「お楽しみ程度の経口摂取」をいつやめるか(吉松由貴)
歯科からみた「お楽しみ程度の経口摂取」(枝広あや子)
耳鼻科からみた「お楽しみ程度の経口摂取」(平野 愛)
連載
巻頭カラー デジタルフロンティア:次世代技術の展望
12.次世代技術の展望としての生成AI―医療現場はどこへ向かうのか(大塚篤司)
ニューカマー リハ科専門医
(佐々木 駿)
Muscle Health―多職種連携で拓く包括的介入の最前線
8.腸内細菌叢とMuscle Health:プレ/プロバイオティクスの可能性(上野いずみ)
最新版! 摂食嚥下機能評価―スクリーニングから臨床研究まで
24.脳卒中における摂食嚥下機能評価(青柳陽一郎 大橋美穂)
AIと医療DX
5.病理診断とAI(内藤嘉紀 常木雅之)
神経・筋疾患治療の最前線
6.進行性核上性麻痺(松田直美 饗場郁子)
リハビリテーション室にある用具・器具
3.チルトテーブル~便利で効果的なリハビリテーション器具~(井上裕貴)
支援機器の現在と未来-普及に向けた取り組み
10.認知機能障害のコミュニケーション支援における支援機器導入のポイントと工夫(小林大作)
医療機関における運転指導
5.適切なシートベルト着用に向けて―医療従事者の役割―(一杉正仁)
リハビリテーション関連学会に行ってみよう!
12.日本リハビリテーション看護学会(粟生田友子)
臨床経験
上腸間膜動脈症候群による微量ミネラル欠乏症を伴う橋中心髄鞘崩壊症患者のリハビリテーション治療(張替 徹 千葉茂樹・他)
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書籍情報
- ISBN:9784006203505
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2026年5月
- 電子版発売日:2026年5月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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