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- 抗SS-A抗体陽性妊娠の診療ガイドライン2026
商品情報
内容
抗SS-A抗体陽性妊娠では,稀ではあるものの,先天性心ブロックにより新生児が致死的な状態に陥ることや,ペースメーカー植え込みを要する重篤な異常を引き起こす可能性がある.本ガイドラインでは,妊娠前の診断から産後の母児のフォローアップまで最新の知見をまとめ,膠原病内科,産科,小児科など診療科横断的な抗SS-A抗体陽性妊娠の妊娠管理の意思決定に役立つ内容が満載である.
序文
巻頭言
近年,全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする全身性自己免疫疾患・膠原病の治療は,顕著なる進歩を遂げつつある.昭和30年代後半に導入されたグルココルチコイドは,SLE患者の生命予後を飛躍的に改善し,治療の礎を築いた.しかしながら,その長期使用に伴う有害事象は,患者の生活の質に少なからぬ制約をもたらし,新たなる課題として認識されるに至った.
その後,各種免疫抑制薬ならびに分子標的治療薬の登場とともに,治療戦略は大きく転換しつつある.すなわち,これらの薬剤を適切に活用することにより寛解導入および寛解維持を図り,グルココルチコイドへの依存を可能な限り低減せんとする方針が,今日の臨床における共通認識として確立されつつある.
膠原病は生殖可能年齢の女性に好発する疾患である.かつては,疾患の重症度や治療に伴う合併症のため,妊娠・出産は母児双方に重大なる危険を伴うものとされ,妊娠そのものを控えるべきとする時代も存在した.しかし,治療の進歩と臨床経験の蓄積により,適切なる管理のもとにおいては,膠原病患者においても安全なる妊娠・出産が十分に可能であることが,次第に明らかとなってきた.抗SS-A抗体は,SLEならびに一次性シェーグレン病に高頻度に認められる自己抗体の1つである.抗SS-A抗体陽性女性の妊娠において,新生児ループスと総称される病態が児に発症しうることが知られるようになった.なかでも先天性心ブロックは児の予後に直接影響を及ぼす重篤な合併症であり,その管理にあたっては,膠原病内科医および産科医の緊密なる連携と,適切なる知識の共有が不可欠である.
本ガイドラインは,「自己抗体陽性女性の妊娠管理指針の作成及び新生児ループスの発症リスクの軽減に関する研究」(班長:村島温子先生)により作成され,平成25年に刊行された「抗SS-A抗体陽性女性の妊娠に関する診療の手引き」を全面的に改訂したものである.現行の自己免疫班構成員の尽力により,最新のエビデンスならびに専門家の知見をふまえ,抗SS-A抗体陽性妊娠の管理に関する要点を,簡明かつ実践的に示す内容となっている.
本書が,抗SS-A抗体陽性妊娠患者の診療水準の均霑化に資し,ひいては母児の予後改善に寄与することを,切に希求するものである.
2026年3月
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業
自己免疫疾患に関する調査研究(自己免疫班)
渥美達也
目次
第1章 妊娠前の診断・評価
BQ1 抗SS-A抗体の臨床的意義は?
BQ2 わが国における抗SS-A抗体陽性妊娠の頻度はどのくらいか?
BQ3 どのような状況(症例)において,妊娠前に抗SS-A抗体を評価するべきか?
Column1 抗SS-A抗体は妊孕性に影響するか?
第2章 妊娠時のリスク評価
BQ4 新生児ループス(NLE)児の出産既往のない抗SS-A抗体陽性女性から出生する児において,NLE,先天性心ブロック(CHB)が生じる頻度はどのくらいか?
BQ5 前児が新生児ループス(NLE)を発症した場合,次子のNLE発症リスクは上昇するか?
BQ6 前児が先天性心ブロック(CHB)を発症した場合,次子のCHB発症リスクは上昇するか?
BQ7 抗SS-A抗体測定は先天性心ブロック(CHB)発症リスク評価に有用か?
BQ8 抗SS-B抗体陽性は新生児ループス(NLE)発症のリスク評価に有用か?
BQ9 無症候抗体陽性例,一次性シェーグレン病,他の膠原病を合併したシェーグレン病(関連シェーグレン病)において新生児ループス(NLE)の発生率に差はあるか?
FQ1 先天性心ブロック(CHB)に関連する遺伝子多型はあるか?
第3章 妊娠中の評価・管理
CQ1 抗SS-A抗体陽性妊娠において,先天性心ブロック(CHB)の高リスク症例に対する頻回の胎児心エコーは有用か?
Column2 Home monitoringは先天性心ブロック(CHB)の早期発見に有用か?
第4章 妊娠中の治療
CQ2 抗SS-A抗体陽性妊娠は全例先天性心ブロック(CHB)予防が推奨されるか?
CQ3 母体へのグルココルチコイド(GC)投与は先天性心ブロック(CHB)発症予防に有用か?
CQ4 母体へのヒドロキシクロロキン(HCQ)投与は先天性心ブロック(CHB)発症予防に有用か?
CQ5 母体への免疫グロブリン静注療法(IVIG)は先天性心ブロック(CHB)発症予防に有用か?
CQ6 I度またはII度の先天性心ブロック(CHB)を認めた場合,経胎盤的フッ化ステロイド投与は心ブロックの改善およびIII度(完全)房室ブロックへの進行抑制に有用か?
CQ7 III度房室ブロックを認めた(I度またはII度から移行した)場合,経胎盤的フッ化ステロイド投与は心ブロックの改善や児の心筋障害予防に有用か?
CQ8 III度房室ブロックを認めた(I度またはII度から移行した)場合,経胎盤的β刺激薬投与は心ブロックの改善や児の心筋障害予防に有用か?
CQ9 III度(完全)房室ブロックを認めた場合,早期の娩出は児の予後改善に有用か?
CQ10 III度(完全)房室ブロックを認めた場合,出生後一時的または恒久的ペースメーカー留置は児の予後改善に有用か?
第5章 産後の母児のフォローアップ
BQ10 抗SS-A抗体陽性女性から出生した児に特別なフォローは必要か?
BQ11 無症候性抗SS-A抗体陽性女性において産後長期的なフォローは必要か?
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書籍情報
- ISBN:9784525332419
- ページ数:86頁
- 書籍発行日:2026年5月
- 電子版発売日:2026年5月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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