皮膚病診療 Vol.48 No.6 自然消褪した皮膚疾患

  • ページ数 : 84頁
  • 書籍発行日 : 2026年6月
  • 電子版発売日 : 2026年6月1日
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内容

特集 自然消褪した皮膚疾患(担当:馬場 直子 編集委員)

自然消褪の過程では真皮内のメラノファージや単核球の浸潤が共通して認められることや、皮膚肥満細胞腫について斑状丘疹状肥満細胞症やびまん性肥満細胞症は自然消褪しない場合もあること、小児の円形脱毛症の重症例では自然消褪せずに慢性化する二極性を示すため見極めと家族への十分な説明が大切であることなどを今号では取り上げました。皮膚生検後の自然消褪なども取り上げた臨床例とともに、ぜひご一読ください。

序文

Editor's eye 自然消褪した皮膚疾患


小児の皮膚疾患は自然に消えるものが多く,保護者からも「自然に消えますか?」とよく尋ねられる.実際,乳児血管腫,先天性血管腫,tufted angioma,正中部母斑,(異所性)蒙古斑など自然消褪する疾患は多いが,同じ病名でも病型によっては消えない場合があり,症状や時期に応じた判断が必要である.ほかにも,肥満細胞腫(症)や若年性黄色肉芽腫,先天性血管拡張性大理石様皮斑なども自然消褪傾向を示す代表的な疾患である.成人の皮膚疾患にも自然消褪するものがどの程度あるのか興味深く,今回集めてみた.なかなか探すのがむずかしいかと懸念されたが,予想以上に多様な疾患が含まれていた.

まず巻頭では,自然消褪は腫瘍性・炎症性・肉芽腫性といったさまざまな疾患でおこりうる現象であることが示されている.腫瘍性疾患では悪性黒色腫の自然消褪がよく知られているが,良性腫瘍でもまれにみられること,また,消褪過程の病理では,真皮内のメラノファージや単核球の浸潤が共通して認められ,場合によってはアミロイド蛋白の沈着もみられるなど,これまであまり注目されてこなかった知見が紹介されている.

次に,皮膚肥満細胞腫について,一般に自然消褪しやすい疾患とされているものの,斑状丘疹状肥満細胞症や,びまん性肥満細胞症は自然消褪しない場合もあること,また成人では個疹の大きさや分布が異なり自然消褪はむずかしいとのことであった.また,一般的には自然に治ることもある小児の円形脱毛症については,重症例では慢性化しやすい二極性を示すため,その見極めのためのポイントと家族への十分な説明の大切さが強調されている.

「臨床例」として,小児例では新生児一過性膿疱性メラノーシス,congenital self-healingreticulohistiocytosis,benign cephalic histiocytosis,成人例では線状苔癬,皮下結節性脂肪壊死症,亜急性甲状腺炎を合併したIgA血管炎などについてとりあげてみた.また,皮膚生検後に自然消褪した疾患として,皮膚アルテルナリア症,脂線腺腫,primary cutaneous anaplasticlarge cell lymphoma,基底細胞癌など多岐にわたる疾患での報告があり,それぞれ生検との因果関係が考察されていて興味深い.自然消褪現象がなぜおこるのか,どうすれば誘導できるのかといったことにも思いを馳せながらお読みいただきたい.


編集担当 馬場 直子

目次

特集 自然消褪した皮膚疾患

Editor's eye

馬場 直子

総説1

皮膚腫瘍の自然消褪現象  山本 俊幸

総説2

皮膚肥満細胞症の診断と治療マネージメント  伊藤 友章

総説3

小児円形脱毛症診療の要点―自然消退と治療戦略  伊藤 泰介

臨床例

congenital self-healing reticulohistiocytosis  越後 岳士,筒井 清広,黒田 梨絵

新生児一過性膿疱性メラノーシス  砂押 瑞史,平木 彰佳,甲斐 友美,岩田 匡祐,伊藤 周作

benign cephalic histiocytosis  遠藤 理子,村尾 和俊,久保 宜明,長江 哲夫

皮膚生検後に自然消退した皮膚アルテルナリア症  松吉 恭平,三宅 俊哉,藤本 志乃,高橋 聡文,藤本 正数,椛島 健治

亜急性甲状腺炎を合併したIgA血管炎  中山 優花,藤田 敦,益田知可子,大畑 千佳

皮下結節性脂肪壊死症の2例  近藤 光恵,善家由香理,高見澤美月,大竹美乃里,三井 純雪,新井  達

成人発症し自然消褪した線状苔癬  佐藤 祥奈,東山 眞里,林 美沙

生検後に自然退縮した脂腺腺腫  大庭 慎也,望月 俊彦,村上富美子

生検後に自然消退した基底細胞癌  大庭 慎也,岡野 達郎,宮垣 朝光,門野 岳史,栁澤 信之,小池 淳樹

生検後に自然消退したprimary cutaneous anaplastic large cell lymphoma  新井 翔,近藤 章生,清水 知道,谷垣 祐妃,長瀬 駿介,馬渕 智生

Editorial

医療事故予防のためのトリセツ―ステロイド外用薬―/向井 秀樹

学会ハイライト

第55回日本皮膚免疫アレルギー学会学術大会を開催して/佐伯 秀久

案件から学ぶ医療事故の対策と問題点

CASE 23 下顎部切創への不適切な治療により瘢痕が残存した例/向井 秀樹

リレーエッセイ 私のワークライフバランス

「ワーク」と「ライフ」の境界を越えて~皮膚科医としての私の原点~/茂木精一郎

皮膚科のトリビア

第252回/浅井 俊弥

皮心伝心

日帰り旅行記/松永 剛

広告索引/次号予告

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書籍情報

  • ISBN:9784992004806
  • ページ数:84頁
  • 書籍発行日:2026年6月
  • 電子版発売日:2026年6月1日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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