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- すべての医学研究者のための医学統計知識
商品情報
内容
『すべての医学研究者のための、医学統計知識』は、国立がん研究センターや福井大学などの臨床現場で統計解析を実践してきた著者が、医師・医学研究者に不可欠な統計の正しい使い方と思考法を具体的に解説。
第1章では論文を読むための統計的視点を整理し、第2章では研究計画書の作成から解析計画の立て方までを丁寧に指南。第3章では結果の伝え方やデータ処理の注意点を、そして第4章では統計ソフトを用いた実践的解析手順とグラフ化のコツを紹介します。
臨床・研究の現場で迷わない「実践的統計リテラシー」を養うための1冊。
医学統計を正しく使いこなしたいすべての医学者・大学院生・研究者は必携です。
序文
はじめに
本書でお伝えしたい最も重要なテーマは、「データを正しく理解すること」です。私たちは研究の場に限らず、日常生活においても、さまざまな情報に基づいて意思決定を行っています。しかし、入手した情報が常に真実を反映しているとは限らず、そこには意図的・非意図的を問わず、何らかの偏りが含まれていることも少なくありません。また、情報から導かれる関係性や結論についても、それが適切な方法によって導かれ、十分に検証されたものであるかどうかが明確でない場合も多く見受けられます。こうした問題に対処するため、先人たちは科学的手法に基づく論理的思考の枠組みを築き上げてきました。
医学領域における臨床研究、とりわけデータ解析を取り巻く環境は、この数十年で大きく変化してきました。かつて手計算で行われていた統計解析はコンピュータによって実施されるようになり、解析手法も正規分布を前提とするパラメトリック手法に加え、分布に特定の仮定を置かないノンパラメトリック手法が広く用いられるようになりました。統計学的検定といえば二群間の「有意差の有無」を議論することが中心でしたが、現在では多群比較を前提とした多様な検定手法が一般的に利用されています。さらに近年では、二群あるいは多群の判別や将来値の推定において、単に予測モデルを作成して当てはまりを評価するだけでなく、モデルの予測精度を客観的に評価し、最適なモデルを追究することが重視されるようになっています。このような状況下では、統計解析手法そのものに加え、研究デザインやデータ取得に関する基本的なルール、複雑な解析モデルの理解、さらには解析結果をどのように解釈し活用するかといった知識と判断力が、研究者に強く求められています。
本書ではまず、臨床研究で広く用いられている基本的な考え方と知識を整理し、既存の論文におけるデータ処理の手順や解析結果を正しく読み解く力を身につけることを第一の目標としました。次に、客観性と透明性を確保した研究方法に基づいて研究を実施し、得られたデータから多くの情報を引き出し、説得力のある主張として論文にまとめるために必要な知識と視点を整理することを第二の目標としています。また、研究開始前に計画した統計解析手法をそのまま適用してよいのかを慎重に検討すること、目的や前提条件に応じて適切な統計解析モデルを選択することの重要性についても、本書の後半で取り上げています。なお、現代において統計解析を手計算で行う必要はないため、本書では市販の統計解析ソフトウェアである JMPを用いて解析例を示しています。他の統計解析ソフトウェアを用いた場合でも同様の結果が得られますので、具体的な操作手順については各ソフトウェアの解説書を参照してください。
過去に発生した臨床研究におけるデータ不正操作などの問題を背景として、研究対象者をはじめとする国民の臨床研究に対する信頼を確保し、その適正な実施を推進することを目的に、2018年4月に臨床研究法が施行されました。この法律の施行により、臨床現場における小規模研究の実施は以前にも増して困難になっていますが、それでもなお、適切な医学統計の理解は臨床研究に携わるすべての人にとって不可欠です。本書が、そのような方々にとって実践的な指針となることを願っています。
本書の刊行にあたり、多大なるご支援を賜りましたオーエムエス出版の新居誠氏、髙橋素行氏に深く御礼申し上げます。また、校正作業を快く引き受けてくれた妻・孝子に、この場を借りて感謝いたします。
2025年12月
長田 理
目次
第1章 論文を読むために
1 研究で用いられる専門用語を理解しよう
2 研究モデルを把握する
3 研究対象の背景を把握する
4 主要評価項目の解析結果を把握する
5 研究結果を適切に評価する
6 交絡因子を評価・調整する
第2章 研究を始めるために
1 研究計画書
2 統計解析計画書
3 統計解析報告書
4 研究仮説に相応しいデータの取扱い
5 欠測値や外れ値の取り扱い
6 仮説検証に相応しい統計手法を選択する
7 仮説検証に必要なデータ数
8 中間解析の取扱を決める
第3章 研究結果を伝えるために
1 収集したデータの取扱い(研究倫理)
2 患者背景に偏りがないことを示す
3 研究モデルに応じて図表を作成する
4 疑似相関の影響を評価する
5 データの特徴に応じた統計手法を選択する
6 結果を見てから仮説を作成(変更)しない
7 判別予測モデルを利用する
第4章 統計ソフトを用いた解析手順と評価
1 JMP での計算手順
2 一変量の分布を把握する
3 二要因の関係を検討する
4 2変量/多変量の関係を検討する
5 傾向スコアマッチングを利用する
6 交絡・関連する因子を探し出す
7 生存期間を分析する
8 判別予測モデルを作成する
9 メタ解析を理解する
10 標本サイズを算出する
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書籍情報
- ISBN:9784434370472
- ページ数:240頁
- 書籍発行日:2026年1月
- 電子版発売日:2026年5月26日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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