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- 脱 丸暗記! ここから始める抗菌薬
商品情報
内容
本書では,研修医が高頻度で遭遇する「ベーシック7疾患」から,より高みを目指すための「アドバンス4疾患」を厳選。「診断」→「原因菌の想定」→「初期治療薬の選択」→「経過と治療効果の評価」まで,一連の思考プロセスを紐解きながら徹底解説。根拠を持って薬を選ぶための,暗記に頼らない実践的な思考法が身につきます。
さらに,現場で誰もが迷う「どっちの薬を使えばいいの?」を14パターンのVS形式で徹底比較! より具体へ落とし込み,共通点と相違点を整理することで,「使い分けの妙」が驚くほどクリアになります。
膨大な知識の海で迷子になるのは,もう終わり。さあ,ここから抗菌薬をはじめよう!
序文
はじめに
みなさんは感染症を「みたこと」はあるだろうか。これは一見すると、愚問だと思われてしまうかもしれない。
多くの医師は当然「みたこと」があるに決まっている、と答えるだろう。ある意味ではそれは正しいが、別の意味において正しくない。̶感染症を「診たこと」はあっても、「見たこと」はないはずである。なぜなら、感染症は目に見える形で現れるわけではないから。
とはいえ、「熱が出たり、腫れたり、赤くなったり、CRP が高くなったりしているじゃないか!」という反論もあろう。̶それはたしかに事実ではあるが、どれひとつをとっても、ただの現象でしかない。そして、それ自体が感染症そのものを表しているわけではない。
では、感染症とは何だろうか?
それは医師が目の前の患者と対峙するときの、ひとつの概念であり、現象の捉え方であり、タグ付けであるともいえる。
「熱が出たり、腫れたり、赤くなったり、CRP が高くなったり」という現象に対処しようとするとき、それが病原微生物(主に細菌やウイルス)の感染によるものであると考えるならば、それは感染症とよばれ、そのように診断されることになる。
しかしながら、このような現象が感染に起因しないこともある。初めは感染症だと思っていても、実はそうではなかったということは珍しくない(薬剤熱、血液疾患、自己免疫疾患……など)。
腫瘍のように目に見えず、脳梗塞のように画像検査は示してくれず、骨折のように明らかでもない。感染症というものは、常に得体の知れない不気味さという側面をもっている。そうとは知りつつも、恐る恐る診断して治療を試み、その経過をもってして、初めて診断を確からしく捉えることができる。
そんな捉え所のない感染症であるが、それと対峙するために必要なものは、いつの時代も原理・原則、そして論理である。テクノロジーが発展したとしても、それは変わらない。
「熱が出たり、腫れたり、赤くなったり、CRP が高くなったり」している患者に抗菌薬を投与し、解決したと考える医師がいると仮定する。それはそれで、真っ当な感染症診療ができているようであるが、そこに真理は無い。
原理・原則に基づき、論理に照らして愚直に実践する診療こそが、真理に辿り着ける唯一無二の方略であり、王道である。
とはいえ、「分厚い成書を読みなさい」というのは、感染症診療が苦手で、抗菌薬に不慣れな医師にとっては現実的ではないし、それを求めるべきでもない。
本書は、そんな真理に辿り着くための入門書、という立ち位置で執筆した。
「まず診断をつけ、そして原因菌を想定し、抗菌薬を選び、恐る恐る治療経過を追う」……という繰り返しは、原理・原則に基づき、論理に照らして愚直に実践すべき内容である。そこには決して近道はない。
採取した検体のグラム染色は、もはや身体診察の一部であり、診断や抗菌薬選択の段階でその塗抹所見を確認するべきである。グラム染色を省略して抗菌薬を投与することは、患者を診察せずに治療を行うことと同罪である。
ただ、すべての施設でグラム染色ができるとは限らないし、時と場合によりできないこともあるだろう。本書では、グラム染色が実施できなくとも、妥当な抗菌薬が選択できるような落とし所も提案したつもりである(これはグラム染色を軽視しているということではない。残念ながら、グラム染色という原因菌を想定するうえで最重要な情報が抜けているので、すべての施設や環境で通用しうるものではことを付記しておく)。
それでは原理・原則、そして論理を紐解き、真理を探しに行こう。
2026年4月
花の盛りも過ぎ、草木の緑がいよいよ濃くなってきた遠賀川のほとりにて
飯塚病院 感染症科
山口 裕崇
目次
Ⅰ章 総論 感染症診療の鉄則
Ⅱ章 疾患各論 ベーシック
1 肺炎
2 腎盂腎炎
3 胆管炎
4 胆嚢炎
5 皮膚軟部組織感染
6 血流感染①(感染性心内膜炎=IE)
7 CD関連腸炎(CD感染症=CDI)
Ⅲ章 疾患各論 アドバンス
1 感染巣不確定の敗血症
2 血流感染②(カテーテル関連=CRBSI)
3 髄膜脳炎
4 気道緊急になりうる頭頸部感染症
Ⅳ章 対比でとらえる抗菌薬
抗菌薬の足し算引き算
同世代セファロスポリン系
GNRを狙うセフェム系
頻用されがちな抗菌薬
元祖ペニシリン
広域セファロスポリン系
緑膿菌と戦うセファロスポリン系
広域ペニシリン系
β-ラクタム系抗菌薬が使えないとき
GPC+α
アミノグリコシド系
嫌気性菌を考えるとき
フルオロキノロン系
テトラサイクリン系
スペクトラムで抗菌薬の強弱は語れない
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書籍情報
- ISBN:9784758324687
- ページ数:228頁
- 書籍発行日:2026年5月
- 電子版発売日:2026年5月26日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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