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レジデントノート増刊 Vol.28 No.5 救急手技 これだけは!

  • ページ数 : 226頁
  • 書籍発行日 : 2026年5月
  • 電子版発売日 : 2026年5月26日
¥5,170(税込)
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商品情報

内容

研修医に必須の救急手技を,適応の根拠から手順まで解説!
研修医に必須の救急手技を,適応判断の根拠から理解する!さらに手技の手順だけでなく,「なぜその手技を行うのか」「上級医に相談すべき状況や撤退基準」までをあわせて解説.手技の手順と注意点・ポイントをまとめたチェックリストも掲載し,各手技の実際をイメージしやすい構成としました.救急の現場で自信を持って手技ができるようになるための,基本とコツを伝授します.

序文


「この処置,どうやるんだったっけ……?」救急外来や当直で,そんなふうに一瞬立ち止まった経験のある医師は,決して少なくないと思います.モニターのアラームが鳴るなかで頭の中で手順をたどり,必要物品を確認しながら,本当にこのまま進めてよいのか迷う.先輩に相談したいけれど,すぐには頼れない.あるいは,周囲の慌ただしさのなかで,自分で判断しなければならない場面に直面する.研修医の頃の私自身,そうした場面で戸惑い,緊張し,ときに判断の重さに押しつぶされそうになったことが何度もありました.違和感を抱えたまま進めてしまい,あとになって「あの時点で立ち止まるべきだった」と気づいた経験もあります.

救急の現場で手技や処置が必要となる場面は,こちらの準備が整ったタイミングで訪れてくれるわけではありません.むしろ,慌ただしい状況ほど突然手技や処置が必要になります.夜間や休日で人手が限られていることもあれば,十分な支援体制のなかで落ちついて行えるとは限らないこともあります.しかも,日常的にくり返し経験できる手技ばかりではありません.そのような状況でも,目の前の患者さんにとっては,その場にいる医師は自分だけなのです.こうした場面は,多くの医師にとって避けて通れないものであり,だからこそ,いざというときに拠りどころとなる考え方や準備が必要なのだと思います.

一方で,手技教育は現場や指導医によって教え方に差が出やすい分野でもあります.

見て覚える文化はいまも根強く残っていますし,上級医が後ろから見守っていても,細かな思考過程まですべて言葉にして伝えられるとは限りません.まして,遭遇頻度の低い手技では,実際の場面で十分に学ぶ機会そのものが限られます.私自身,若手の頃には,手技の流れだけでなく,「なぜその判断をするのか」「どのような根拠や考え方に基づいて次の一手を選ぶのか」まで含めて整理された形で学べるものが,意外なほど少ないと感じていました.その不足を,現場での不安や迷いとして実感してきたように思います.

だからこそ本書では,単なる手順の紹介にとどまらず,現場で役立つ考え方まで伝えたいと考えました.手技の流れを追うだけでなく,あらかじめどのようなピットフォールがありうるのかを知ること,上級医がどのような視点で状況を評価し,何を根拠に判断しているのかを知ること,そして,どのような場面でいったん立ち止まり,助けをよび,あるいは撤退を考えるべきかを理解すること.そうした実践上重要でありながら,十分に共有されにくい部分まで含めて,できる限り言語化し,自信をもってできるよう解説しました.

ここでいう「自信をもってできる」とは,単に手技が成功することを意味しません.

合併症をできる限り避けられること,自分が今どこまで安全に進められるのかを見極められること,違和感に気づいたときに立ち止まり,手順を見直し,必要であれば軌道修正できること.さらに言えば,自分一人で抱え込まず,限界を知ったうえで上級医に助けを求められることもまた,重要な実力の1つだと思います.逆に危ういのは,「わかっているつもり」で進んでしまうことかもしれません.手順が曖昧なまま手を動かしてしまうこと,十分な準備が整っていないこと,合併症が起きていることに気づけないこと,自分の限界を見誤って粘りすぎてしまうこと.救急の手技において本当に怖いのは,失敗そのものよりも,その後に何が起きているかを見逃し,立て直しの機会を失ってしまうことだと感じています.

もちろん,病院ごとに手順や教え方,重視するポイントには違いがあります.本書に記載した内容がすべてというわけではありません.しかし,その違いを超えてもなお,共通して大切にできる考え方はあるはずです.安全な領域を見極めること,違和感を見逃さないこと,うまくいかない理由を考える引き出しをもつこと,必要なときにためらわず助けを呼ぶこと.石橋を叩いて渡るような慎重さや,用意周到に備える姿勢は,決して臆病さではなく,患者さんを守るために必要な臨床の力だと思います.

この本だけで,手技に対する不安を完全になくすことはできないかもしれません.それでも,不安を抱えながらも,できる限りの準備をし,安全に動くための支えにはなれるはずです.実際に手を動かして経験を積むことはもちろん大切ですが,その前後で本を読み,考え,振り返ることもまた,確かな成長につながります.本書が,迷ったときの道しるべとして,そして現場で一歩を踏み出すための伴走者として,読者の先生方の力になれれば幸いです.


2026年4月

飯塚病院 救急科 医長
片桐 欧

目次

序【片桐 欧】

第1章 気道に関する手技

1. マスク換気【谷 昌憲】

2. 気管挿管【吉岡大輔】

3. 外科的気道確保【岩佐和樹】

第2章 呼吸に関する手技

1. 胸腔ドレーン挿入【井上 聡】

2. 胸腔穿刺【谷川裕美】

第3章 循環に関する手技

1. 末梢静脈路確保【舘 祐香里】

2. 骨髄路確保【苔口啓樹】

3. 中心静脈カテーテル【田村彰浩】

4. 動脈圧ライン確保【澤田高志】

5. 救急超音波検査【金銅大祐】

6. 電気ショック【有吉 慧】

7. 緊急ペーシング【森岡太意気】

8. 心膜穿刺【柿原光貴】

column エコー下穿刺の練習【片桐 欧】

第4章 マイナー外科に関する手技

1. 骨折のシーネ固定【梶原秀太】

2. 脱臼整復(肩関節・顎関節)【伊賀健一郎】

3. 関節穿刺【石橋大樹】

4. 尿道カテーテル挿入【浅田充夫】

5. 膀胱洗浄【岡﨑太祐】

第5章 その他の手技

1. 創処置(止血)【片桐 欧】

2. 胃管留置/胃洗浄【香月洋紀】

3. 腰椎穿刺【栗澤圭輔】

4. 腹腔穿刺【新元貴久】

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784758127530
  • ページ数:226頁
  • 書籍発行日:2026年5月
  • 電子版発売日:2026年5月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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