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- 栄養科学イラストレイテッド 給食経営管理論
商品情報
内容
特定多数へ美味しくバランスのよい食事を安全に提供するために必要な知識と,給食を適切に運営するための経営管理について総合的に学びます.特定給食施設を想定した大量調理という特性のなかで,管理栄養士が考えるべきこと,行うべきことを図表を交えてわかりやすく解説しています.実際の給食現場をイメージできるweb動画つき!
序文
序
一般社団法人日本給食経営管理学会では「給食」を、「特定集団を対象とした栄養管理の実施プロセスにおいて食事を提供する事、および提供する食事」と定義しています(『給食経営管理用語辞典』)。すなわち、給食は健康に資する栄養・食事管理の実践が背景にあります。
2002(平成14)年4月に施行された改正栄養士法では、管理栄養士業務が明確となりました。このなかで管理栄養士は、給食施設での経営観念が必要なことから、従来の管理栄養士課程における「給食管理」が「給食経営管理」に変更され、食材料費中心の費用管理から組織やマーケティングを含めた幅広い経営管理までが求められるようになっています。
また、2023(令和5)年の改正省令および改正医療情報告示では、医療機能情報提供制度の報告事項が見直され、「人員配置について報告することとされる、医療従事者の職種として厚生労働大臣が定めるもの」に、管理栄養士・栄養士が追加され、この改正により、医療現場における管理栄養士・栄養士の役割が明確に位置づけられることになりました。
近年、世界情勢や円安などの影響により食材料費の高騰が続いています。また、人口減少やインバウンド需要の変化などにより、様々な産業で人材確保が困難な状況が顕在化し、高い賃金を設定しなければ人手を確保できず、継続する人件費の上昇が経営を圧迫する要因になっています。こうした背景から、給食施設では持続可能で適切な栄養・食事管理を実践することが強く求められています。効率化や合理化を進め、どのような生産システムを採用するか、栄養・食事管理、品質管理の質を担保しつつ経営管理とのバランスを検討し、人手が不足するなかでも職場での人材育成をどうしていくか、などの対策が重要となっています。本書ではこうした現場の課題も念頭に、給食経営管理に必要な基本知識を学ぶことを目指しています。さて、本書の構成ですが、2部構成となっており、「Ⅰ部 コアカリキュラム」のコアカリキュラムは本書独自のものです。管理栄養士国家試験ガイドラインに準拠しつつ、給食施設での食事提供の流れと10のサブシステムとの関係を本書におけるコアカリキュラム(1 ~ 10章)の該当とあわせて次ページに示しました。これにより、食事提供の流れ(オレンジの部分)と実働作業システムおよび支援システムとの関係を見える化し、理解が深まるよう努めました。「Ⅱ部 実践」の11 ~ 13章では、特定給食施設での実践的な給食経営管理業務について、「Ⅰ部 コアカリキュラム」(1 ~ 10章)を踏まえ、「栄養・食事管理」「給食経営管理」「事故・災害時対策」などに分類して、管理栄養士・栄養士業務の実際について理解を深める構成としました。Ⅰ部もⅡ部も給食経営管理分野の第一線で研究、教育、実践する研究者に執筆いただいています。
また、特定給食施設での管理栄養士・栄養士業務や食事提供の流れがイメージできるよう、各章末に「目で見る給食現場」というショート動画を視聴しながら学べるコーナーを設けました。これにより、学習意欲を高め、本書で学んだ内容が実際の給食経営や臨床、栄養教育等の現場でどのように実践されているかを理解できることと思います。貴重な動画の準備にあたっては大学や給食施設の関係者ならびに企業の皆様にご協力をいただきました。
最後に本書の出版に際し、多大なご尽力をいただいた株式会社羊土社ならびに編集部の田頭みなみ氏、杉田真以子氏に深く感謝申し上げます。
2025年10月
赤尾 正
目次
Ⅰ部 コア・カリキュラム
第1章 給食の概念とシステム
1 給食の概要
A 給食の意義と目的
B 健康増進法における特定給食施設
2 給食システム
A 給食システムの概念
B トータルシステムとサブシステム
チェック問題
目で見る給食現場 ① 給食システム〜クックチルシステム
第2章 給食のオペレーション(食材料管理・生産管理)
1 食材料
A 食材料の選択
B 購買と検収
C 食材料の保管・在庫管理
2 生産(調理)と提供
A 給食のオペレーションシステム
チェック問題
目で見る給食現場 ② 発注、検収、在庫管理(棚卸し)③ 代表的な生産・提供システム
第3章 生産・提供管理
1 生産管理
A 生産計画(調理・作業工程、人員配置)
B 生産性とその要因
2 提供管理
A 配膳・配食における精度管理と配膳・配食システム
B 食事環境の整備
チェック問題
目で見る給食現場 ④ 給食施設の業務:下処理、盛りつけと効率化
第4章 品質管理
1 給食経営における品質と品質管理の意義
A 給食における品質の定義(設計品質、適合品質、総合品質)
B 品質管理とPDCAサイクル
2 給食の品質基準と献立の標準化
A 給食の品質基準
B 献立の標準化
3 調理工程と調理作業の標準化
A 調理工程の標準化
B 調理作業の標準化
C 作業の分析と標準化
4 大量調理の特性の理解と大量調理機器を活用した品質管理
A 大量調理の特性
B 大量調理機器と品質管理
チェック問題
目で見る給食現場 ⑤ 大量調理施設の機器の理解
第5章 HACCPに準じた安全・衛生管理
1 給食におけるHACCPの運用
A HACCP(危害分析重要管理点)システム
B HACCPに基づく衛生管理
2 衛生教育
A 食中毒予防の原則
B 給食従事者などへの衛生教育
3 安全・衛生のための施設と設備
A 厨房(調理室)の関連設備
B 施設・設備のレイアウト
チェック問題
目で見る給食現場 ⑥ HACCPに準じた衛生管理
第6章 大量調理施設衛生管理マニュアル
1 安全・衛生の概要と運用
2 大量調理施設衛生管理マニュアル
A 原材料の受入れ・下処理段階における管理
B 加熱調理食品の加熱温度管理
C 二次汚染の防止
D 原材料および調理済み食品の温度管理
E 施設設備の管理と調理従事者の衛生管理
F 衛生管理体制の確立
G 点検記録簿等
チェック問題
目で見る給食現場 ⑦ 「大量調理施設衛生管理マニュアル」の運用
第7章 事故・災害時対策
1 事故の状況と対応
A 食中毒
B 異物混入
C 誤配膳
D 食物アレルギー対応
2 危機管理対策:インシデント、アクシデント管理の意義
A インシデント
B アクシデント
3 災害時の給食の役割と対策の意義
4 災害時のための貯蔵と献立
A 貯蔵品物と保管場所
B 災害時献立
C 備蓄方法
D 避難所における食事提供の栄養参照量
チェック問題
目で見る給食現場 ⑧ 事故・災害時対応
第8章 給食経営の概要とマーケティング
1 給食経営の概念と組織
A 経営管理の機能と展開
B 組織の構築と関連分野との連携
C 給食運営業務の外部委託
2 給食とマーケティング
A マーケティングの原理
B 給食におけるマーケティングの活用
3 給食の資源と管理
A 給食経営の資源
B 給食の原価構成と収支構造
C 給食運営における人的資源
D 給食従事者の教育・訓練
チェック問題
目で見る給食現場 ⑨ 収益管理(FLコスト)と調理従事者の確保
第9章 栄養・食事管理
1 食事の計画と実施
A 利用者の身体状況、生活習慣、食事摂取状況の把握
B 給与エネルギー量と給与栄養素量、食事形態の計画
C 食品構成表、献立作成基準の意義
D 献立の役割、機能
E 個別対応の方法
F 適切な食品・料理選択のための情報提供
2 食事計画の評価、改善
チェック問題
目で見る給食現場 ⑩ 給食管理ソフトを活用した献立作成
第10章 給食施設の特徴と役割・関連法規
1 医療施設
A 医療施設の特徴
B 管理栄養士・栄養士の配置
C 給食システムの特徴
D 財務管理
2 高齢者・介護福祉施設
A 高齢者・介護福祉施設の特徴
B 関連法規
C 管理栄養士の役割
3 児童福祉施設
A 施設の特徴
B ガイドライン
C 管理栄養士・栄養士の配置
4 障害者福祉施設
A 障害者福祉施設の特徴
B 管理栄養士・栄養士の配置
C 財務管理
5 学校
A 学校給食の目標
B 管理栄養士・栄養士の役割
C 学校給食の関連法規
6 事業所
A 給食の意義・目的
B 関係法規
C 事業所給食の特徴
チェック問題
目で見る給食現場 ⑪ 食事提供業務の実際 ⑫ 戦略的な給食サービス
Ⅱ部 実践
第11章 医療施設での栄養・食事管理の実際(一般食)
1 食事の計画と実施
A 利用者の身体状況、生活習慣、食事摂取状況の把握
B 給与エネルギー量と給与栄養量、食事形態の計画
C 食品構成表、献立作成基準の意義
D 献立の役割、機能
E 個別対応の方法
F 適切な食品・料理選択のための情報提供
2 食事計画の評価、改善
A 食事計画の評価、改善方法
B 評価方法および評価項目
C 改善
3 安全・衛生管理
A 大量調理施設衛生管理マニュアル
実習課題
第12章 特定給食施設の給食経営管理
1 高齢者・介護福祉施設
A 施設の概略
B 施設における給食経営管理の実際
C 地域包括ケアシステム
2 児童福祉施設
A 体制づくり
B 児童福祉施設における食事提供のPDCAサイクル
C 地域や関係機関との連携
D アレルギー対応
E 財務管理
F 給食の外部委託
3 学校
A 栄養・食事管理
B 栄養給食実施基準
C 学校給食の運営
D 学校給食業務の外部委託
E 学校給食衛生管理基準
4 事業所
A 栄養・食事管理の実際
B 事業所給食における食環境整備
実習課題
第13章 事故・災害時対策の実際
1 事故・災害時対策の実際
A インシデント・アクシデントレポート
B 防災の基本
2 災害時の給食の役割と対策の意義
A 事故・災害時におけるBCP
B 施設別の災害対策のポイント
3 災害時のための貯蔵と献立
A 備蓄計画
B 献立計画
C 災害時の衛生管理
D 災害時の栄養・食生活支援〔日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)〕
実習課題
◆ 付録:関連基準
索引
Column
5S活動と品質管理
一般的衛生管理プログラム〔PRP(またはPP)〕
もしものときに備えて災害対応
職員食堂のメニューを決める 〜ABC分析とPPM分析〜
学校給食の安定運営の重要性
「事故は起きるもの」と考えて対策を講じる
災害・被害の想定
命の水
おかずが1品、熱源(ガス)があると栄養状態がよい
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書籍情報
- ISBN:9784758113816
- ページ数:224頁
- 書籍発行日:2025年10月
- 電子版発売日:2026年6月5日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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