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- 下顎骨骨折のサージカルテクニック ―めざせ顎間固定フリー! 早期復帰のために―
商品情報
内容
術後の顎間固定は不要、しっかりと留めれば固定も入院も不要で早く社会復帰ができる。そのために必要な手術手技を、9つのテーマに分けて詳細に紹介した。わかりやすく大きな写真とイラストレーションで説明した手術アトラス。
◆みんなハッピー! この方法をぜひおススメしたい、と思ってできるだけ詳しく書きました(著者)
◆早期復帰を支える、かけがえのない技術です。時代はもう顎間固定フリーだよ
◆大きくてキレイな写真で、手順をコマ送り
◆医師が描くイラストなので、わかりやすい! 見えないところまでよく見える!
◆136p 要点だけをしっかり読める
序文
刊行にあたって
下顎骨骨折は最も頻度の高い顔面骨骨折のひとつである。突然の事故によって咬合がずれ,噛めなくなり,日常生活が一変する。著者が入局した2001年当時,下顎骨骨折の観血的整復固定術後には2週間の顎間固定を行っていた。顎間固定はワイヤーによって施行され,窒息のリスクを理由に入院が必要であった。年に数例あった高度粉砕骨折症例では,長時間の手術を行っても良好な結果を得ることは難しかった。その頃から粉砕骨折を正確に治せる術者になりたいと感じていた。その後,先進的な治療法を学べる国際学会にてテキサス大学Edward Ellis III先生による豊富な症例と科学的根拠に基づく顔面骨骨折治療の講義に深く感銘を受けたときに,この領域を自らの専門にしたいと考えるようになった。
2014年には,オーストリア・インスブルック医科大学に留学する機会をいただいた。インスブルックはアルプス山脈の中心に位置し,ウィンタースポーツや観光拠点として有名である。この大学のレベル1トラウマセンターでは,年間約1,000件の顔面外傷を扱う。そこでは術後に顎間固定を行わない治療(!)が実践されていた。術後の「顎間固定フリー」を可能にするのは正確な骨片の整復と堅固な固定である。その技術を学ぶことができた貴重な経験であった。
本書は,著者の臨床経験に基づいた手術アプローチを体系化した実践的なテクニック集である。手術手技の多くは,もちろんインスブルックで学んだ技術を基盤としている。帰国後の約10年間に東京女子医科大学病院と東京警察病院で試行錯誤を続け,現在行っている方法をまとめた。蛇足ながら,他法との比較や否定を目的とするものではない。
執筆にあたっては,口腔外科・形成外科の両外科医にとって有用な知識を盛り込むことを意識した。鮮明でよく見える写真を選び注釈を入れ,同僚の阿川かおり医師に精緻なイラストレーションを描いてもらうなど,できる限りわかりやすく解説した。さらに下顎骨骨折治療において “Key” となる必読文献も各項の末尾に収載している。
この分野の和書がなかった時代,若き日の自分が求めていた「下顎骨骨折の教科書」となるよう努めたつもりである。本書が,下顎骨骨折を扱うすべての外科医にとって明日の診療の一助となれば幸いである。
2026年1月7日
東京女子医科大学図書館にて
佐々木 亮
目次
序章 下顎骨骨折のストラテジー
1 関節突起骨折以外の下顎骨骨折のストラテジー
2 関節突起骨折のストラテジー
3 顎間固定を行う必要がある場合
・IMFスクリューとエリックアーチバーの使い分け
Message&Reference
Technique 1 下顎正中部骨折
Introduction
1 手術適応
2 ストラテジー―Champy 理論を理解せよ
3 Champy 理論
Operarion
・プレートベンディングのコツ―下顎正中部は緩いカーブではなく,凹みと隆起がある
・ワイヤーのコツ―骨折線間の前歯を整える
・正 中 部 骨 折 ・こんな場合―舌側が大きく開き,斜めに折れている
→ラグスクリューで串刺しにする
・スクリューを使いこなす!―下歯槽神経がオトガイ孔に出てくる神経パターンは3つある
Message&Reference
Technique 2 下顎角部骨折
Introduction
1 手術適応
2 ストラテジー―剝離を広く行い,プレート 1 枚で固定せよ
3 基本手技―下顎角へのアプローチ
Operarion
・覚えておきたい基本手技 1―骨折線上の智歯は抜歯するべき?
→ 症例の状態によって判断する
・覚えておきたい基本手技 2―下顎角部骨折の固定は,ミニプレート1枚だけで OK
Message&Reference
Technique 3 関節突起骨折
Introduction
1 手術適応―パントモと CT から関節突起骨折を分類して判断する
2 ストラテジー―戦略を練り,テクニックを駆使せよ
3 関節突起骨折のパターン(MacLennan 分類)
4 RAT/ インスブルックアプローチ
Operation
・ 知っておきたいテクニック 3選
・ アドバンス編・内側転位・脱臼へのテクニック 1―脱臼した関節を関節窩に戻す
・ アドバンス編・内側転位・脱臼へのテクニック 2
―内側に落ちた関節突起を,外側転位骨折の状態にする
・ 骨折の分類を知り,手術難易度を知る―初心者は難易度の低い手術から始めるべき
・ RAT/インスブルックアプローチ関節突起のORIF―知っておきたい合併症
Message&Reference
Technique 4 粉砕骨折
Introduction
1 手術適応
2 ストラテジー―粉砕骨折をパズルせよ
3 アプローチ法は3つ
Operation
・裂創がない場合,同視野で行うのに有効―口腔前庭切開による方法
Message&Reference
Technique 5 小 児
Introduction
1 疫学
2 手術適応
3 ストラテジー―歯胚を避けて固定せよ
4 考慮すべき事項
Operation
Message&Reference
Technique 6 アスリート
Introduction
1 疫学
2 ストラテジー―早急に復帰させることを心がけよ
Operation
Message&Reference
Technique 7 気道閉塞を伴う骨折
Introduction
1 下顎骨骨折における気道閉塞は 2 ~ 6%
2 下顎骨骨折における気道閉塞のメカニズム
3 ストラテジー―気道確保を優先せよ
4 考慮すべき事項
Case
Message&Reference
Technique 8 気管切開を避ける方法
Introduction
1 手術適応
2 ストラテジー―気管切開を回避せよ
3 オトガイ下挿管を行う
Operation
Message&Reference
Technique 9 術後のフォローアップと開口訓練
1 術後フォローアップ
2 術後の食事―術後 3 週間のソフトダイエット(咀嚼せずに食べられる軟らかい食事)
3 開口訓練(関節突起骨折)
4 開口訓練の方法
例)右の関節突起骨折術後の開口訓練
1 水平的開口訓練(関節突起骨折術後の自主開口訓練)
2 垂直的開口訓練(1)
3 垂直的開口訓練(2)(クロスフィンガー法)
4 垂直的開口訓練(3)(木製開口器を用いた開口訓練)
5 関節突起骨折を含まない開口訓練
・術後のトラブルを回避する―プレートトラブルを引き起こす因子を知る
・知っておきたい知識―プレートの抜去はいつ?
→行うなら,基本的には術後 1 年で行いたい
Message&Reference
Column
福田先生の教え
Hugo L Obwegeser 先生の金言
術者の左手
発 端
Edward Ellis 先生の教科書
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書籍情報
- ISBN:9784771961661
- ページ数:136頁
- 書籍発行日:2026年4月
- 電子版発売日:2026年6月4日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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