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バイオ医薬品ハンドブック 第5版 Biologicsの製造から品質管理まで

  • ページ数 : 480頁
  • 書籍発行日 : 2026年4月
  • 電子版発売日 : 2026年6月16日
¥10,670(税込)
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商品情報

内容

バイオ医薬品のCMC戦略は原薬と製剤の規格・試験のみならず、製造工程の恒常性をいかに担保し、逸脱や変更に合理的に対処するかを含めた総合的な営みであり、製造・QA・QC部門がCMCに関する共通理解をもつことがバイオ医薬品製造において重要です。
本書は、バイオ医薬品等に求められる品質・安全性、製造工程の恒常性、安定製造について日本PDA製薬学会バイオウイルス委員会が研鑚してきた内容を中心に取りまとめたものです。遺伝子治療や細胞治療に加えて核酸医薬も実臨床試験の段階に入り、承認品目は増加していますが、品質確保や製造工程の管理において従来とは異なる課題も顕在化してきています。第4版(2020年)の改訂から5年が経過し、規制環境や製造概念の変化も大きいことから内容を全面的に見直しています。

序文

序文

バイオ医薬品のCMC戦略は,原薬と製剤の規格・試験のみならず,製造工程の恒常性をいかに担保し,逸脱や変更に合理的に対処するかを含めた,総合的な営みである。バイオ医薬品の新規モダリティが台頭するなか,製造・QA・QCが同じ目線で判断できるCMCに関する“共通認識” を共有することは,品質保証の基盤として一層重要となっている。さらに,市場の拡大に伴い企業間の連携が増え,人材の流動化も進む現在,CMCに関する共通の理解の有無は,技術移管や日常業務の引継ぎ,ひいては品質文化の継続性を左右する要因となる。本ハンドブックは,その共通の基盤を整理し,関係者の理解の深化に資することを目的として編まれたものである。

本ハンドブックは,バイオ医薬品等に求められる品質・安全性,製造工程の恒常性,ならびに安定製造について,日本PDA製薬学会バイオウイルス委員会で研鑽してきた内容を中心に取りまとめたものである。執筆・編集は委員会メンバーが担当し,従来の低分子合成医薬品における製造・品質管理の枠組みだけでは十分に対応しにくい領域を,体系的に解説することを目指した。初版は2012年1月25日に発刊され,その後,バイオ医薬品等に関する技術の進歩や関連規制の改正に合わせて改訂を重ねてきた。このたび第5版として改訂を行うこととなった。

2012年の初版刊行以降,バイオ医薬品市場は抗体医薬品などを中心に予想どおり拡大し,当時から概ね約3倍に成長した状況にある。また,バイオ医薬品市場は,2026年には世界の医薬品市場全体の約4割に到達する勢いとも言われている。二重特異性抗体や抗体薬物複合体(ADC)など,モダリティの多様化も進み,2030年にはバイオ医薬品の市場規模が7,000億米ドルを超えるとの予測もある。加えて,再生医療等製品についても商業化および適応拡大が進み,遺伝子治療・細胞治療に加えて核酸医薬も実臨床試験の段階に入り,承認品目は増加している。これらは,患者に大きな治療選択肢をもたらす一方,品質確保や製造工程の管理において,従来とは異なる課題も顕在化している。第4版(2020年)の改訂から5年が経過し,規制環境や製造概念の変化も大きいことから,今回あらためて改訂を行うこととした。

バイオウイルス委員会は執筆者一覧に示すとおり,産官学から多様で経験豊かなメンバーにより構成されている。委員会は毎月定期的に活動しており,2026年2月には232回目の開催を迎えた。委員会での研鑽内容は,日本PDA製薬学会の年会・シンポジウム,ならびに関連雑誌等で発表してきたが,本書の執筆・改訂もまた重要な活動の柱である。今回の改訂では,第4版から継続して参画する19名に加え,新たに11名が参加し,計30名がそれぞれの専門性を生かして分担執筆を行った。

今回の改訂では,近年上市品目が増加しているワクチン,ならびに国内で活発に議論が進む再生医療等製品について大幅な見直しを行った。さらに,エクソソームを新たに取り上げるとともに,バイオ医薬品に関する製造・品質管理技術および関連規制についても最新の内容へ更新した。一方,この分野の参考書籍や情報が充実してきたことも踏まえ,第4版で扱った内容の一部は本ハンドブックとしての役割を終えたと判断し,記載の削減・整理も行った。本改訂版が,関係分野に携わる方々の製造・品質管理に関する理解の整理,ならびに品質保証の向上など,実務の一助となれば幸いである。ただし,新規モダリティの開発や製造技術の進展は極めて速く,本書ですべてを網羅することは困難である。今後も技術革新と規制動向を注視し,必要に応じて知見を更新し,次回以降の改訂に反映していきたい。

最後に,本改訂版の発刊にあたり,多忙な中で企画・構成・編集を担当いただいた編集委員の皆さまに深く御礼申し上げる。また,玉稿を賜った執筆者の皆さま,および査読にご協力いただいたバイオウイルス委員会の委員の皆さまに深く御礼申し上げる。とりわけ,初版から編纂を牽引いただいた菅原様に深謝する。さらに,発刊にご尽力いただいた株式会社じほうの橋都様に心より感謝申し上げる。


2026年3月

日本PDA製薬学会バイオウイルス委員会

6委員長 伊藤隆夫

目次

第1章 ハンドブック概要

1. 用語解説

2. 改訂のポイント

第2章 細胞基材の基礎

はじめに

1. 細胞培養の歴史

2. 細胞基材の特性解析はなぜ必要なのか

3. 細胞への遺伝子導入法

4. 細胞基材に求められる薬事要件

5. バイオ医薬品等の製造に用いられる主な細胞基材

6. バイオ医薬品製造用細胞基材の構築

おわりに

第3章 バイオ医薬品の製造

概論

Ⅰ バイオ医薬品の製造方法と管理

はじめに

1. 製造方法概論

2. 製造管理概論

3. 各製造プロセス

4. シングルユース技術

5. 製造環境管理概論

おわりに

Ⅱ 連続生産技術―バイオ医薬品における現状と課題

はじめに

1. バイオ医薬品の連続生産技術

2. バイオ医薬品連続生産による品質特性

3. バイオ医薬品連続生産の製造コスト

4. 考慮すべき点

おわりに

Ⅲ CDMO/CRO

1. バイオ医薬品開発におけるアウトソーシングの動向

2. バイオ医薬品のアウトソーシングの課題と今後

第4章 バイオ医薬品の品質管理

はじめに

1. バイオ医薬品の特性解析に応じた品質管理の役割

2. 品質管理戦略(Control Strategy)

3. HCP に関する知見

おわりに

第5章 バイオ医薬品の特性解析

はじめに

Ⅰ バイオ医薬品の特性解析

はじめに

1. バイオ医薬品の特性解析の概要

2. 抗体医薬品の特徴

3. 抗体医薬品の特性解析

4. 抗体薬物複合体の特性解析

5. その他の特性解析

おわりに

Ⅱ 抗体医薬品の翻訳後修飾

はじめに

1. N 末端ピログルタミン酸の形成

2. シグナルペプチドの不完全な切断

3. C 末端リシンの欠損

4. C 末端プロリンのアミド化

5. Met およびTrp 残基の酸化

6. Asn 残基の脱アミド化およびAsp 残基の異性化

7. 糖化

8. 抗体医薬品の製造工程で起こる鎖間ジスルフィド結合の還元

おわりに

第6章 バイオ医薬品のウイルス安全性

はじめに

1. ウイルス安全性管理戦略

2. ウイルスクリアランス

3. ウイルス試験(検出試験)

おわりに

第7章 血液製剤と血漿分画製剤

はじめに

Ⅰ 輸血用血液製剤

1. 背景

2. 輸血の歴史

3. 輸血用血液製剤ができるまで

4. 輸血用血液製剤の感染症対策

5. 新興・再興感染症への対策

Ⅱ 血漿分画製剤

1. 背景

2. 血漿分画製剤の歴史

3. 血漿分画製剤の感染事例

4. 血漿分画製剤の種類と製造工程

5. 血漿分画製剤の品質管理試験

6. 血漿分画製剤のウイルス安全性

7. 新興・再興感染症について

Ⅲ 血液製剤を代替する医薬品等

1. 背景

2. 血友病と血液凝固系

3. 第Ⅷ因子とその機能を代替する医薬品

4. 第Ⅸ因子とその機能を代替する医薬品

5. 活性化第Ⅶ因子とその機能を代替する医薬品

6. VMF とその機能を代替する医薬品

7. ADAMTS13 とその機能を代替する医薬品

8. 血友病に対するリバランス療法に使用される医薬品

9. 血液凝固因子以外に組換え化が検討されるヒト血漿タンパク質

おわりに

第8章 ワクチン

はじめに

1. わが国で利用可能なワクチン

2. ワクチン開発の革新技術

3. 開発が待ち望まれているワクチンーノロウイルスワクチン

4. COVID-19 振り返り

おわりに

第9章 抗体医薬品“Antibody Drugs”

はじめに

1. 抗体医薬

2. 抗体薬物複合体製剤

3. バイスペシフィック抗体製剤

おわりに

第10章 再生医療等製品

はじめに

Ⅰ 再生医療等製品

1. 再生医療等製品に関する経緯と現状

2. 再生医療等製品開発上の課題

3. 再生医療等製品等の開発に関する各国制度

Ⅱ ヒト細胞加工製品

1. 特徴

2. 製法設計

3. 無菌管理

4. 品質評価および品質管理戦略

5. 個別製品での事例

Ⅲ 遺伝子治療用製品等

1. 遺伝子治療用製品の特徴

2. 遺伝子治療用製品の製法設計

3. 遺伝子治療用製品の施設設計

4. 遺伝子治療用製品の品質管理手法

5. 遺伝子治療用製品の紹介

Ⅳ 規制制度

1. 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)の概要

2. 遺伝子治療の長期追跡調査

3. TSE/BSE に関する規制

おわりに

第11章 核酸医薬品

はじめに

1. 核酸医薬の作用メカニズム

2. 核酸医薬の品質試験

おわりに

第12章 トピックス

Ⅰ 細胞外小胞・エクソソーム

はじめに

1. EVs の分類

2. 原材料

3. 課題

4. 品質管理戦略

5. レギュレーション

おわりに

Ⅱ バイオシミラー

日本PDA 製薬学会バイオウイルス委員会実績一覧

本書で引用された主な法令・ガイドライン・通知等

略語表

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784840757232
  • ページ数:480頁
  • 書籍発行日:2026年4月
  • 電子版発売日:2026年6月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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