麻酔科医が切り拓く周術期漢方の可能性

  • ページ数 : 204頁
  • 書籍発行日 : 2026年5月
  • 電子版発売日 : 2026年6月25日
¥5,170(税込)
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商品情報

内容

「なぜその病態にその漢方薬が有効であるのか」が分かる。
周術期漢方の概念・臨床で漢方薬を活用するための知識や考え方・漢方の基本病態に対応する生薬と基本方剤・周術期漢方を効果的に使うポイント、さらに周術期に用いられる漢方薬を病態ごとに整理。単に病名と漢方薬を羅列するのではなく、西洋医学的な病態と東洋医学的な病態を対比して記載し、「なぜその病態にその漢方薬が有効であるのか」が分かるよう、構成生薬の組み合わせ(方意)を解説。研究論文や症例報告なども併記し、西洋医学を学んできた医師に漢方の有効性を理解していただけるよう工夫。

序文

まえがき

学生時代から東洋医学を学んできた筆者は、漢方が周術期管理の武器になるということを、麻酔科医をはじめとした周術期医療に従事する医師たちに広く伝えたいと考え、本書を執筆した。漢方というと、ペインクリニックや緩和医療といった慢性期医療に用いられるものという印象が強い。しかし、実際には周術期や集中治療といった急性期医療の場面でも活用できる幅広い医学である。

本書の主眼は、これまで漢方になじみのなかった医師に、周術期漢方の概念と、臨床で漢方薬を活用するための知識や考え方を理解していただくことにある。第Ⅰ章では、総論として漢方の概要に始まり、周術期漢方の着想、現代医療における漢方のあり方を述べた。第Ⅱ章では各論として、漢方の基本病態に対応する生薬と基本方剤、ならびに周術期漢方を効果的に使うポイントを紹介したうえで、周術期に用いられる漢方薬を病態ごとに整理して掲載した。単に病名と漢方薬を羅列するのではなく、西洋医学的な病態と東洋医学的な病態を対比して記載し、「なぜその病態にその漢方薬が有効であるのか」がわかるように、構成生薬の組み合わせ(方意)を解説した。研究論文や症例報告などの知見も併記し、漢方一辺倒の解説書ではなく、西洋医学を学んできた医師にとっても漢方の有効性を理解していただけるよう工夫した。第Ⅲ章は、周術期漢方の現状をまとめたうえで、目指すべき方向性を展望と課題に分けて述べた。第Ⅳ章では、東洋医学に興味を持ってくださった先生方に向けて、漢方を学ぶときに役立つ考え方や指針を述べ、巻末には参考となる資料や書籍を紹介した。筆者は、「華岡青洲を学問の祖とする日本の麻酔科医が中心となって、東洋医学を用いて周術期医療の課題を解決すること」をライフワークとして取り組んでいる。これを周術期漢方として提唱し、普及していきたいと考えている。本書を通して、周術期漢方の可能性が広く世の中に認知され、未来の医療の中で発展していくきっかけとなれば、筆者の喜びとするところである。


2026年3月吉日

川崎市立川崎病院 麻酔科・集中治療部 医長
出野 智史

目次

第 I 章 周術期漢方って何?

1. 東洋医学における漢方の位置づけ 

2. 漢方の普及状況 

3. 漢方にはエビデンスはあるの? 

4. 漢方ってどうやって治療するの? 

5. 周術期漢方の着想 

6. 周術期漢方、日本の麻酔科医がやらねば誰がやる!

7. 実は似ている麻酔科学と漢方の考え方 

8. 現代医療における漢方のあり方 

第 II 章 病態に応じた漢方処方の考え方〜 35 病態 / 処方〜

A 漢方の基本病態に対応する生薬と基本方剤

B 周術期に漢方を効果的に使うためのポイント

C 周術期に遭遇する病態に対する漢方治療

1 術後イレウス

2 術後浮腫

3 炎症性浮腫

4 冷えや血行障害を伴う浮腫

5 黄疸

6 術後悪心・嘔吐(PONV)

7 術後せん妄

8 硬膜穿刺後頭痛(PDPH)

9 痙攣性の疼痛(疝痛)

10 術後痛

11 術後咽頭痛

12 手術体位に起因する凝り(項背部~肩)

13 後陣痛

14 出血

15 血腫

16 食欲低下(気虚型の胃腸障害)

17 胃逆流症状・通過障害(気滞型の胃腸障害)

18 呑気症・腹部膨満感

19 小腸性下痢

20 便秘

21 術前不安

22 抑うつ

23 自律神経失調症

24 術後回復の遅延

25 創傷治癒の遅延

26 呼吸器感染症の予防①:病原微生物による感染

27 呼吸器感染症の予防②:誤嚥性肺炎

28 呼吸器感染症の治療①:新型コロナウイルス感染症

29 呼吸器感染症の治療②:インフルエンザ

30 日和見感染症

31 フレイル

32 がん患者の補助療法①:衰弱

33 がん患者の補助療法②:がん性疼痛

34 化学療法の副作用①:口内炎

35 化学療法の副作用②:末梢神経障害

< 付記 > 全身麻酔

第 III 章 周術期漢方〜これまで、そしてこれから〜

現状と展望

1. 周術期漢方の現状

2. 周術期漢方を導入するためには

3. 筆者の施設での周術期漢方の軌跡

4. コメディカルとの協働

5. 漢方医学の発展に寄与しうる周術期漢方

6. 周術期漢方の展望

課題

1. 漢方のエビデンスの構築

2. 漢方の適正使用と副作用

3. 教育と啓蒙

第 IV 章 漢方を活用したいドクターへ〜学びと実践への手引き〜

1. 西洋医学を実践している医師の漢方の学び方

2. 漢方外来の陪席のススメ ~三年勤め学ばんよりは三年師を選ぶべし~

3. 神農に倣う~自分自身で漢方の効果を実感する~

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書籍情報

  • ISBN:9784771961715
  • ページ数:204頁
  • 書籍発行日:2026年5月
  • 電子版発売日:2026年6月25日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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