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- Acute Pain Serviceのための術後痛管理実践ガイド
商品情報
内容
術後疼痛管理チーム(APS)による術後急性痛管理に注目が集まっている。実践的な術後痛管理法に加えて、APS運用について解説。日常臨床の手助けとなるガイドブック。
序文
序文
医療の進歩により,手術医療は目覚ましい発展を遂げています。術式の標準化に加え,ロボット支援下手術やカテーテル手術に代表される低侵襲手術の普及により,多くの患者さんがこれまで以上に安全かつ安心して手術を受けることが可能となりました。その結果,現代における手術医療は単なる手術の成否に止まらず,その「質」が問われています。
手術を受ける患者さんを最も悩ませる問題の一つが術後痛です。術後痛の適切な管理は単なる苦痛の軽減にとどまらず,呼吸・循環・免疫機能の維持,合併症の予防,早期離床,術後リハビリテーションの促進,さらには慢性痛への移行の抑制に至るまで,広範な臨床的意義を有します。すなわち,術後痛管理は「手術医療の質」そのものを規定する極めて重要な要素です。読者の先生方のご施設において,手術を受けた患者さんは術後急性期を痛みなく,安らかに過ごされているでしょうか? 術後痛管理に苦慮されている場面も少なくないのではないでしょうか?
こうした背景のもと,わが国でも日本ペインクリニック学会が「術後痛ガイドライン」を作成し,術後鎮痛法の標準化が進められてきました。さらに,「術後疼痛管理チーム加算」の導入により,急性痛管理チーム(Acute Pain Service:APS)を中心とした多職種協働による組織的な管理体制の構築が求められるようになりました。しかしながら,実臨床におけるガイドラインの適用やAPSの運用については,各施設の人的資源や体制に依存する部分も大きく,いまだ試行錯誤の段階にあるのが実情です。日本術後痛学会は,このような現状を踏まえ,「術後痛ガイドライン」に準拠しつつ,術後痛管理の実践に直結する知識と技術を体系的に整理し,さらにAPSの具体的な運用方法についての実践的な指針を提示することを目的として本書を企画いたしました。従来の教科書的な網羅型の記述にとどまらず,日常診療においてただちに活用可能な「実践ガイド」として構成されている点に本書の特徴があります。疼痛評価の基本,各種鎮痛法の具体的運用,術式別の実践例,特殊患者への対応,さらには慢性術後痛への視点に至るまで,臨床現場で直面する幅広い課題に即した内容を丁寧に解説しています。
術後痛管理は,「痛みを和らげる医療」にとどまらず,「患者の回復を支える医療」です。本書が術後痛管理に携わるすべての医療者にとって実践の一助となり,ひいては患者さんのQOL向上と周術期医療の質のさらなる発展に寄与することを心より願っております。
2026年3月吉日
日本術後痛学会
目次
1章 術後痛をコントロールすることのメリット 山田 知見,松田 愛,天谷 文昌
a.術後痛が生理機能に与える影響
b.術後痛が生活機能や予後に与える影響
2章 術後痛の評価 大槻 明広
a.視覚的評価
b.口頭での評価:VRS,VDS
c.表情・態度での評価
d.機能的評価
e.その他の評価法
3章 術後痛の機序と鎮痛薬の標的部位 石田 高志,田中 聡
a.術後痛の機序
b.鎮痛薬の標的部位
4章 鎮痛法
1.全身投与
a.オピオイド 濱口 眞輔,沼田 祐貴
b.アセトアミノフェン 山添 大輝,祖父江 和哉
c.NSAIDs/COX‒2 阻害薬 矢野 武志 34
d.その他 星野 陽子,伊藤 伸子
2.神経ブロック
a.硬膜外鎮痛 辻川 翔吾,森 隆
b.末梢神経ブロック 村田 寛明
c.非薬物療法 原 厚子,井関 雅子
3.多角的鎮痛法 近藤 一郎
5章 各種術式と実際の鎮痛方法
1.開腹手術 三好 寛二,中村 隆治
2.開胸手術 三好 寛二,中村 隆治
3.頭頸部手術 中澤 春政
4.開頭手術 中澤 春政
5.腹腔鏡手術・ロボット支援手術 山田 真紀子,須藤 貴史,齋藤 繁
6.胸腔鏡手術・ロボット支援手術 須藤 貴史
7.経カテーテル手術 本田 善孝,齋藤 繁
8.脊椎手術 山﨑 亮典,川股 知之
9.四肢・関節手術 山﨑 亮典,川股 知之
a.人工膝関節置換術
b.鏡視下腱板修復術
10.体表面の手術 山﨑 亮典,川股 知之
a.乳がん手術
6章 特殊な患者
1.妊 婦 新山 幸俊
2.小 児 新山 幸俊
3.高齢者 新山 幸俊
4.低肺機能患者 新山 幸俊
5.低心機能患者 新山 幸俊
6.肝・腎機能障害患者 植木 隆介,廣瀬 宗孝
7.ICU 患者 植木 隆介,廣瀬 宗孝
8.オピオイドユーザー:がん関連痛の患者 植木 隆介,廣瀬 宗孝
7章 術後の症状対策
1.PONV 関 博志
2.せん妄 河野 崇
3.不眠症 河野 崇
4.痒 み 関 博志
5.術後尿閉 関 博志
6.尿道バルーンによる違和感 関 博志
7.ドレーンの痛み 関 博志
8章 慢性術後痛 杉山 陽子
a.定 義
b.疫 学
c.発症機序
d.発症のリスク因子
e.予防法・治療法
9章 Acute Pain Service(APS)による術後痛管理
1.海外における APS の背景・歴史 弓場 智雄,山本 俊介
2.日本における APS の発足と歴史 弓場 智雄,山本 俊介
3.APS の効果 ハシチウォヴィッチ トマシュ
4.APS の運用 ハシチウォヴィッチ トマシュ
a.APS の条件
b.APS チームメンバーとその役割
c.活動モデル(病棟との連携)
d.医療者教育
e.患者・家族教育
f. 導入方法・運用維持に必要なこと
g.術後疼痛管理チーム加算の条件
10章 術後痛管理の今後の展開
1.プレハビリテーション 位田 みつる,川口 昌彦
2.APS と ERASⓇ 森松 博史
3.周術期管理と APS 鈴木 昭広
4.Perioperative Surgical Home 鈴木 昭広
5.Transitional Pain Service 鈴木 昭広
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書籍情報
- ISBN:9784771961722
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2026年5月
- 電子版発売日:2026年6月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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