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- 人間知能の正体 「個人差」はどこからくるのか?
商品情報
内容
序文
序文と謝辞
考える力には価値があると考えられている。一部の人がほかの人よりも賢そうに見えるのはなぜなのか、私たちのほとんどが興味をもっている。知的能力の個人差が実に幅広い領域で見られることは古くから認識されていた。私たちの言語のなかには、一般的な思考力の大小を表現する言葉がたくさんある。学術的な心理学の世界には差異心理学(differential psychology)とよばれる分野の研究者や教員がいる。私もその1人である。私たちは、知能や人格の個人差を研究している。私はこの短い本のなかで、人々の思考力が、どのように、そしてなぜ異なるのか、という点に関して発見したことをいくつか書き記した。この本の目的やアプローチやスタイルは初版から変わっていないが、内容は大幅に刷新した。人々の知能の個人差について学ぶには、この分野の精選された質の高い研究を知ることが最善である。この考えは今も変わらない。この本では、あいだに入る人物の話は割愛し、人間知能に関する実際の研究データに触れてもらいたいと考えている。
私はこの本で知能研究の全体を網羅することは目指していない。Very ShortIntroductionの短い形式でそれを実現することは不可能である。この本では私が重要だと思う10のトピックについて解説している。それぞれのトピックを問いの形にして、各章のタイトルにしている。皆さんはこれらの答えを知りたいのではないだろうか。私が選んだ10のトピックは、アメリカ心理学会(American Psychological Association)による大規模な知能調査に沿ったものでもある(10章参照)。私の専門とする知能の研究アプローチは、リチャード・ニスベット(Richard Nisbett)らの広域調査で知られ、知能の個人差を解明する中心的な研究手法とされているものである(同じく10章参照)。私は10の問いに対して、反論の余地がない強力なデータを示す研究と、信頼できるメタ分析(meta―analysis)を提示したいと思う。もしあなたが知能に関するこうした議論に巻き込まれることがあっても、私の取り上げた研究があなたの助けとなるだろう。
精選された10の知能研究領域それぞれに関して、私はいくつかの重要な知見を、個別の研究に基づいて説明している。これらの研究の多くは私のチームによるものである。この本に紹介した研究がすべてではないということは強調しておく。例としてあげた研究はすべて、良いデータを備えており、その領域の一般的な知見を代表しているという理由で選んだものである。これらの領域の知見について、別の解釈がある場合には、さらに参考文献を示している。参考文献を読んでもらえれば、これら10の領域に関するほかの研究だけでなく、この本で紹介しきれなかったほかの知能研究領域についても知ることができるはずだ。10章および「引用文献と参考文献」では、知能研究の歴史的論争や最近の論争も取り上げている。
この第2版ではほとんどの部分が新しくなっている。私の草稿を読んで良い改善案をくれた同僚、友人、家族、著名な学者(複数に該当する人もいる)に謝意を表する。Drew Altschul、Janie Corley、Simon Cox、Gail Davies、AnnDeary、Matthew Deary、Douglas Detterman、Morna Dewar、Chloe Fawns―Ritchie、James Flynn、Catharine Gale、Richard Haier、Sarah Harris、CarolineHayward、Matthew Iveson、Joanna Kendall、David Lubinski、Michelle Luciano、Judy Okely、Lindsay Paterson、Stuart Ritchie、Timothy Salthouse、AdeleTaylor、Philip A. Vernon、Elayne Williamsonに感謝する。校正を手伝ってくれたDanielle Pageに感謝する。オックスフォード大学出版局のJenny NugeeとLatha Menonに感謝する。
初版の序文に書いたように、私はこの本を母・イソベル(Isobelle)に向けて書いた。彼女は根拠を確かめることなく主張を受け入れるようなことは決してしない。その模範的態度を称えたい。この本で提示した具体的なデータと解説が、彼女や読者の皆さんのお眼鏡に適うことを願っている。この本の章題は、私が知能に関して一般向けに講演するときによく提示する10のトピックを用いている。私はこれを「知能に関するとても面白い10のこと」と称している。実際にそうであることを祈る。
読者への注記:この本では相関関係や相関の大きさについてしばしば言及する。なじみのない読者向けに、巻末の付録で相関について説明している。1章を読み始める前に一読しておくほうが良いだろう。また、この本で多数紹介する「メタ分析」が何なのかについても説明している。
目次
1 章 知能は1 つか、複数か?
2 章 加齢で知能はどう変化する?
3 章 知能に性差はある?
4 章 環境と遺伝子は知能にそれぞれどう作用する?
5 章 賢い人は速い?
6 章 脳を見れば知能がわかる?
7 章 知能は学校や職場で役に立つ?
8 章 知能は健康や長寿に影響する?
9 章 知能は世代ごとに上昇する?
10 章 知能差について心理学者の見解は一致している?
付録:相関に関する解説
付録:例題の正答例
引用文献と参考文献
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書籍情報
- ISBN:9784621312964
- ページ数:152頁
- 書籍発行日:2026年6月
- 電子版発売日:2026年7月1日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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