みんなのCCU 多職種チームでシームレスな管理を目指す

  • ページ数 : 278頁
  • 書籍発行日 : 2026年6月
  • 電子版発売日 : 2026年7月7日
¥5,720(税込)
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商品情報

内容


職種を超えた横断的な連携が患者と家族を救う!
昨今,CCUでは高齢化や基礎疾患・合併疾患の多様化などにより多岐にわたる対応が必要となってきている.また退院後の社会復帰や患者家族の精神的ケアまでも念頭においた医療が超急性期から求められてきている.そのためCCUには“多職種”による“チーム医療”が必要不可欠となる.そこで本書では医師のみならず看護師や薬剤師,リハビリスタッフなど,多職種スタッフが実際の現場でどのような視点をもち,どのように対応すべきかの指針を具体的にわかりやすく解説している.

序文

CCUは1960年代にCoronary Care Unitとして主に急性心筋梗塞を治療するために米国で誕生した.その後,1970年代には我が国でも導入され,50年以上の歴史となる.時代とともにCCUに求められる治療も変化・拡大し,それらに柔軟に適応していった.そして名称もCardiac Care Unitと変貌を遂げた.

心不全に対する薬物療法の進歩,心原性ショックに対する循環補助デバイスの発展,洗練された冠動脈・不整脈インターベンション,弁膜症への血管内治療の出現など循環器疾患の治療の進化は著しく,循環器領域のみにおいても各専門家および医療スタッフによる“多職種チーム”介入が重要となっている.慢性心不全の領域ではすでに多職種チーム医療が普及しているが,急性期においても重要な概念であり,CCUはそれを実践する中心的な場所となる.

また,CCUに入室する患者の主疾患は重症心疾患が主だが,高齢化や基礎疾患・合併疾患の複雑化などにより多岐にわたる対応を求められる.そして重症患者における第一目標は患者の救命であることは間違いないが,それだけでなくCCU退出後や退院後の社会復帰および患者家族の精神的ケアまで念頭においた医療が超急性期から求められている.そのためには救急外来からCCU,そしてCCUから一般病棟および外来ケアへのシームレスな治療連続性が必要であり,関係する部門との横断的な連携が重要となる.CCUにおいてはリハビリテーションはもちろんのこと,ICUの領域で発展してきた栄養療法やPICS・PICS-Fへの予防・治療バンドルの導入が求められており,これらの実践のために“多職種”による“チーム医療”が必要不可欠であることは言うまでもない.特に非医師の医療スタッフの重要性が増しており,様々な職種の医療スタッフがそれぞれの視点から活発な意見を出せる環境が理想的なチーム形成に必要である.

各施設・各ユニットで人的・物的リソースは異なるため,それらに適した多職種チーム形成が必要となる.本書がCCUにおける理想的な多職種チーム形成の手助けとなり,患者へのより良い治療へと繋がれば幸いである.


2026年5月

編者を代表して 中山寛之

目次

第1章 CCUにおける多職種チームの重要性 〈佐藤幸人,中山寛之〉

Patient centered careの重要性 / CCUにおける多職種チーム / 当院CCUにおける多職種回診 / 介入の骨格 / 退院後,患者の場所移動に伴うケアの分断を防ぐために / CCUでカテコラミン依存になった患者の外来・在宅移行の可能性

第2章 循環器救急の初期対応─ERとCCUの連携 〈畑 菜摘〉

救急医とは何か / 循環器疾患における救急医の役割と連携 / 診療の連携─プロトコルと標準化の例として / コミュニケーションの連携─患者移動を例として

第3章 ICUルーチンをCCUに導入する

1.PICSとABCDEFGHバンドル 〈稲葉和真,桂欣宏,瀬尾龍太郎〉

三大症状の概要 / PICSへの対策─ABCDEFGHバンドル

2.VAPバンドル・胃潰瘍予防・DVT予防 〈黒住祐磨〉

VAPバンドル(人工呼吸器関連肺炎予防バンドル) / 胃潰瘍予防 / DVT予防

3.褥瘡予防 〈井上美香〉

褥瘡予防 / 褥瘡発生後の褥瘡の管理 / 医療関連機器褥瘡(MDRPU) / スキンケア

4.口腔ケア 〈松田悠平〉

人工呼吸器関連肺炎(VAP) / 気管挿管による歯や口腔粘膜の損傷 / 口腔機能の低下 / 当院での集中治療管理中の口腔管理システム

5.排便管理 〈堀田幸造〉

管理と介入 / 機械的補助装置使用時の排便管理─フレキシシール(R)の活用

第4章 早期心臓リハビリテーション 〈堀田幸造〉

実際の進行過程 / 今後のリハビリテーションの展望

第5章 早期栄養療法 〈中山寛之〉

CCUにおける早期栄養療法の問題点と重要性 / 実際の早期栄養介入法 / その他のポイント / 重症心疾患に対する例

第6章 疼痛・不穏・せん妄・不動・不眠管理 〈中山寛之〉

疼痛 / 不穏/鎮静 / せん妄 / 不動 / 不眠 / 実際の管理

第7章 CCUで遭遇する感染症

1.カテーテル関連血流感染症 〈伊藤 渉,松尾裕央〉

2.人工呼吸器関連肺炎・カテーテル関連尿路感染症 〈伊藤 渉,松尾裕央〉

人工呼吸器関連肺炎(VAP) / カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)

第8章 各疾患のCCU管理

1.院外心停止 〈西本裕二〉

体外循環式心肺蘇生法(ECPR) / 心停止後症候群(PCAS) / 体温管理療法(TTM)

2.CCUに入院となるような重症急性心不全 〈長央和也〉

呼吸の管理 / 急性心不全の病態評価―うっ血と組織低灌流・心原性ショック / 管理(モニタリングと評価) / 治療 / その他の管理

3.急性冠症候群 〈井川彰久,塩見紘樹〉

胸痛患者の初期対応 / ACSを疑う際の初期検査 / STEMI(ST上昇型急性心筋梗塞) / NSTE-ACS(非ST上昇型急性冠症候群) / Primary PCIの実際 / 急性冠症候群の急性期合併症 / 急性冠症候群の急性期管理の実際

4.不整脈 〈鯨 和人〉

心房細動 / 心室性不整脈 / 徐脈ペーシング

5.大動脈緊急症 〈中山寛之〉

急性大動脈解離 / 大動脈瘤破裂

6.急性肺塞栓症 〈山下侑吾〉

急性肺塞栓症の予後と診断 / 急性肺塞栓症の初期評価 / 急性期の重症度別の治療戦略 / 急性肺塞栓症への血栓溶解療法と下大静脈フィルター / 急性期治療としての抗凝固療法 / 急性肺塞栓症に対するカテーテル治療 / 急性肺塞栓症の入院後管理 / 急性期以後の注意点

7.劇症型心筋炎 〈大谷朋仁〉

臨床経過 / 急性期の初期対応 / 治療 / 極期から回復期 / 回復期

8.重症弁膜症・急性弁膜症

A 大動脈弁 〈中山寛之〉

大動脈弁狭窄症(aortic stenosis: AS) / 大動脈弁閉鎖不全症(aortic regurgitation: AR)

B 僧帽弁 〈佐賀俊介〉

MRの病態と初期治療 / MRの診断と重症度評価 / MRの治療 / 経カテーテル僧帽弁接合部修復術(mitral trans­catheter edge-to-edge repair: M-TEER)

第9章 メディカルスタッフの視点

1.看護師 〈松井憲子〉

患者のニードを捉える / 全人的アプローチ / 倫理的課題と意思決定支援

2.理学療法士 〈清岡佳奈〉

集中治療室における理学療法士の関わり方 / 組織の作り方 / 介入法について

3.管理栄養士 〈宮島 功〉

管理栄養士の役割 / 栄養関連の診療報酬上の変遷 / CCUにおけるチーム医療と栄養士組織の構築 / 具体的な介入方法

4.薬剤師 〈川邊一寛〉

集中治療室における薬剤師の関わり方 / 組織の作り方 / 介入法

第10章 循環器集中治療と緩和ケア 〈蔵垣内 敬〉

ICUにおける緩和ケアのエビデンスと実態 / 心臓集中治療室(CCU)における緩和ケア / 循環器緩和ケアにおける特有の問題点 / CCUにおける緩和ケアの実践 / わが国の循環器内科医・集中治療医に対する緩和ケアの認識のアンケート調査 / 循環器緩和ケアの提供体制 / 当院CCUでの緩和ケア実践

第11章 集中治療室から一般病棟・外来へのケア移行

1.心臓リハビリテーションを中心とした多職種介入 〈谷口良司〉

心血管疾患診療におけるケア移行の重要性 / 心リハの役割 / CCU退室後から病棟期心リハ / 外来心リハ / 外来心リハにおける多職種介入 / 看護師主導外来 / ICT連携と遠隔心リハ / 医療・介護連携 / 今後の課題

2.看護師主導の心不全外来 〈鷲田幸一〉

移行期ケアと看護師介入の有効性 / 心不全看護外来の設置と役割 / 心不全増悪予防とセルフケア支援の包括的アプローチ

第12章 集中治療における多職種介入のアウトカム評価

1.多職種介入の評価 〈加藤建吾,岡田和也〉

CCUで行われる多職種連携の例 / 多職種連携で得られるアウトカムについて / 各職種の役割 / 評価の枠組み:ドナベディアンモデルとKPI・CSF

2.多職種介入の阻害因子と取り組み 〈熊城伶己,武居哲洋〉

患者要因による阻害因子と解決策 / 組織要因による阻害因子と解決策 / 社会要因


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書籍情報

  • ISBN:9784498166929
  • ページ数:278頁
  • 書籍発行日:2026年6月
  • 電子版発売日:2026年7月7日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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