クマ外傷2

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2026年7月
  • 電子版発売日 : 2026年7月10日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

大反響を巻き起こした『クマ外傷』の続編が登場。</b>
病院総力戦のリアルがここにある!

第1弾刊行時から、さらに幅広い地域で確認されるようになったクマ出没。
それだけ被害に遭われる方が増加する可能性も高まっている状況です。

そのような中で本書では新たに歯科口腔外科、放射線科(画像所見)、
耳鼻咽喉科、眼科などの処置・治療も掲載。
前作に続き取り上げている形成外科や整形外科とともに
「明日、自分が対応するかもしれない」という緊張感のある状況に置かれた医師に向け、
さらなる知見が提供されています。

さらには、被害現場での対応にあたる救急隊をはじめ、看護師、理学療法士など
救急搬送から急性期ケア・リハビリテーションに当たる多職種の対応も紹介!
ぜひ医師だけでなく医療従事者全般、救急に関わる方々、
そしてクマ被害への対応に関係するすべての人にご覧いただければと思います。

秋田だけでなく青森、岩手、福島などの事例・状況紹介や、
防御姿勢、減災教育といった予防に関すること、法医学の立場からみたクマ外傷などもあり
前作ともども参考になる1冊です!


【目次情報】
序  文 4
本書をお読みいただくにあたって 9

第1章 クマ外傷の現状
1.昨今のヒグマとツキノワグマの生息状況について
  ―有害捕獲、人身被害および人里での出没状況に関する考察から―(山内貴義) 10
2.人身事故からみるヒグマとツキノワグマの相違点(内山岳志) 18
3.岩手県におけるクマ外傷の15年間
  ―147例の臨床像と4例の死亡例から見えた現実―(野々口マリア、髙橋純貴、高橋 学)22

第2章 Prevention 〔予防〕
1.予測不能な動的脅威にいかに備えるか
  ―マニュアルなき脅威に「型」を創る:5段階フェーズ管理による組織対応―(山平大介) 36
2.クマ外傷減災教育
  ―地域と医療が連携する新たなアプローチ―(猿田里音) 40
3.防御姿勢について(石垣佑樹) 43

第3章 Intervention 〔介入・治療〕
1.救急隊出動時の留意点(高橋洋平) 52
2.歯科口腔外科領域の治療(五十嵐秀光、髙野裕史) 57
3.クマ外傷の画像所見 ―特徴的損傷パターンと重症度評価―(森 菜緒子、畠山賢仁) 67
4.耳鼻咽喉科の治療(椎名和弘) 79
5.クマ外傷による四肢外傷における創部の特徴と感染予防を重視した初期治療(白幡毅士) 86
6.形成外科領域の治療(漆舘聡志) 97
7.クマ外傷による眼外傷の実際(錫谷 学、向井 亮) 102
8.感染合併率と起因菌(土田英臣) 111
9.クマ外傷における看護ケア(佐藤大祐) 115
10.急性期の理学療法(大倉和貴) 120

第4章 Postvention 〔事後対応〕
1.後遺症について(土田英臣) 132
2.法医学からみたクマ外傷の特徴(早川 輝) 137

索  引 147
あとがき 150

Column
・クマ被害はもはや他人事ではない:秋田の教訓から学ぶ「新・三原則」 30
・クマ外傷は今や「災害」級 32
・クマ外傷と気候変動 34
・とっさの場面に利き手はあるか 45
・防御姿勢一考:クマの襲撃から生き残るために 46
・クマを刺激しない色、自分を守る色 48
・避難所における「対クマ備蓄」チェックリスト 50
・クマージェンシー・メディシン:漢方編 126
・クマージェンシー・メディシン:鍼灸編 128
・シン・飼いイヌは役立つか? 130
・鋼のメンタルを築く視点:逆境を乗り越える「20%」の正体 142
・逃げた先は「クマの牙城」か:震災・豪雨とクマ出没が重なる日の絶望 144
・秋田の街はフルコース:クマが山を捨て「街の味」を覚えた日 145
・昨今のマスコミ報道をめぐって 146

序文

序文

2025年に『クマ外傷』を上梓して以来、クマ類による人身被害は秋田県内のみならず、千葉県を除く本州全域へと拡大し、2025年には被害者総数が238名(環境省:野生鳥獣の保護及び管理、[https://www.env.go.jp/nature/choju/index.html](https://www.env.go.jp/nature/choju/index.html) より)と過去最多を更新した。秋田県内の被害者数は67名と全国最多を維持しており、「秋田県の憂鬱」は今なお続いている。前著は、オール秋田の体制でその現状を解説し、他都道府県での対策に寄与することを目的としていたが、幸いにも全国から大きな注目を浴びることとなった。

今回は、北日本で急増するクマ外傷の現状に鑑み、“オール北日本”の布陣で第一線にて活躍される諸先生方に執筆を仰いだ。まず、ヒグマ被害を精力的に報道されている北海道新聞の内山岳志氏には、ツキノワグマ被害との比較という観点から北海道特有のヒグマ被害についてご寄稿いただいた。これは道民のみならず、同地を訪れる多くの方々にとっても極めて有益な情報となるであろう。

今回の大きな特徴は、顔面外傷治療における地域ごとの知見を網羅した点にある。青森県での知見を弘前大学の漆舘聡志教授に、そして岩手県内のすべてのクマ外傷を一括して治療されている岩手医科大学での経験を野々口マリア先生にご解説いただいた。また、症例の多い四肢外傷については、前著でも好評を博した白幡毅士先生にさらに深掘りしていただいている。当科でクマ外傷を多面的に研究している土田英臣先生には感染と後遺症について概説してもらっている。加えて、前著で言及できなかった眼科(福島県の知見として錫谷学先生)、耳鼻咽喉科(椎名和弘先生)、歯科口腔外科(五十嵐秀光先生)、放射線科(森菜緒子教授)、法医学(早川輝教授)の各専門家による多角的な視点も盛り込んだ。

都市型クマの行動は年々変化しており、人身被害発生後の対応に留まらず、われわれはその変化を先取りした対策を講じなければならない。そのため、クマの生態については野生動物管理学の専門家である岩手大学の山内貴義先生に解説をお願いした。

秋田大学地方創生・産学連携地域防災減災部門の活動の一環として、猿田里音先生には、児童向けのスタンプラリーを活用した啓発活動を紹介していただくとともに秋田県内に留まらない全国的な校外学習への展開の可能性についても論じてもらった。また、DMAT隊員である山平大介氏に、秋田大学医学部附属病院で実施されたクマ出没対応訓練と組織対応について解説していただいた。石垣佑樹先生には、秋田県調査データを用いた防御姿勢の有用性について報告していただいた.

また、救急現場からリハビリテーションまで、救急隊員(救急救命士・高橋洋平氏)、看護師(Nurse Practitioner・佐藤大祐氏)、理学療法士(大倉和貴氏)ら多職種の知見を統合したことで、本書はクマ外傷の全容を解明する、他に類を見ない実践的な専門書となっている。

「大きなことを成し遂げるには、多くの人の力が必要である」ことを実感し、私自身も多くを学ぶ機会を得た。本書が医療従事者のみならず、さまざまな職域の方々、そして日常生活でクマへの不安を抱える皆様の一助となれば幸いである。

「秋田県の憂鬱」が「全国の憂鬱」にならないことを祈念して。


2026年6月

編著者 秋田大学医学部附属病院高度救命救急センター
センター長・教授 中永士師明

目次

第1章 クマ外傷の現状

①昨今のヒグマとツキノワグマの生息状況について

 ― 有害捕獲、人身被害および人里での出没状況に関する考察から―

  (山内貴義)

②人身事故からみるヒグマとツキノワグマの相違点

  (内山岳志)

③岩手県におけるクマ外傷の15年間

 ―147例の臨床像と4例の死亡例から見えた現実―

  (野々口マリア、髙橋純貴、高橋 学)

第2章 Prevention〔予防〕

①予測不能な動的脅威にいかに備えるか

 ― マニュアルなき脅威に「型」を創る:5段階フェーズ管理による組織対応―

  (山平大介)

②クマ外傷減災教育

 ―地域と医療が連携する新たなアプローチ―

  (猿田里音)

③防御姿勢について

  (石垣佑樹)

第3章 Intervention〔介入・治療〕

①救急隊出動時の留意点

  (高橋洋平)

②歯科口腔外科領域の治療

  (五十嵐秀光、髙野裕史)

③クマ外傷の画像所見

 ―特徴的損傷パターンと重症度評価―

  (森 菜緒子、畠山賢仁)

④耳鼻咽喉科の治療

  (椎名和弘)

⑤クマ外傷による四肢外傷における創部の特徴と感染予防を重視した初期治療

  (白幡毅士)

⑥形成外科領域の治療

  (漆舘聡志)

⑦クマ外傷による眼外傷の実際

  (錫谷 学、向井 亮)

⑧感染合併率と起因菌

  (土田英臣)

⑨クマ外傷における看護ケア

  (佐藤大祐)

⑩急性期の理学療法

  (大倉和貴)

第4章 Postvention〔事後対応〕

①後遺症について

  (土田英臣)

②法医学からみたクマ外傷の特徴

  (早川 輝)

索引

あとがき

Column

・ クマ被害はもはや他人事ではない:秋田の教訓から学ぶ「新・三原則」

・クマ外傷は今や「災害」級

・クマ外傷と気候変動

・「とっさの場面」に利き手はあるか

・防御姿勢一考:クマの襲撃から生き残るために

・クマを刺激しない色、自分を守る色

・避難所における「対クマ備蓄」チェックリスト

・クマージェンシー・メディシン:漢方編

・クマージェンシー・メディシン:鍼灸編

・シン・飼いイヌは役立つか?

・ 鋼のメンタルを築く視点:逆境を乗り越える「20%」の正体

・ 逃げた先は「クマの牙城」か:震災・豪雨とクマ出没が重なる日の絶望

・ 秋田の街はフルコース:クマが山を捨て「街の味」を覚えた日

・昨今のマスコミ報道をめぐって

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書籍情報

  • ISBN:9784880029498
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2026年7月
  • 電子版発売日:2026年7月10日
  • 判:A5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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