手術のための脳局所解剖学

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2008年5月
  • 電子版発売日 : 2026年7月30日
¥19,800(税込)
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商品情報

内容

頭蓋底外科に必要な局所解剖を著者自らのイラストと臨床経験により実践的に解説した。脳神経、血管、髄膜などの基本構造の知識を手術で活用できるようまとめた。

【注1】本ファイルのテキスト層は、自動光学文字認識(OCR)技術により生成されたものです。OCR処理の特性上、テキスト検索の完全性を保証しません
【注2】本書は2008年に刊行された書籍を新たに電子化したものであり、紙版書籍から内容に変更はございません

序文


本書は,手術に必要な頭蓋底部の外科解剖について脳神経外科医自らのイラストレーションにより実践的に解説したものです.一枚のイラストレーションの中に,系統解剖,外科解剖,発生学的解釈,文献的考察を可能な限り織り込みました.

頭蓋底部には腫瘍,脳血管障害,奇形,炎症などのさまざまな疾患が生じ,対応する診療科も脳神経外科,耳鼻咽喉科,眼科,頭頸部外科,形成外科,放射線科など多岐に亘ります. この分野の外科治療はすでに一世紀以上前から積極的に行われてきましたが, 1960年代に手術用顕微鏡の導入に伴って耳鼻咽喉科領域でまず飛躍的に発展しましたその後, CTやMRIなどの画像診断,微小外科解剖の知識の集積に伴い,脳神経外科においても急速な進歩を遂げています. この領域の手術は「頭蓋底外科」と呼ばれていますが,今や通常の頭蓋内疾患も頭蓋底部を経由すればより安全に手術できることが周知されるようなり,「頭蓋底外科」への興味の有無を問わず,多くの脳神経外科医はこの領域の発展の恩恵に浴しています.

頭蓋底手術の根幹の一つは解剖学的知識であり,実際の手術においては「見えているものの裏まで見える」透視的3次元空間認識能力が要求されます. この実践的な能力を高めるためには,系統解剖の理解のみならず, cadaverdissection courseへの参加エキスパートの手術の見学,詳細な画像検査の読影など,多方向からの接近が必要です.しかし, このために払った多大な努力にかかわらず,細かな構造までを隈なく記憶にとどめ, しかも実際の手術で適宜引き出すことは容易ではありません. これを補うためにナビゲーション等の統合的な手術支援システムが目覚ましい進歩をとげていますが,所詮は道具に過ぎず, これを使う術者の臨床的経験指数を高めることが何より大切です.

本書は,中外医学社の月刊誌「ClinicalNeuroscience」に2000年1月から2006年12月までの計84回に亘り連載された“手術のための脳局所解剖学”を,一部修正し手直しを加えて一冊にまとめたものです.そのコンセプトは,頭蓋底外科に必要な局所解剖を臨床経験と外科医自らのイラストレーションでより実践的に提示することです.従って,すべてのイラストレーションは著者の一人(馬場)の手によって描かれ,他の著者によって確認と修正作業が行われました.実践的な外科解剖の理解を助けるために,あたかもPenfieldの脳皮質機能図のように,重要な箇所をやや誇張したアナログ的なイラストレーションの手法を用いています.手術に重要な解剖は脳裏に刻み易いように誇張してあるため,現実と寸分も違わない写実的なイラストレーションとは異なることをお断りしておきます.

発生学的見地からのアプローチも外科解剖の理解には重要です.頭蓋底部の構造を深く知れば知るほど,脳神経,髄膜,血管系との間に規則性があることに気づきます.この規則性は,胎仔からの発生解剖を理解すればより容易に解釈できるようになります.頭蓋底の発生学については,文献的な考察を加えながらイラストレーションで示しました.

本書が,中外医学社よりすでに刊行され,好評を得ている「臨床のための神経機能解剖学」「臨床のための脳局所解剖学」と同様に,脳神経外科医のみならず,中枢神経系,頭蓋底に関与する研修医を含む実地臨床医に幅広くお役に立てれば幸いです.終わりに,本書の刊行を実現してくださった中外医学社「ClinicalNeuroscience」編集部西沢千鶴氏および編集スタッフの方々,連載中に退職された前スタッフの中田久夫氏,イラストレーションの作製にご協力頂いた大熊伸氏に深甚なる感謝の意を表します.


2008年3月

大畑建治

目次

前頭蓋底

1.骨構造と硬膜の血管支配 

2.前頭葉底面と嗅索 ・嗅球 

3.篩孔の膜構造と鼻腔粘膜 

4.副鼻腔 

5.Frontobasalapproachのための外科解剖

A.前頭蓋底と鼻腔への到達 

B.嗅機能を温存したアプローチ 

6.手術症例

A.蝶形骨平面髄膜腫 

B.化骨性線維腫 

眼窩

1.骨構造 

2.眼窩内の神経 

3.眼神経の分布 

4.眼動脈 

5.眼窩の静脈 

6.Transcranialapproachのための外科解剖 

7.眼窩先端部の外科解剖 

8.手術症例

A.視神経膠腫 

B.眼窩内海綿状血管腫 

中頭蓋底 ・海綿静脈洞

1.髄膜の構造

A.円蓋部での構造 

B.頭蓋底裂孔部での構造 

C.海綿静脈洞部の髄膜構造 

2.海綿静脈洞の概念

A.古典的概念とその変遷 

B.膜構造からの理解 

3.海綿静脈洞の発生

A.胎生期の海綿静脈洞 

B.海綿静脈洞の周囲の静脈の発育 

4.内頸動脈-海綿静脈洞瘻の治療 

5.海綿静脈洞上壁

A.上壁の構成 

B.前床突起周囲,動眼神経孔,滑車神経孔 

6.海綿静脈洞外側壁 

7.内頸動脈の分枝 

8.Orbitozygomaticepi-andsubduralapproachのための外科解剖 86

9.手術症例  中脳海綿状血管腫 

Meckel腔と三叉神経

1.三叉神経 

2.Meckel腔の発達と髄膜構造 

3.手術症例  三叉神経鞘腫 

4.三叉神経痛の発生機序と神経血管減圧術 

Dorello管と外転神経

1.Dorello管の概念 

2.外転神経の走行 

3.外転神経周囲の髄膜構造 

4.Dorello管内外の基本構造 

5.手術症例  外転神経鞘腫 

側頭骨

1.基本構造 

2.Translabyrinthineapproachのための外科解剖 

3.Anteriortranspetrosalapproachのための外科解剖 

4.拡大中頭蓋窩法のための外科解剖 

5.手術症例  聴神経腫瘍 

6.Posteriortranspetrosalapproachのための外科解剖 

7.手術症例  頭蓋咽頭腫 

頸静脈孔

1.骨構造 

2.髄膜構造と脳神経 

3.頸静脈孔に関わる静脈路 

4.Transjugularapproachのための外科解剖 

大後頭孔

1.骨構造 

2.動静脈と神経 

3.Transcondylarapproachのための外科解剖 

文献

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498128361
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2008年5月
  • 電子版発売日:2026年7月30日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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