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- 改訂2版 国循心臓リハビリテーション実践マニュアル
商品情報
内容
心リハの基礎知識から、プログラム、検査や運動、患者教育、症例提示と運動処方の実例まで、国循の実践をまるごと学べる。国循の患者教育資料も掲載。栄養状態・認知機能の評価、大動脈疾患の心リハなどの解説も加わり、連携についてもより詳しくさらに充実!
序文
改訂2版の序文:本書のねらいと特色
■1循環器診療のさらなる変貌と心臓リハビリテーション
2017年に本書「国循心臓リハビリテーション実践マニュアル」の初版が発行されてから9年が経過しました.初版の序文において,「わが国の疾病構造に大きな変貌が生じつつあり,今後は退院後の長期的多面的な疾病管理と運動介入の役割を果たす包括的外来心臓リハビリテーション(心リハ)へのニーズが高まると予想される」と述べました.確かに,わが国の高齢化率は直近10年間に約27%から31%へと上昇し,日本循環器学会・循環器疾患診療実態調査(JROAD)によると,2017年から2024年の間に全国で入院した急性心筋梗塞患者は7.3万人から8.3万人へ1万人の増加に対し,入院した心不全患者はそれより多く26.0万人から29.4万人へと3.4万人増加したのですが,同時期の心リハ新規患者数はさらに多く27.6万人から39.3万人へと実に11.7万人も増加しており,心リハのニーズがきわめて高くなったことが示されています.
しかし心疾患患者の心リハへの参加率の推移を見ると,入院患者の心リハ参加率は2010年頃の10~20%から2020年頃には40~50%へ大幅に上昇したものの,外来心リハ参加率は依然として2%前後の低値が持続しており(Circ Rep 2021;3:569-577; PLoS ONE 2023;18:e0294844),退院後の心リハ提供体制がニーズの高まりに対応できていない状況です.この要因として,遠方居住,通院・送迎困難,費用負担,外来心リハ実施施設の少なさ,遠隔心リハの普及遅れなどが挙げられますが,一方で,心肺運動負荷試験(CPX)結果に基づいて最高酸素摂取量増加と長期予後改善をめざして有酸素持久運動トレーニングを行う従来型心リハを追求するだけではなく,超高齢化に対応したADL向上・QOL改善・再入院防止・フレイル重症化予防をめざする新しい心リハモデルとその提供体制の構築が求められる時代に入ったと認識すべきと考えます.
■2本書改訂2版のねらいと特色
本書の初版は,国立循環器病研究センター(国循)において1992年の心リハ部門創設以来実践されてきた入院から外来に至る多職種チームによる体系的・包括的な心リハプログラムについて,長年にわたり蓄積してきた現場でのノウハウやプログラムの詳細な手順などを「国循心リハ実践マニュアル」として発行し,各方面で好評を得ることができました.初版から10年近くが経過し,近年の疾病構造の変化や治療法の進歩に対応する新しい心リハ実践内容を踏まえて,このたび改訂2版を発行することになりました.
今回の改訂2版の特色は,初版と同様,①入院から外来に至る体系的・包括的な心リハプログラムが時系列に沿ってわかりやすく記述されていること,②国循心リハで蓄積した多彩な症例とそれに対する運動処方が具体的に提示されていること,③国循の心リハ現場で実際に使用されている実施計画書・個別面接シート・患者向け説明文書・リーフレットなどの実例が豊富に掲載されていること,の3点に加えて,④新たな疾患(特発性冠動脈解離SCADなど)・治療(経カテーテル大動脈弁置換術TAVRなど)や最新のガイドライン・エビデンスに基づく記述を追加したこと,⑤高齢化を踏まえた新たな取り組み(フレイルクラス,栄養・認知機能評価,回復期リハ病院,医療介護連携など)を追加したことなど,現在の心リハ現場でただちに役立つ内容となっています.本書がわが国における心リハのさらなる普及と質の向上の一助となれば幸いです.
最後に,本書の執筆を担当いただいた国循心リハ部門スタッフおよびOBの皆様に感謝しますとともに,刊行に際して強力なご支援をいただいたメディカ出版担当者様に深謝申し上げます.
2026年6月
後藤葉一
本書を手に取ってくださった皆さんへ
2023年より国立循環器病研究センター心血管リハビリテーション科の責任者を務めております,村田誠と申します.このたび『改訂2版 国循 心臓リハビリテーション実践マニュアル』を上梓する機会を得ましたことを,大変光栄に存じます.
国循には,わが国における心血管リハビリテーションの模範となることが求められており,私たちは日々その責務を自覚し,診療・教育・研究に取り組んでおります.もちろん,そのすべてが十分に達成されているとは言い切れませんが,少しでも理想に近づけるよう,不断の努力を重ねているところです.
本書は,国循における心リハの実際を余すところなくお伝えできるよう心掛けて作成しております.特徴として,心リハのエビデンスの整理にとどまらず,各疾患の心リハの進め方や多職種が従事する組織体制,心リハの運営方法について具体的に記載した点が挙げられます.日常診療のなかで心リハの運用に悩まれる場面がありましたら,本書を手に取り,実践のヒントとしてご活用いただければ幸いです.
わが国では高齢化が著しく進行しており,国循が位置する大阪府北摂地域も例外ではありません.小生が国循に赴任してからの3年間だけを振り返っても,入院患者さんの高齢化が急速に進んでいることを実感しています.私たちはこうした状況を踏まえ,高齢患者さんに特化した心リハとして『フレイルクラス』を新たに立ち上げました.詳細は本書に譲りますが,従来の予後改善を第一の目標とした心リハから,日常生活動作の改善などを重視した目標設定が,症例ごとに求められる時代を迎えていると強く感じております.また同時に高齢化による筋力低下症例が増大しており,心リハの需要が以前にも増して増加していることも実感しております.
最後になりますが,1980~90年代に国循心リハの原点を創られた齋藤宗靖先生,後藤葉一先生から30年以上にわたり受け継がれてきた国循心リハを,さらに発展させていく所存であります.また,本書の作成に尽力された三浦弘之医師をはじめとする医師,看護師,理学療法士,公認心理師,管理栄養士,薬剤師の現在の心リハスタッフと国循OBの諸先生方,そして編集に多大なご支援を賜りましたメディカ出版の鈴木陽子氏に,心より感謝申し上げます.
2026年6月
村田 誠
目次
【1章 心リハについて知っておくべき基本知識】
■A なぜ心リハが必要なのか?
■B 心リハのエビデンス
■C 日本における心リハの現状と課題
【2章 心リハ実施の流れを見てみよう】
■A 国循心リハプログラムの概要と全体の流れ
■B 心リハ室エントリー以前(病棟での心リハ)
■C 心リハ室プログラム開始~退院まで
■D 退院前後(開始時CPX/退院時面接)
■E 外来心リハから3カ月プログラム終了まで
■F 3カ月プログラム終了・終了時面接・継続
【3章 運動負荷試験や身体機能・栄養評価法について知ろう】
■A エントリーテスト(トレッドミル歩行テスト)
■B 心肺運動負荷試験(CPX)の実施方法とレポート作成
■C CPXの結果をどう解釈するか?
■D CPX結果に基づく運動処方の決め方
■E 6分間歩行テスト・SPPB
■F 筋力・筋肉量・サルコペニアの評価法
■G 栄養状態・認知機能の評価
【4章 運動トレーニングの実際を見てみよう】
■A ウォームアップ/クールダウン・ストレッチ
■B 歩行運動
■C 自転車エルゴメーター
■D エアロビクス運動と外来集団プログラム
■E レジスタンストレーニング
■F フレイルクラス
■G トレーニング様式の選択・組み合わせと新たな様式
【5章 患者教育と指導をどのように行うか?】
■A 集団講義
■B 個別面接
■C 在宅運動療法指導
■D 脈拍数・心拍数測定指導
■E 心不全のセルフケア指導
■F 心リハにおける栄養指導と栄養療法
■G 心リハにおける服薬指導
■H 抑うつスクリーニング・心理サポート
【6章 疾病管理プログラムとしての心リハをどのように行うか?】
■A 疾病管理プログラムとは?
■B 冠動脈疾患の疾病管理プログラムと心リハ
■C 心不全の疾病管理プログラムと心リハ
■D 疾病管理プログラムとしての心リハの課題と将来展望
【7章 ケースでみる疾患別の心リハ:実施上の注意点と運動処方】
■A 急性心筋梗塞
■B PCI後
■C 狭心症(虚血残存例)
■D 心臓術後
■E 慢性心不全
■F 不整脈(心房細動・ペースメーカ植込み)
■G デバイス(ICD・CRT-D)植込み後
■H 肺高血圧症
■I 大動脈疾患
■J 下肢動脈疾患(LEAD)
【8章 特別な患者に対する心リハの実際】
■A 集中治療室の急性重症心不全患者
■B 静注強心薬投与中の慢性重症心不全患者:心不全病棟でのベッドサイド心リハプロトコール
■C 弁膜症カテーテル治療(TAVR・M-TEER)施行患者
■D 特発性冠動脈解離(SCAD)患者
■E 低栄養・カヘキシア合併心不全患者
■F 抑うつ合併の心不全患者
■G 植込型LVAD装着後患者
■H 心臓移植術後患者
【9章 心リハプログラムの運営】
■A 心リハチームにおける各職種の役割と協働
■B 心リハにおけるカンファレンスの実際
■C 心リハにおける医療安全と感染対策
■D 心リハ参加率・継続率の向上方策
【10章 心リハにおける連携】
■A 回復期リハ病院との連携
■B 維持期における運動施設との連携:地域における維持期心リハ
■C 心リハと医療介護連携・地域包括ケア
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書籍情報
- ISBN:9784840491396
- ページ数:296頁
- 書籍発行日:2026年7月
- 電子版発売日:2026年7月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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