ポケット版 創傷・褥瘡 全身管理マニュアル

  • ページ数 : 256頁
  • 電子版発売日 : 2026年7月29日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

【医師が現場で使える創傷・褥瘡治療の本】
創傷・褥瘡に関連するアセスメントツール、分類、薬剤や被覆材の一覧から、難治性創傷および関連する全身疾患の診断、治療まで網羅。創傷、熱傷、感染等における輸液管理についても詳述。医師・看護師・医療従事者が日常診療、ベッドサイド、手術、在宅で使える1冊。

序文

序文

1998年に日本褥瘡学会が設立されたのを機に,埼玉医科大学病院形成外科では積極的に褥瘡の診療・研究を開始しました.その後,生活習慣病の蔓延で糖尿病性足病変や末梢動脈疾患による下肢潰瘍も増加の一途を辿り,静脈性潰瘍,骨髄炎,壊死性軟部組織感染症を含めた難治性創傷が専門領域の柱になりました.

その間に,わが国は世界に類を見ない超高齢社会を迎え,創傷ケアや手術など局所治療だけで診療を完遂するのは不可能になってきました.今日,日常診療で向き合う患者の多くは,高齢で複数の基礎疾患を有し,さまざまな全身的問題を抱えています.局所治療の知識のみで問題を解決できる症例はむしろ少数となっています.

創傷・褥瘡診療は「創をみる医療」から「患者全体をみる医療」にパラダイムシフトしています.今後,高齢化に加えて人口全体が減少することから,医療需要の縮小は確実です.局所治療には習熟していても,患者全体をみられない医師やメディカルスタッフは淘汰される時代を迎えます.

そのような時代に対応できるよう本書を企画しました.第1章は創傷・褥瘡に関連するアセスメントツール,分類,薬剤や被覆材の一覧を集めました.本書を利用すれば,スマートフォンで検索するよりも早くアクセスできます.

第2章は「創傷の診断と治療」と題し,具体的な抗菌薬の使い方や専門家でも調べながら診療にあたるような項目を中心に掲載しています.

そして,第3章では創傷患者に対する包括ケアと全身管理について,実臨床で必要な知識を体系的にまとめました.本章の内容は創傷・褥瘡という切り口を離れてどのような患者にも役立ちます.例えば専門領域のスペシャリストとして活躍していた医師が,定年後にジェネラリストとして第2の医師人生を歩む際の基礎知識として有用なコンテンツでもあります.

実臨床で使いやすいよう抗菌薬一覧では商品名を内服薬と注射薬に分けて表示してあります.薬剤の表記は原則「商品名(一般名)」としました.日本の現場では,まだ一般名だけで情報共有するのは困難です.

埼玉医科大学病院で直接臨床を担っている精鋭に執筆分担を依頼しました.齋藤順平医師は形成外科専門医ですが,専攻医期間に日本内科学会認定内科医を取得し,形成外科スキルと内科的全身管理の両者を統合する次世代リーダーです.岡田 直医師は同じく統合的臨床能力の獲得を目指し,臨床の第一線で活躍する新世代の医師です.上野莉沙管理栄養士は当院でNSTや難治性潰瘍・栄養回診の実務を担当し,創傷治療医が最も信頼する栄養のプロフェッショナルです.

形成外科医・皮膚科医・在宅医をはじめ,創傷・褥瘡診療に携わるすべての医師,看護師,医療従事者にとって,本書が日々の診療の一助となれば幸いです.


2026年6月

埼玉医科大学形成外科 教授
市岡 滋

目次

【第1章 スケール・分類・薬剤等一覧】

■1 褥瘡

1.DESIGN-R(R)2020

2.リスクアセスメントツール

(1)Bradenスケール

(2)K式スケール

(3)OHスケール

■2 糖尿病性足潰瘍・末梢動脈疾患・静脈うっ滞性潰瘍

1.Wagner分類

2.Texas大学分類

3.神戸分類

4.WIfI分類とWIflスコア

(1)WIfI分類

(2)WIfIスコア

5.Fontaine分類

6.Rutherford分類

7.CEAP分類

■3 感染

1.NERDS:創表面に限局した細菌負荷の増大

2.STONES:創深部に至る感染

3.LRINECスコア

4.SOFAスコア/qSOFA

(1)SOFAスコア

(2)qSOFA

■4 その他のスケール

1.意識状態のスケール

(1)Japan Coma Scale

(2)Glasgow Coma Scale

2.日常生活自立度

(1)障害高齢者の日常生活自立度

(2)認知症高齢者の日常生活自立度

■5 主な外用薬・抗菌薬・創傷被覆材

1.外用薬

(1)外用薬の剤形

(2)基剤の種類と機能

(3)外用薬の選び方

2.抗菌薬

(1)概論

(2)適応

(3)治療戦略

(4)その他

[表]抗菌薬一覧

3.創傷被覆材

(1)基本原則

(2)感染評価と対応

(3)創形状への対応

(4)創周囲皮膚の保護

(5)交換頻度の考え方

(6)全身管理の重要性

[表]創傷被覆材・創傷保護材等一覧

■6 術前休薬が必要な薬剤と期間

1.抗血栓薬

2.経口糖尿病薬

3.降圧薬

4.ジギタリス製剤

5.向精神薬

【第2章 創傷の診断と治療】

■1 創傷,皮膚・軟部組織感染症の治療

1.創傷,皮膚・軟部組織感染症に対する抗菌薬の経験的処方

(1)一般的注意

(2)抗菌薬の経験的処方例

2.壊死性軟部組織感染症

(1)NSTIの診断:蜂窩織炎との鑑別

(2)NSTIの治療:抗菌薬

■2 骨髄炎の診断・治療

1.診断

2.治療

■3 真菌症の診断と治療

1.浅在性真菌症

(1)検査・診断

(2)治療

2.深在性真菌症

(1)ハイリスク

(2)検査

(3)診断

(4)治療

(5)治療効果判定

■4 神経障害性潰瘍,虚血性潰瘍,静脈性潰瘍の特徴

1.神経障害性潰瘍

(1)成因

(2)発生部位

(3)シャルコー足

2.虚血性潰瘍

(1)成因,発生部位

(2)Red ring sign

3.神経障害性潰瘍と虚血性潰瘍の鑑別

4.静脈うっ滞性潰瘍

■5 下肢血流の検査

1.足関節上腕血圧比

2.皮膚灌流圧

3.経皮酸素分圧

4.血管エコー

(1)下肢動脈

(2)下肢静脈

■6 末梢動脈疾患の薬物療法

1.末梢動脈疾患患者に対する内科治療の推奨事項

2.末梢動脈疾患患者の抗血栓療法

■7 包括的高度慢性下肢虚血における創傷治療の流れ

1.血行再建法の選択

2.治療前の検査

3.血行再建後の対処

4.創閉鎖手術

5.感染を合併している場合

■8 典型的ではない潰瘍の診断・治療

1.膠原病・血管炎に起因する潰瘍

(1)膠原病・血管炎を示唆する症状

(2)潰瘍患者における膠原病・血管炎のスクリーニング検査

(3)膠原病・血管炎の検査所見

2.壊疽性膿皮症

(1)診断

(2)治療

3. (先天性)表皮水泡症

4. (後天性)自己免疫性水泡症―天疱瘡・類天疱瘡

(1)天疱瘡

(2)類天疱瘡

5.有棘細胞がん

6.カルシフィラキシス

(1)病態と臨床像

(2)治療

(3)診断

7.偽Kaposi肉腫

(1)病態と臨床像

(2)治療

■9 血管炎・自己免疫疾患等による潰瘍に対するステロイド薬投与

1.初期治療

(1)局所投与

(2)全身投与

2.ステロイド薬減量の目安

3.ステロイド薬治療維持期

4.ステロイド薬投与による注意すべき副作用

■Topics 足関節ブロック

1.後脛骨神経

2.深腓骨神経

3.腓腹神経

【第3章 創傷患者の包括ケア・全身管理】

■1 輸液の基本

1.輸液の基本がわかるヒストリー

(1)ヒストリー

(2)使い方の基本

2.輸液の基本と処方例

3.輸液製剤の一覧

[表]等張電解質液一覧

■2 熱傷患者の輸液

1.熱傷患者に対する輸液の基本

2.輸液量の計算

■3 栄養管理

1.栄養スクリーニング

(1)MUST成人向け

(2)NRS-2002

2.栄養アセスメント

(1)褥瘡発生の危険因子となる低栄養状態を確認する指標

(2)GLIM基準を用いた低栄養診断

(3)埼玉医科大学病院で使用しているテンプレート

3.必要栄養量の算出

(1)エネルギーと蛋白質

(2)水分

(3)NPC/N比

4.適切な栄養補給方法の選択

5.栄養管理の実施:特定の栄養素の補給について

6.モニタリング,栄養補給方法,栄養量の見直し

■4 感染

1.肺炎

(1)HAP,NHCAPの診断

(2)胸部陰影の種類

(3)HAP,NHCAPの代表的原因微生物

(4)HAP,NHCAPの経験的治療

(5)多剤耐性菌のリスク因子

(6)心不全の合併に注意

2.尿路感染症

(1)膀胱炎

(2)腎盂腎炎

■5 循環器

1.心電図

(1)自動解析所見の着目ポイント

(2)ミネソタ・コード

2.心エコーの注目ポイント

(1)左室駆出率

(2)左室の大きさ

(3)左室の壁運動

3.薬剤注入速度の計算:γとは

(1)γとは

(2)γ (μg/kg/分)から (mL/時)への換算

4.頻脈・徐脈への初期対応

(1)頻脈

(2)徐脈

5.高血圧・低血圧への初期対応

(1)高血圧

(2)低血圧

■6 腎臓

1.腎機能の検査

(1)クレアチニン

(2)尿素窒素

(3)糸球体濾過量

(4)クレアチニンクリアランス

2.透析の導入基準

(1)急性腎不全

(2)慢性腎不全

3.造影検査に必要なチェック項目

(1)ヨード造影剤の副作用

(2)造影CT検査の可否を決定する腎機能障害の指標

4.腎機能低下・透析患者への投薬

(1)抗血小板薬・血管拡張薬

(2)抗菌薬

[表]経口抗菌薬―腎機能に応じた投与量一覧

[表]点滴静注抗菌薬―腎機能に応じた投与量一覧

(3)鎮痛薬

5.高カリウム血症への対処

(1)K高値を認めたら,再検して偽性高K血症を除外

(2)偽性高K血症の結果が出るまでは,心電図を測定し真の高K血症として対応

(3)K>6 mEq/L もしくは心電図変化を伴う高K血症

■7 凝固系

1.凝固系に関する検査

(1)プロトロンビン時間

(2)PT-INR

(3)PT比

(4)活性化部分トロンボプラスチン時間

(5)フィブリン/フィブリノゲン分解産物

(6)D-ダイマー

2.DICの診断基準

(1)急性期DICの診断基準

(2)全身性炎症反応症候群の診断基準

(3)抗凝固薬ワーファリンの投与方法

3.抗血小板薬・抗凝固薬を休薬した際の対処:ヘパリン置換

(1)ヘパリンの特徴

(2)ヘパリン置換の方法

■8 血糖値管理

1.血糖値目標

(1)糖尿病の血糖コントロール目標

(2)高齢者糖尿病の血糖コントロール目標

2.経口血糖降下薬一覧

3.経口血糖降下薬の薬物療法アルゴリズム

4.インスリン治療の基本的考え方

5.インスリン製剤の種類

[表]インスリン製剤一覧

6.インスリン治療の実際

7.スライディングスケール

8.低血糖時の対応

9.シックデイの対応

【コラム】

■1 ゲンタシン軟膏

■2 ゲーベンクリーム

■3 TDMとは

■4 抗菌薬のデエスカレーションとは

■5 抗菌薬投与の頻度表記

■6 小児・乳幼児における低血糖予防のための周術期輸液管理

・序文

・編者・執筆者一覧


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書籍情報

  • ISBN:9784840491631
  • ページ数:256頁
  • 電子版発売日:2026年7月29日
  • 判:新書判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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