結論からわかる抗菌薬

  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2026年8月
  • 電子版発売日 : 2026年9月2日
¥3,960(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 最大 72pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当
point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

現場で必要な知識を凝縮.結論からしっかりわかる抗菌薬の選び方
感染症に出合ったとき,どう考え,何を処方すべきかが結論からわかる!グラム染色と抗菌薬選択に基づいた,著者オリジナルの「細菌マップ」で原因菌のイメージを掴みながら,選ぶべき抗菌薬をわかりやすく解説します.さらに,現場でぶつかる「輸液製剤との相性は?」「院内在庫がないときは?」「抗菌薬を投与する順序は?」などの疑問に対し,実臨床で役立つリアルな作法も教えます.

序文

はじめに


臨床現場において大切な事柄は,ほとんどの場合で生理・薬理・病理という「3つの理」に集約されうる.例えば,人体臓器や各種システムの生理学的な理解なくしてその病理(= 疾患のふるまいや様相を指すもの)は紐解けないし,治療戦略を組み立てることもできない.薬理学的な思考なくして,患者に対して薬剤を用いるべきではないし,病理(= 細胞や組織検体を扱う病理検査という意味)を抜きに患者の病態を把握することは困難だろう.ところで,感染症診療を極めるためにはこれら「3つの理」に通じていれば,それで満足なのだろうか.

ここには重要な視座が抜けており,それは原因微生物からアプローチするという道筋である.感染症診療のトライアングルとして周知の「患者背景・感染臓器・原因微生物」であるが,検査技術が向上して画像検査にもアクセスしやすい日本では,患者背景や感染臓器の情報収集で困る場面は少ないと思われる.その反面,未曾有のコロナ禍を経て,もはやベッドサイドですみやかにグラム染色が実施できなくなった現代では原因微生物の情報収集が希薄になりがちであるという事実に直面している.過去の偉人が脈々と築き上げてきたナラティブや歴史から学ぶことは多いが,ひとたび断ち切られた文脈が再び息を吹き返すことは決して容易ではない.原因微生物への考察を省き,患者背景と感染臓器からのパターン認識に基づく短絡的な抗菌薬選択に甘んじ,ときにショートカットを企み,戦略なき抗菌薬治療へと堕落していく様への悲嘆と失望は,グラム染色といういわば「身体診察の1つ」である感染症診療の流儀に傾倒するわれわれのポジショントークではない.こらから先,5年,10年,50年後の現代医療の未来を見据えるとき,戦略的に抗菌薬を選び治療を組み立てていくことは,対象とする臓器や診療領域を問わず医療従事者の須く至上命題であると言える.

今回の執筆で前面に打ち出していることは「結論からわかる」であるが,それは患者背景と感染臓器からの短絡的なパターン認識を擁護するものではない.まず感じていただきたいのは,必ずしもグラム染色が活用できるとは限らず,原因微生物の情報収集が十分とはなり得ない状況で,それでもなお戦略的に抗菌薬を選んでいくための流儀である.例えば,知らない土地で自動車を運転するには地図帳のみならずナビゲーションシステムを利用するのが一般的であろうが,それと同様,不慣れで苦手な診療領域で適切な薬剤を選び治療を組み立てるうえで求められるのは「おおまかな道筋」を示すナビゲーションである.どんなに原理・原則に基づいた診療を力説したとしても,それがすべての施設とあらゆる場面で万能であり得ることは望めないが,この書籍を手にとっていただいた読者らが,それぞれの「現場に落とし込んだアウトプット」という形で戦略的抗菌薬選択を実践できるまでの小さな助けとなれるとすれば,それこそ感染症医冥利に尽きるというものである.


2026年8月 梅雨が明け,眩しい太陽が照りつける夏の盛りに

株式会社麻生飯塚病院 感染症科
山口裕崇

目次

はじめに

細菌マップの見かた

第1章 各疾患への抗菌薬治療

1 市中発症の肺炎(CAP)

2 院内発症の肺炎(HAP)

3 人工呼吸器関連肺炎(VAP)

4 市中発症の腎盂腎炎と前立腺炎

5 院内発症の腎盂腎炎と前立腺炎(CA-UTIを含む)

6 感染性心内膜炎(IE)

7 皮膚軟部組織感染症(蜂窩織炎と丹毒)

8 壊死性皮膚軟部組織感染症(NSTI)

9 胆管炎

10 胆囊炎

11 CD感染症(CDI)

12 市中発症の腸管感染症

13 腹膜炎(一次性と二次性と三次性)

14 カテーテル関連血流感染(CRBSI)

15 髄膜炎と脳炎

16 頭頸部感染症(風邪ではないもの)

17 感染巣不確定の敗血症

18 婦人科感染症(PID)

第2章 感染症診療について明文化されていない多くのこと

1 主たる輸液製剤との相性

2 電解質の考え方

3 他職種(看護師・薬剤師など)の手間

4 患者さんの負担(投与回数など)

5 薬剤供給と院内在庫

6 どこの施設でもとりうる選択肢か

7 溶解液の選択

8 体液量の考え方

9 内服薬へのステップダウン

10 ルート確保が困難なとき

11 抗菌薬を投与する順序

用語索引

薬剤索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:7.7MB以上(インストール時:18.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:30.7MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:7.7MB以上(インストール時:18.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:30.7MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758124560
  • ページ数:168頁
  • 書籍発行日:2026年8月
  • 電子版発売日:2026年9月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。