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- 免疫染色の達人が答えるトラブル解決Q&A100
商品情報
内容
Q&A形式であなたの「染まらない」を解決! 工程ごとに原因を切り分け,泥沼にはまる前に対処するコツを伝授します.現場を知り尽くした国内随一の技術者集団・ジェノスタッフ社のノウハウを結集した書籍の第2弾.
序文
序
『細胞・組織染色の達人』の初版発行から改訂版を経て,早いもので8年が経ちました.この間,私たちは組織染色についてお話しするさまざまな機会をいただき,多くの方々からご質問をお寄せいただきました.そのなかでも,特に多かったのが免疫染色に関するご質問です.
免疫組織化学染色(免疫染色)は,現在でも幅広い分野で活用されている重要な解析手法です.一方で,思うような結果が得られず,多くの方が試行錯誤されているのも事実です.「抗体を反応させれば染まる」「色がつけばよい」といった単純なものではなく,固定,包埋,薄切,スライド作製,抗体の選択,抗原賦活化,検出,画像評価に至るまで,それぞれの工程が最終的な染色結果に大きく影響します.そのため,経験豊富な研究者であっても,シグナルが出ない,バックグラウンドが高い,組織が剥がれる,再現性が得られないといった問題に直面することがあります.
本書は,これまで数多く寄せられた免疫染色に関するご質問をもとに執筆しました.器具の選び方や固定法の考え方,パラフィン包埋・薄切のポイント,抗体の選択と条件検討,バックグラウンド対策,コントロールの設定,さらには画像解析まで,私たちが受託試験の現場で培ってきた経験や知見を交えながら解説しています.
本書で一貫してお伝えしたいのは,「良い染色結果は染色工程からではなく,サンプル調製から始まる」ということです.どれほど優れた抗体や検出試薬を用いても,固定や包埋が適切でなければ目的分子を正しく検出することはできません.一方で,サンプル品質を高いレベルで維持できれば,多くの問題は未然に防ぐことができます.
本書が,これから免疫染色を始める方には実験の道標として,また経験豊富な研究者や実務担当者の方にはトラブルシューティングの手引きとして活用され,皆様の研究活動の一助となれば幸いです.
最後に,本書の監修を今回も快くお引き受けくださった九州大学の高橋英機先生,ならびに本書の企画・編集に多大なお力添えをいただいた高木亮輔様,蜂須賀修司様をはじめとする羊土社編集部の皆様,そして豊富な知識と経験をもとに本書制作にご尽力いただいた「第三の著者」ともいうべき科学編集者の早河輝幸様に,心より厚く御礼申し上げます.
2026年7月
山口典子,瀬野龍一郎
目次
第1章 事前の検討:手法の選択
Q1 器具は何を揃えればよいのでしょうか?
Q2 固定に関して,常に灌流固定を選択したほうがいいのでしょうか?
Q3 染色に用いる抗体の説明書に「凍結切片とパラフィン切片の両方が対応」と記載されているときはどちらを選択すればよいでしょうか?
Q4 ゼノグラフト組織でヒトとマウスの細胞を染め分けることは可能でしょうか?
Q5 マウスにヒト細胞を移植した組織で,ヒト由来のタンパク質のみを検出したいです
Q6 培養細胞を染色したいのですがどんな方法がありますか?
第2章 切片作製まで:解剖~固定
Q7 固定液はみんなが使っている4%パラホルムアルデヒドでいいですよね?
Q8 免疫染色用の組織の固定を4℃で行う方法もあると聞いたのですが,室温と比べてどちらがよいのでしょうか?
Q9 灌流固定が上手くなるポイントを教えてください
Q10 灌流固定後の浸漬固定の時間は,どのくらいがよいのでしょうか?
Q11 ホルマリン以外の固定液を使用しても染色できますか?
Q12 最近話題のグリオキサール固定液について,他の固定液との違いや選択方法などを教えてください
Q13 細胞培養したカルチャーインサートを使って凍結切片を作製すると,スライドガラスに貼り付けたサンプルが剥がれてしまいます
Q14 魚類など,マウス以外の生物の灌流固定はできますか?
Q15 ヒト組織の採取を行う場所に固定液を持ち込めない場合,どうすればよいですか?
Q16 ブロックの保存方法について教えてください
Q17 同じ組織を使って組織染色,遺伝子発現,タンパク質解析,酵素活性測定の試験を行いたいです.分解を避けるために組織固定を優先した方が良いですか?
第3章 切片の前処理:脱脂・脱灰,包埋,薄切
Q18 パラフィン包埋は一般的ないわゆる病理用の方法でよいのでしょうか?
Q19 エタノール~キシレン,パラフィンへの置換時間の目安を教えてください
Q20 灌流固定を行った組織片を凍結切片にするにはどうすればよいですか?
Q21 各工程の作業環境の温度は何℃がよいですか?
Q22 ブロックの薄切時は冷やして切った方がよいですか?
Q23 スライドの種類にはどのようなものがありますか? どう使い分けますか?
Q24 疎水性と親水性のスライドガラスで使用法に違いはありますか?
Q25 脳,脊髄の染色でAPSのスライドガラスを選択する理由は?
Q26 同じサンプルでもスライドガラスを変えると形や大きさが変わってしまうのですが,なぜでしょうか?
Q27 骨を含む組織の脱灰には,EDTA系の試薬と塩酸系の試薬とでどのような違いがあるのでしょうか?
Q28 脂肪が多い組織を免疫染色する場合の注意点を教えてください
Q29 切片の厚みは何μmがよいのでしょうか?
Q30 パラフィンブロック薄切時の湯伸ばしで,長時間お湯に浮かべてもシワが伸びないとき,どうすればよいでしょうか?
Q31 凍結切片をスライドガラスに貼り付ける際に,シワや気泡が入ってしまいます
Q32 切片の保存方法について教えてください
第4章 染色工程:抗体選び,染色法
1)抗体関連
Q33 目的の抗体がいろいろなメーカーから販売されていて,探し方と選び方がわかりません
Q34 同じクローンのモノクローナル抗体が複数の会社から販売されているときはどのような基準で選択すればよいのでしょうか?
Q35 検体と一次抗体の産生動物を変える理由は何ですか?
Q36 マウス組織を染色したいのですがどうしてもマウス抗体しか見つかりません.どうすればよいでしょうか?
Q37 非モデル生物で免疫染色を行うときの抗体の選び方は?
Q38 抗体の最適な濃度の条件検討はどのように行うのですか?
Q39 抗体の原液濃度が記載されていないときはどうすればよいのでしょうか?
Q40 一度染色に用いた抗体を回収して使い回せるのでしょうか?
Q41 抗体はドライアイスを入れて冷凍で輸送してよいですか?
Q42 アイソタイプコントロール抗体での染色は必要でしょうか?
Q43 目的タンパク質にタグを付加して発現させたいのですが,免疫染色で検出できるタグを教えてください
2)染色工程関連
Q44 染色工程ってどれくらいの時間がかかりますか?
Q45 冷蔵・冷凍していたブロックや切片を用いて作業するとき,どのように温度を戻せばよいのでしょうか?
Q46 分子病理は行わずHE染色のみの場合,切片の保存温度は室温でよいのでしょうか?
Q47 脱パラフィン前のベーキングは意味がありますか?
Q48 過酸化水素処理はなぜ行うのですか?
Q49 ブロッキング剤の種類と使い分けについて教えてください
Q50 色々なブロッキングがあるようですが何をすればよいでしょうか?
Q51 二重染色を行いたいのですが,明視野と蛍光のどちらが良いでしょうか?
Q52 発色法で二重染色をするときも,一次抗体は別々の動物から作られたものを使う必要がありますか?
Q53 発色法の二重染色で必要な条件検討について教えてください
Q54 同じ切片を二重染色するのと,連続切片またはミラー切片で染色するのと,どのように使い分ければよいでしょうか?
Q55 抗原賦活化を熱処理で行う場合,バッファーや処理条件はどうやって選べばよいのでしょうか?
Q56 骨,軟骨,内耳など硬組織のパラフィン切片が熱処理で剥がれてしまいます
Q57 マイクロウェーブで賦活化を行うとムラができてしまいます
Q58 一次抗体を反応させる温度は4℃と室温と37℃とで違いが出るのでしょうか?
Q59 検出法としてLSAB法/ABC法/イムノポリマー法のどれを選ぶべきですか?
Q60 最適なDAB染色時間の決め方を教えてください
Q61 発色を確認する時の顕微鏡の設定について教えてください
Q62 リン酸化抗体で染色する場合,PBSを使用してはだめなのでしょうか?
Q63 抗体反応後の洗浄液はTBSとPBSのどちらがよいのでしょうか?また界面活性剤は入れたほうがよいのでしょうか?
Q64 同じ抗体を用いて蛍光法と発色法で染色する場合,賦活化方法や抗体濃度は同じでよいのでしょうか?
Q65 カウンターステインは必要ですか?
Q66 封入を失敗しました.やり直し可能ですか?
Q67 アルカリホスファターゼ標識抗体を用いて発色させたシグナルが,封入したら消えてしまいました.なぜですか?
3)蛍光染色関連
Q68 同じ分子を発色と蛍光で観察したとき,見え方はどう違いますか?
Q69 蛍光法で二重染色を行う際の一次抗体の選び方について教えてください
Q70 蛍光観察を行う際は何色が良いですか?
Q71 組織中の蛍光タンパク質をそのまま観察できますか?
Q72 蛍光バーチャルスライドのメリット・デメリットについて教えてください
Q73 蛍光染色の場合,切片の厚みはどのくらいがよいのでしょうか?
Q74 封入剤の選び方,使い方について教えてください
Q75 蛍光染色のスライドはどれくらいの間保存できますか?
Q76 二重染色の時の色の組み合わせはどのように決めればよいですか?
Q77 自家蛍光が気になります…
Q78 DAPI染色がムラになってしまいます
Q79 TSA法とはどういった手法なのですか?
Q80 ジェノスタッフでは蛍光標識二次抗体は何を使っていますか?
4)その他の染色
Q81 蛍光免疫染色の後に周辺組織の情報を得る方法はありますか?
Q82 TUNEL染色の注意点を教えてください
Q83 線維化の評価方法について教えてください
第5章 結果の評価:検出感度,バックグラウンド,染色ムラ,画像解析・定量
Q84 初心者がやりがちなミスについて教えてください
Q85 ネガティブコントロール抗体でも色がついてしまいます
Q86 染まるブロックと染まらないブロックがあり,サンプル間のばらつきで困っています
Q87 はじめて行う染色なのですがシグナルが全く出ません.どこを確認すべきでしょうか?
Q88 今まで染まっていた系なのに染まらなくなってしまいました
Q89 非特異的発色を減らすにはどうすればよいですか?
Q90 ネガティブコントロールとポジティブコントロールは必須ですか?
Q91 染色条件を検討するにあたりポジコンのサンプルをどう準備したらよいですか?
Q92 異なる組織を同じ抗体で染色する場合,プロトコールは同じでよいですか?
Q93 シグナルが弱いのですがどう対処すればいいですか?
Q94 蛍光染色でバックグラウンドが高いのですが,どうすれば改善できますか?
Q95 組織の周辺部でバックグラウンドが強く染まってしまいます
Q96 メラニンが多い組織で免疫染色を行いたいです.組織由来の色素とDAB染色を区別したいのですが,どうすればよいでしょうか?
Q97 免疫染色の染色ムラを改善する方法を教えてください
Q98 使ってみたけれどもうまくいかなかった試薬や器具はありますか?
Q99 思ったようなシグナルが得られないときの諦めどころはどこですか?どこまで条件検討すればよいのでしょうか?
Q100 蛍光強度の定量について,異なる検体間での相対化をどのように行えばよいのでしょうか?
Q101 DAB染色の茶色のシグナルだけを抽出することはできますか?
Q102 画像解析を行う際,1つのサンプルから1断面の解析で十分ですか?
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書籍情報
- ISBN:9784758122894
- ページ数:185頁
- 書籍発行日:2026年9月
- 電子版発売日:2026年9月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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