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- “なんとなく”で終わらせない医療者のための性教育
商品情報
内容
医療者であっても性知識が曖昧なまま現場に立つ現状に対し、泌尿器科医×助産師のタッグで「性のリアル」を偏りなく網羅。学校や職場で学び直す機会のなかった知識を多角的に届けることで、医療者自身が自分の体に向き合い、患者を支え、次世代へ伝えるための必携書。
※以下の図表は許諾の関係により掲載しておりません
P192 表 Aging Males’Symptoms(AMS)スコア 日本語訳試案(札幌医科大学医学部泌尿器科)
序文
序 文
私たち医療者は、人の身体や健康に関わる仕事をしています。しかし、その身体や健康のなかに当然含まれているはずの「性」について、私たちは十分に学び、語ってきたとは言い切れないのではないでしょうか。どこかで「なんとなく大切」と感じながらも、正面から学ぶ場は少なかったように思います。
私は泌尿器科医として、排尿障害の診療に携わるなかで、性機能に関する相談にも向き合ってきました。排尿と性は、どちらも身体の機能であると同時に、生活の質や尊厳、自己肯定感に深く関わり、臨床の現場でも密接に結びついています。にもかかわらず、性は医療のなかで十分に取り上げられず、扱いにくいテーマとして残されてきたように感じます。
性について考えるとき、そこには医学だけでなく、一人ひとりの人生や価値観、文化的背景も関わってきます。そのため、医療者には科学的知見を基盤としながら、多様な背景を理解し、それぞれの人を尊重して向き合う姿勢が求められます。本書は、そのような視点を大切にし、現時点で得られている科学的知見に基づいて構成されています。
性は思春期から高齢期まで、誰にとっても身近なテーマです。性に関する悩みは病気だけでなく、自分の身体への不安や、相談のしにくさ、正しい知識に触れる機会の少なさから生じることもあります。医療者が十分な知識と適切な姿勢を身につけることは、患者さんや相談者が一人で抱え込まないためにも大切です。
本書の監修を通じて、助産師をはじめとする多職種の方々の文章に触れました。そこには、疾患を診るだけではなく、その人の生活や人生を支える視点があり、性を扱ううえでその大切さを改めて感じました。本書が、医療者自身の学びを深め、患者さんや相談者へのよりよい支援につながることを願っています。
2026年7月
監修 名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院 泌尿器科 教授 青木芳隆
序 文
性に関する情報は世の中にあふれています。しかし、どの情報を信頼すればよいかわかりづらいため、誤った知識や偏った情報を信じてしまうことがあります。その結果、正しい性の知識を身につけられないまま今に至っている人が多いのではないでしょうか。
近年は、性について学ぶことの重要性が認識されるようになり、学校現場での「性教育」が注目されています。ただし、学習指導要領には「妊娠の経過(性交)は取り扱わない」とする「はどめ規定」があり、現在も学校の性教育では性交そのものについて扱うことが難しい状況が続いています。その結果、性交に関して誤った知識や、極端な知識不足に陥り、将来的に性機能障害やパートナーとの関係悪化などの問題につながるおそれがあります。
また、性に関する知識を得ることが難しいのは医療従事者も同様です。本来であれば医療従事者として知っておくべき内容も、体系的に学べる機会は非常に限られています。患者さんから性に関する質問を受けても十分に答えられないと感じ、性に関する話題を避けてしまう医療従事者も少なくありません。
本書は、「性教育」をテーマに、性に関する幅広い知識が得られるように構成されています。泌尿器科医、産婦人科医、助産師などがそれぞれの立場から執筆しています。「性教育」という言葉から受ける印象や内容は立場によって大きく異なると、私自身もあらためて学びました。それだけ「性教育」というテーマには多様な側面があるのだと感じています。
本書を手に取っていただくことで、これまで知りたかった性に関する知識が得られ、医療現場で少しでも役立てていただければうれしく思います。そして、何よりも「性」について正しい知識を身につけることで、自分自身や周囲の人を大切にでき、穏やかな気持ちで毎日を過ごせるよう願っています。
性に関する正確な知識を得ることは、すべての人にとって大切な課題です。本書が、その第一歩となることを心から期待します。
2026年7月
編集 ながら泌尿器科 院長 尾崎由美
序 文
性はなぜ、こんなにもタブー視され、恥ずかしいものとして捉えられているのだろう。私はずっと、この問いを抱えてきました。
助産師としてハイリスク妊娠・分娩を扱う病院に勤めた約16年間。14歳の若年妊婦の出産。毎日のように行われる中絶処置。母親に一度も抱っこされないまま、乳児院へ送られる赤ちゃん。信じられないような現実を、ずっと見てきました。
なぜこんなことが起こるのか。我が子がこうならないためには、どうしたらいいのか。答えを探し続けて、たどり着いたのが性教育でした。
学んで初めて知ったのは、海外では教育カリキュラムに組み込まれている性教育が、日本では十分に行われていないという現実でした。学校で教えてもらえないのなら、家庭で伝えるしかない。私は我が家の日常のなかに、性教育を取り入れていきました。おかげで子どもたちは自己肯定感が高く、「自分は最高」という自信を持って生きています。そして変わったのは、子どもだけではなく、私自身が、自分を愛することに蓋をして生きてきたと気づいたのです。性教育を学ぶことは、その蓋を取っ払い、ありのままの自分に返っていくことでした。「私は私のままで素晴らしい」。今は、この言葉でブレずに生きることができています。
性教育は、性のことを伝えるだけの学びではありません。自分の体と心を幸せにする方法を学ぶ、人生の必修科目です。体や心のことを堂々と話せることが、自分を大切にする第一歩になり、学べば学ぶほど、こんなにも生きやすくなるのかと驚くはずです。
本書には、産婦人科や泌尿器科をはじめ、それぞれの専門領域の知見が横断的に集められています。これほど多角的に性教育を扱った本はありません。どの頁からも、臨床の現場ですぐに活かせる知識と実践のヒントを受け取っていただけるはずです。
事前の一手は、事後の百手に勝る。
性教育は、方向に事前の一手です。
臨床で「事後」に立ち会い続けてきた私たち医療者だからこそ、届けられる「事前の一手」があります。本書を通して、性教育の実際に、ぜひ触れてみてください。
2026年7月
編集 福岡妊娠産後子育て支援助産師Your Midwifeじん 代表 中島仁美
目次
【1章 この本を医療者に読んでほしい理由】
■漫画 なんでいまさら性教育?
■1 医療者に向けた性教育の重要性(泌尿器科医の立場から)とこれからの医療者に求められる「性への向き合い方」
■2 自分を大切にするということ(泌尿器科医の立場から)
■3 医療者に向けた性教育の重要性(助産師の立場から)とこれからの医療者に求められる「性への向き合い方」
■4 自分を大切にするということ(助産師の立場から)
【2章 知っているようで知らない性についての問題】
■漫画 性病検査はカップルで!?
■1 性感染症―医療者が「知っているつもり」で終わらせないために
■2 性感染症(ワクチン予防、風俗店の問題)
■3 性的同意(NOと言うことの大切さ)と性暴力(問診でわかるサインや対応、被害を受けた人のケアをした人の体験談)
■4 若年妊娠と社会的背景(教育格差・貧困・ 虐待歴との関連)
■5 LGBTQ+と多様性:「あたりまえ」はあたりまえ?
■6 性的マイノリティが医療機関で直面する壁
■7 医療現場で遭遇するハラスメント
【3章 男女ともに足りない性教育の「空白地帯」】
■漫画 ネットの情報をうのみにしないで
■1 女性からみた性交渉:「正解」のない戸惑いとコミュニケーション
■2 月経について教わったのに、性行為の話はされていない
■3 射精について習ったのに、コンドームの正しい使い方は知らない
■4 女性のPMSとPMDD:医療者に必要な知識と支援法
■5 男性性機能障害の悩み(早漏、遅漏、勃起不全などの悩み)
■6 女性性機能障害(性交痛、性欲障害など)
■7 男性の身体のイメージとコンプレックス
■8 女性の身体のイメージとコンプレックス:若年女性のやせとボディイメージ
■9 AV・SNS・ネット情報と現実のギャップ
【4章 正しい理解・選択ができるようになるための話】
■漫画 緊急避妊薬?それともピル?
■1 性欲とホルモン:知っておきたいメカニズム
■2 ピル・緊急避妊薬・コンドームの基礎と使い分け
■3 緊急避妊薬をめぐる問題と現状
■4 男性更年期障害への理解を深める
■5 女性更年期症状への理解を深める
【5章 医療者のライフプランと「自分の性」】
■漫画 予定外の妊娠。自分のキャリア、いつ考える?
■1 妊娠・出産とキャリアの折り合い:医療職の現実
■2 妊娠を丁寧に、大切に考えるために
■3 大人(養育者)と子の愛着形成:成育歴の視点から性を捉え直す
■4 不妊治療
■5 将来、子どもに伝えるときに役立つ知識の備え(親子関係の重要さ)
【6章 医療者から性教育を広げるために】
■漫画 “正解”って何だろう?
■1 地域の中学校・高校での講演活動の実際(助産師の視点から)
■2 地域の中学校での講演活動の実際(泌尿器科医の視点から)
■3 保護者へ伝えたい性教育
■4 病院・クリニックでできる性教育的な取り組み(助産師の視点から)
■5 おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784840491730
- ページ数:272頁
- 書籍発行日:2026年9月
- 電子版発売日:2026年9月14日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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