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- 職場での ナースの“伝わる”フレーズ集
商品情報
内容
ちょっと言い方を変えるだけで、先輩・後輩・ドクターとのやりとりが驚くほどスムーズに。頼む・断る・聞き返す──気をつかいがちな場面で、そのまま使えるフレーズをパッと提示。NG例との対比で違いも納得。「どう言えばいいの……」と迷ったとき、すぐに答えが見つかる1冊!
序文
はじめに
とある町に、総合病院で働く6年目の看護師がいました。28歳。プリセプターやリーダー業務を任されるようになり、やりがいを感じる一方で、胸の奥にはずっと消えない悩みがありました。病棟にいる高圧的な医師の存在です。新人のころに大目玉をもらって以来、苦手意識をかかえたまま現在に至ります。「克服しなくちゃ」と思いながらも、日々の忙しさに流され、向き合う余裕がありませんでした。
手強い相手は医師だけではありません。令和の時代になっても、厳しい指導こそ正義だと信じて疑わない先輩たちがいます。「そんなやり方で育つの?」「新人が育たないのは、あなたの責任!」と責められ、心はすり減るばかり。内心では「そんなに言うなら、あなたが育てればいいのに」と思うものの、言葉にできません。言えば何倍にもなって返ってくることが目に見えているからです。
なにか役立つコンテンツはないかと、教育系のSNSや専門書を読み漁りました。しかし、どれも抽象的で、いまひとつうまくいきません。「こんなときには、こう言えばいいよ」と、現場の温度感に沿って助言してくれる指南書はないものか─そう思いながら過ごしていました。
そんなある日、院内のロッカーで久しぶりに同期と再会しました。他病棟で働く彼女は、いつもキラキラしています。私となにが違うのだろう。環境に恵まれているのか? いや、あの病棟にも高圧的な医師や手強い先輩がいる。むしろ、うちより強い。では、彼女はどうやって彼らとコミュニケーションをとっているのか。どこでその技術を学んだのか。悶々と考えても答えは出ません。思い切って本人に聞いてみようか─そんなときに出会ったのが、この書籍でした。
「なるほど、そういうことだったのか」
読み進めるうちに、自分の課題が少しずつ見えてきました。まずは出来事のとらえ方や自分の気持ちの整理が必要なのだと気づきました。本書には、執筆者たちの思考の流れがていねいに書かれており、それを追いながら読むことで、目の前の霧が晴れていくような感覚がありました。
「私、できるかもしれない」
そう思えた瞬間から、毎日1つだけ小さな挑戦を始めました。すると、驚くほど変化が訪れました。
「あれ、なにかがいつもと違う」
「あの高圧的な医師も、手強かった先輩も、反応がやわらかくなってきた」
「私、少し信頼されているかもしれない」
変化は、自分より若い世代にも広がりました。看護学生や新人、後輩たちが、以前より生き生きと働き始めたのです。ある日、こんな言葉をもらいました。
看護学生「実習、ありがとうございました。私、この病棟に就職したいです」
新人看護師「先輩がプリセプターでよかったです」
胸が熱くなる瞬間でした。
本書には、具体的なフレーズが数多く書かれています。「これならできそう」と思える1つを選び、挑戦できたことで、行動のハードルが下がりました。そして行動を重ねるうちに、自分のなかにあった“こうあるべき”“こうあらねば”という凝り固まった信念にも気づきました。いつもと違う結果が得られると、それらの信念は少しずつほぐれていきました。いまとなっては、なぜあんな考え方をしていたのか不思議に思うほどです。
コミュニケーションが変わると、仕事のしやすさも変わります。“あの人がいる”と思うだけでつらかった出勤が、いまでは「今日はどんなアプローチを試そうか」とワクワクする時間になりました。仕事のストレスが減ったからか、私生活も驚くほど円満です。家族との関係もよくなりました。職場で使っているコミュニケーションスキルを家庭にも応用しているからです。人は一生成長するといわれますが、成長実感を得ながら働けることが、こんなにも楽しいものなのだと感じています。
─編著者の内藤です。
このたびは、拙著を手にとつていただき、本当にありがとうございます。先ほどの28歳の看護師と同じような体験を、あなたにもしてほしいと願いながら執筆しました。
ちょうど6年目前後の看護師さんたちは、コロナ禍に学生時代を過ごし、入職してきた世代です。臨地実習が学内実習に切り替わり、ベッドサイドにいられるのは15分だけ、患者さんから1m離れるなど、制限の多い環境で学びました。黙食が続き、他者とコミュニケーションをとる機会は圧倒的に減りました。2026年のいまもなお、マスクが強いられる医療現場は存在します。
このような状況下で、コミュニケーションに苦手をかかえる中堅看護師は少なくありません。いや、全世代・全職種に共通する課題かもしれません。重大な医療事故の約7割はコミュニケーションエラーが関与しているとされています。コミュニケーションは、患者安全に直結する重要な専門技術なのです。
今回、全国から選りすぐりの“コミュニケーションの達人”を集めました。彼らは臨床現場で「言葉の力」を使い、チームを動かしてきた百戦錬磨の先輩たちです。状況判断、言葉選び、伝えるタイミング、相手の性格やチームの空気─それらを的確にとらえた伝え方が、余すところなく書かれています。具体的なフレーズだけでなく、達人の思考を追随しながら読める構成になっており、表層的なコミュニケーションから一歩抜け出すことができるはずです。
本書は4部構成です。Part1は先輩、Part2は後輩や学生、Part3はドクター、Part4は職場全体のコミュニケーションについて書かれています。どこから読んでも構いません。気になる一節から読み進めてください。
昔は、こうした処世術を教えてくれる先輩がいました。しかしいまは、ハラスメントをおそれて伝えづらい時代です。本書が、あなたの背中をそっと押す存在になれたらうれしく思います。迷いながら進む姿こそ、看護のプロフェッショナルです。小さな挑戦を積み重ねてみましょう。あなたの言葉は、必ず誰かを支えます。この1冊が、その言葉を磨く旅の始まりになれば幸いです。全国から応援しています。
2026年8月
執筆者を代表して
内藤 知佐子
目次
Part 1 対先輩 「角を立てずに」自分の主張を通しやすくする伝え方
1 理不尽な指摘を受けたときのフレーズ――冒頭の一言がこじれを防ぐカギ!
2 無理な業務を頼まれたときのフレーズ――協力的に調整する姿勢が必要!
3 「前にも言ったよね?」と言われたときのフレーズ――ムキになったら負け!
4 申し送りで詰められたときのフレーズ――「次にどうするか」を伝えればOK!
5 師長に改善提案するときのフレーズ――不平不満に聞こえないような工夫が必要!
6 自分のミスを報告するときのフレーズ――「だからなに?」と思わせたら一巻の終わり!
7 ネガティブな評価を受けたときのフレーズ――それ、“伸びしろ”に変えられます!
Column 先輩の言葉との付き合い方
Part 2 対後輩・学生 「怒らずに」確実に動いてもらう伝え方
1 ミスを指摘するときのフレーズ――「なぜ?」「どうして?」を封印するのがカギ!
2 急な仕事をお願いするときのフレーズ――かかえている業務の状況確認が必須!
3 何度も同じことを聞かれたときのフレーズ――「前にも言ったよね」はNG!
4 成長につながるように承認するときのフレーズ――まずは相手の観察が不可欠!
5 言い訳ばかりしているときのフレーズ――オウム返しでバリアをほどくのがポイント!
6 指導しても響かないときのフレーズ――伸びしろに光を当てる言葉選びが必要!
7 報連相を徹底させたいときのフレーズ――先にタイミングを伝えておくとスムーズ!
Column ②「最近の新人はわからない!」と思ったら読む話
Part 3 対ドクター 「びくびくせずに」 信頼を勝ち取る伝え方
1 不機嫌オーラを出している相手に声をかけるときのフレーズ――大事なのは気遣いの言葉より、用件の短さ!
2 深夜にドクターコールをするときのフレーズ――結論ファーストで相手を迷わせないことが最優先!
3 指示を再確認(復唱)するときのフレーズ――相手の負担をできるだけ軽くすることが大切!
4 患者さんのケアを提案するときのフレーズ――「一緒に考えたいという姿勢」が功を奏す!
5 あいまいな指示に対応するときのフレーズ――選択肢で答えを絞り込む技術が必要!
6 処置中に突然の依頼を受けたときのフレーズ――“はい喜んで”の精神がカギ!
7 ベテランドクターに進言するときのフレーズ――敬意こそ、最強のコミュ力!!
8 急変時に報告するときのフレーズ――短く的確に伝えることを意識すべし!
9 診察の催促をするときのフレーズ――してほしいことを具体的に伝えるのが大事!
Column ③ ドクターとナースが見ている世界は少し違う
Part 4 対 職場全体 「空気を整えて」仕事をしやすくする伝え方
1 申し送りで「で?」と言わせないフレーズ――理解しやすさの要点は“結論ファースト”!
2 ナースステーションがピリついているときのフレーズ――クッション言葉を忘れずに!
3 リーダーとして無理をお願いするときのフレーズ――一緒に乗り越える姿勢が効果的!
4 急変時にチームの統率をとるときのフレーズ――指示は「短く・指名して」で十分!
5 苦手な人に歩み寄りたいときのフレーズ――仕事の一言を積み重ねるのがポイント!
6 他職種と行き違ったときのフレーズ――認識のズレを立て直す一言がカギ!
7 ケアマネ・MSWと情報共有するときのフレーズ――専門用語を手放し、「生活」を語ろう!
Column ④ 職場の空気は誰がつくる?
おわりに
巻末付録
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書籍情報
- ISBN:9784840491761
- ページ数:160頁
- 書籍発行日:2026年10月
- 電子版発売日:2026年9月19日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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