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- 食べ物と健康Ⅳ 調理学 食品の調理と食事設計 第2版<Visual栄養学テキスト>
商品情報
内容
調理の意義は,栄養性・安全性・嗜好性を向上させることにある.本書では,多様な調理の操作と個々の食品を調理学的な視点から,丁寧に解説.日本食品標準成分表(八訂)増補2023年に準拠し,各食品の栄養成分,特性をふまえて,丁寧に解説.
序文
はじめに
調理は,人間に特有の営みである.生の食べものは,咀嚼や消化に多くの時間とエネルギーを要するが,人類は火を利用し,食品を調理することによって,より効率よく栄養やエネルギーを利用できるようになった.生物人類学者リチャード・ランガムは,著書『火の賜物―ヒトは料理で進化した』の中で,調理によってエネルギー獲得効率が向上したことにより,人類の脳の大型化や消化器の縮小をもたらし,人類の進化の方向を大きく変えたとする興味深い仮説を提唱している.一方,フランスの文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースは,料理を自然から文化への移行を象徴する営みとしてとらえ,調理が人類の文化形成において重要な意味をもつことを示した.このように,調理は,食品を単に「食べられるもの」に変える技術ではない.第1章「調理の役割」にも記しているとおり,調理とは,おいしさを引き出し,安全性を高め,食品中の栄養をより効率よく利用できるようにするとともに,食文化を育む科学である.
本書は,多様な調理操作と食品について,調理科学の視点から体系的にまとめたものである.本書を手にする学生のみなさんは,主として管理栄養士を志し,日々勉学に励んでおられることと思う.現代社会では,生活習慣病や高齢化,食環境の変化など,食と健康を取り巻く課題はますます多様化している.人々の健康の維持・増進や疾病の予防・回復について食を通して支える管理栄養士には,科学的根拠に基づいた知識と実践力が求められている.そのためには,食品学,栄養学,生理学など幅広い知識を結び付けながら,調理を科学的に理解することが重要である.
食品ごとの特性や調理操作については,できるだけ簡潔で理解しやすい表現を心がけるとともに,食品成分の変化や調理による現象を科学的に解説した.また,個々の食品を科学的に理解するだけでなく,ヒトの生理学やライフステージにおける食嗜好,食形態とのかかわりについても触れ,実践的な知識を身に付けられるよう章立てを工夫している.第2版では,近年の調理科学,食品科学および栄養学の進展をふまえ,記述内容や図表を全面的に見直した.また,管理栄養士国家試験の出題傾向の変化に対応し,掲載する過去問題についても適宜更新を行い,より効果的に学習できる内容となるよう改訂した.
調理学は,人々の食生活に最も身近な学問の一つである.本書が国家試験勉強の強力なサポートをするのと同時に,日々の食事に隠された壮大な科学の世界を楽しむきっかけになれば,幸いである.ご多忙のなか,ご執筆にご尽力いただいた先生方に心よりお礼申し上げます.
「新しい星を発見するよりも新しい料理を発見するほうが人間を幸せにするものだ」(ブリア=サヴァラン)─この言葉を調理学を学ぶ皆さんへのエールにかえて.
2026年9月
編者 山崎英恵
目次
1章 調理の役割
1 調理の目的と意義 (山崎英恵)
1 調理の目的
2 調理の意義
2 調理と嗜好性:おいしさの構成要素 (中野久美子)
1 おいしさと食品の機能
2 人間の五感と五基本味
3 おいしさと味覚,嗜好性
4 おいしさの要因抽出
5 おいしさの概念とおいしさを分析・評価する方法
6 おいしさの4つの構成要素
3 嗜好性の主観的・客観的評価 (朝見祐也)
1 客観的評価
2 主観的評価
3 客観的評価と主観的評価との関係
2章 調理操作の理論と特性
1 非加熱調理 (橋本多美子)
1 操作の理論と特性
2 調理器具(包丁,まな板の使い方)
2 加熱調理 (野口聡子)
1 操作の理論と特性
2 代表的な加熱用機器の特性
3 加熱調理に用いられる調理器具(鍋)の特性
3 調味操作 (野口聡子)
1 甘味料
2 塩味料
3 酸味料
4 その他
4 化学的な調理 (朝見祐也)
1 発酵を利用した調理操作・食品加工技術
2 凝固反応を利用した調理操作・食品加工技術
3 その他の化学的な調理操作・食品加工技術
3章 調理と栄養
1 調理による食品の組織・物性と栄養成分の変化
1-1 植物性食品
a 米 (原 知子)
b 小麦
c その他の穀類
d いも及びでん粉類
e 砂糖及び甘味類
f 豆類
g 野菜類
h 果実類
i 種実類
j きのこ類
k 藻類
1-2 動物性食品 (宮本有香)
a 卵類
b 乳類(乳,乳製品)
c 食肉類
d 魚介類
1-3 その他(油脂類,ゲル化材料,調味料類,香辛料,嗜好品) (平島 円)
2 調理による栄養学的・機能的利点 (岡﨑史子)
1 調理による安全性の向上
2 事制限などがある人への調理による工夫
3 調理による栄養価などの変化
4章 食事設計と献立作成
1 食事設計の意義・内容 (田丸淳子)
1 食事設計の意義
2 食事設計の内容
2 献立作成 (田丸淳子)
1 献立とは
2 献立作成に必要な基準の設定
3 献立作成手順
4 献立作成後の評価と修正
5 献立作成のシステム化
3 供食・食卓構成・食事環境 (湯川夏子)
1 供食と食卓構成
2 供応食の料理様式
3 日常食の食卓構成
4 行事食と郷土料理
5 食事マナー
6 食事環境
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書籍情報
- ISBN:9784521752105
- ページ数:176頁
- 書籍発行日:2026年9月
- 電子版発売日:2026年9月25日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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