医師国家試験問題で学ぶ 病理 深掘り教室

  • ページ数 : 280頁
  • 書籍発行日 : 2026年9月
  • 電子版発売日 : 2026年10月1日
¥5,940(税込)
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商品情報

内容

医学生にとって、膨大な疾患名や「どれも同じに見えるピンクと紫の組織像」など、病理学は苦手意識を持ちやすい科目です。しかし、実はその静止画の向こう側には「なぜその症状が現れ、どう経過するのか」という病態の論理が刻み込まれており、実際の臨床現場と密接に繋がっています。本書は、「試験問題を通じて病理にふれる」をコンセプトに発信してきたウェブサイト『病理の広場』と、医学生・研修医向け病理コミュニティ『PathPort-J』のコラボから誕生。「医師国家試験問題」を出発点とした、試験対策に必要な標準的知識がしっかり網羅されています。最大の特長である対話形式の「深掘りタイム」では、3名の病理医がライブ講義さながらの空気感で、病理医の悩みや臨床医の動き方など、現場のリアルへと知識を繋げます。単なる暗記にとどまらず、研修医になってからも強力な武器となる「生きた知識」が楽しく身につく一冊。試験対策に追われる学生も、病理を学び直したい研修医も、臨床に直結する“病理深掘り”の旅へ出かけましょう!

序文

はじめに


この本を手に取っていただき、ありがとうございます。

さて、皆さんは今、どのような気持ちでこのページを開かれましたか?

「試験対策に追われて」「大学の講義が良くわからない」といった切実な理由からでしょうか。あるいは「病理の深掘りって何だろう?」という純粋な好奇心からでしょうか? さらには「学生時代にもっと病理を学んでおけばよかった」と感じている研修医の先生もいらっしゃるかもしれません。

医学生にとって、病理学は決して「楽な教科」ではありません。膨大な疾患名、複雑な分類、独特の専門用語……。顕微鏡を覗いても、どれも同じに見えてしまう「ピンクと紫」の組織像……。苦手意識を抱いてしまうのも無理はない、と言えるかもしれませんね。

また、「病理学は基礎科目だから、臨床にはあまり関係ない」──そう思っている方も少なくないような気がします。しかし、その「ピンクと紫」の向こう側は、実は実際の臨床現場と密接に繋がっています。いざ医師となり、目の前の患者さんを診るようになった時、病理学の「知識」と「考え方」は、学生時代に想像していた以上に必要なものだと感じるでしょうし、だからこそ、それを身につけておけば強力な武器になります。静止画である病理組織像には、「なぜその症状が現れ、これからどのような経過をたどるのか」という、いわば「病態の論理」も刻み込まれているのです。

本書には、この病理学のキモを、単なる暗記ではなく臨床へも繋がる「生きた知識」として身につけていただくために以下のような特長を持たせました。

● まず、出発点を「医師国家試験問題」としました。これにより、各問題と解説を読み込むだけで、医学生が身につけるべき標準的な知識はしっかり網羅でき、安心して学習を進められます。

● 次に、国家試験の先の臨床に繋がる「深掘りタイム」を設けました。ここが本書の最大の特長でもあります。単に難解な知識を詰め込むのではなく、「この知識が、実際の臨床でどう活きるのか」「病理医はどこで悩み、それを受けて臨床医はどう動くべきか」など、診療現場のリアルな空気感まで盛り込んでいます。

● そして、「深掘りタイム」には対話形式を採用しました。一方的な話を同じトーンで聞いたり読んだりするのは結構つらいものですが、会話で話題が進行することで、ストーリーとして記憶に残りやすくなります。また、各項目の重要度や病理医の本音なども垣間見えます。それらをセットにして知識を広げ、深めることができると思います。

本書は、著者の一人である西谷が「試験問題を通じて病理にふれる」をコンセプトに発信してきたウェブサイト『病理の広場』と、医学生・研修医向け病理コミュニティ『PathPort-J』のコラボで誕生しました。西谷が蓄積してきた試験問題解説を土台にして小島と私(福嶋)が加わり、内容を3名で徹底的に練り直しました。そして、「深掘りタイム」は、我々3名がPathPort-Jのオンラインセミナーの際に繰り広げていた「雑談と深掘り」の雰囲気を醸し出せるように工夫しました。これらを通して、ライブ講義を受講しているかのような気持ちで、楽しく読み進めていただけたら嬉しく思います。

最後になりますが、本書の構成・編集・デザインにご尽力いただいた株式会社金芳堂編集部の西堀智子氏、河原生典氏をはじめとする皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。我々から届く数々の無理な要望を粘り強く形にしてくださり、おかげで素晴らしい一冊に仕上がりました。心より感謝申し上げます。

さあ、ここで我々からバトンを、今、本書を手に取っている皆さんに託します。臨床に直結する“ 病理深掘り”の旅へ出かけましょう。


2026年8月 著者を代表して
福嶋敬宜

目次

「病理 深掘り教室」の見方

医師国家試験の病理画像の読み方、考え方

病理 深掘り教室

呼吸器、胸膜疾患

問題1 80歳女性、胸部エックス線で異常陰影を指摘され来院

問題2 肺癌の細胞診断

問題3 65歳男性、持続性の胸部痛を主訴に来院

問題4 47歳男性、造血幹細胞移植から1年半後、乾性咳嗽を主訴に来院

問題5 サイトメガロウイルス肺炎の病理所見

問題6 54歳女性、胸部異常陰影と咳嗽、喀痰を主訴に来院

消化器疾患

問題7 47歳女性、食欲不振と体重減少を主訴に来院

- コラム1 ピボット・クラスター戦略と逆鑑別診断

問題8 56歳女性、持続する心窩部痛を主訴に来院

問題9 72歳男性、胸やけが続くことを主訴に来院

問題10 56歳男性、人間ドックで膵腫瘍を指摘され来院

問題11 76歳男性、持続する食後の上腹部痛を主訴に来院

問題12 40歳男性、食事中のつかえ感と胸やけを主訴に来院

問題13 77歳女性、悪化傾向にある意識障害のため救急車で搬入された

問題14 76歳男性、食欲不振と水様便、倦怠感を主訴に来院

問題15 51歳女性、倦怠感と尿の濃染を主訴に来院

問題16 44歳女性、人間ドックで肝機能障害を指摘され来院

問題17 肝生検での肉芽腫および肉芽腫性胆管炎の病理診断

皮膚、頭頸部疾患

問題18 70代男性、頭部の暗赤色調の皮疹が拡大してきたため来院

問題19 切除不能の悪性黒色腫に使用される抗体薬の標的抗原

問題20 2歳男児、左眼の瞳孔内が白いことに母親が気付いて来院

問題21 76歳男性、全身の強い掻痒を主訴に来院

問題22 58歳女性、母指と前腕皮膚の紅色結節を主訴に来院

問題23 73歳女性、口腔粘膜疹と皮疹を主訴に来院

問題24 64歳男性、両側眼瞼と両側顎下部の腫脹を主訴に来院

女性生殖器疾患および乳腺疾患

問題25 22歳女性、子宮頸がん検診で細胞診異常を指摘され来院 Part1

問題26 22歳女性、子宮頸がん検診で細胞診異常を指摘され来院 Part2

問題27 61歳女性、持続する性器出血を主訴に来院

問題28 58歳女性、急激に出現した下腹部膨満感と食欲低下を主訴に来院

問題29 30歳女性、右乳房と腋窩のしこりを主訴に来院

問題30 40歳女性、外陰部の掻痒感を主訴に来院

問題31 33歳女性、下腹部痛と過多月経を主訴に来院

男性生殖器疾患

問題32 32歳男性、右陰嚢の無痛性腫大を主訴に来院

腎、泌尿器疾患

問題33 66歳男性、肉眼的血尿を主訴に来院

問題34 33歳女性、2か月前からの頻尿を主訴に来院

問題35 71歳女性、持続する発熱と腎機能障害のため来院

血液、造血器疾患

問題36 52歳男性、腹部膨満感と1か月1kgの体重減少のため来院

- コラム2 疾患単位と典型性

問題37 21歳男性、発熱と全身倦怠感を主訴に来院

問題38 58歳男性、体重減少と腹部膨満感、貧血のため来院

心臓疾患

問題39 65歳女性、労作時の頻繁な息切れを主訴に来院

問題40 心アミロイドーシスについて

病理一般

問題41 病理解剖と死亡診断書

問題42 術中迅速診断について

索引

著者略歴

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書籍情報

  • ISBN:9784765321143
  • ページ数:280頁
  • 書籍発行日:2026年9月
  • 電子版発売日:2026年10月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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