緩和IVR-その症状、IVR医に相談してみませんか?-

  • ページ数 : 217頁
  • 書籍発行日 : 2026年9月
  • 電子版発売日 : 2026年10月1日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

IVRは画像診断装置を用いて体内の状態を把握し、針やカテーテルを使って病巣を治療する方法で、多くは局所麻酔で短時間に行えるため、身体への負担が少ない点が特徴です。これは「弱った患者さんの苦痛を、少ない負担で早く和らげたい」という緩和医療のニーズにかなっています。しかし、IVRの多くは緩和領域で十分に知られておらず、適応となりうる症状でもIVRが活用されないまま患者さんが苦しむ状況が少なくありません。緩和患者さんの予後は一般に不良であり、IVRを行えるタイミングも限られており、現場の医療者が「IVRで何ができるか」を知っていることが極めて重要です。緩和ケアの範囲を超える疼痛や不調の症状に対してどのようなIVRが緩和に役立つかを紹介し、緩和医療に携わる医療従事者ががん以外の病態や高齢者の在宅医療に応用できる治療についてもわかりやすくまとめています。

序文

本書の目的


本書の目的は、緩和に携わる医療従事者の方々に緩和IVR(interventionalradiology、画像下治療)を知っていただき、病に苦しむ患者さんの症状の緩和にIVRを役立てていただくことにあります。

IVRはさまざまな画像診断装置を使用することにより体内の状態を把握し、外科手術のような大きな切開を加えることなく、体内に挿入した針やカテーテルなどの機器を用いて苦痛の原因となっている病巣の治療を行うものです。その多くは局所麻酔で短時間に行うことが可能であるため、身体に大きな負担をかけることなく施行できる点が大きな特徴です。このため、「弱った状態の患者さんの苦痛を、少ない負担で少しでも早く和らげたい」という緩和医療の現場の要望にとても合致しています。

IVRは多種多様で、臨床現場で遭遇するさまざまな症状の緩和に活用可能ですが、残念なことに、そのようなIVRの多くが緩和に携わる医療従事者の方々に知られていません。このため、IVRで軽減できる可能性のある苦痛であるにもかかわらず、IVRが活用されることなく苦しんでおられる患者さんが数多くおられるのが現状です。

緩和の対象となる患者さんの予後は一般に不良であり、そのまま見過ごされてしまえば、早晩IVRさえも施行困難な状況となってしまうため、IVRを効果的に活用できるタイミングは短く限られています。このため、その限られたタイミングに、IVRの活用を思いつくことができるのは、現場でその患者さんを診ている医療従事者だけであり、その医療従事者の方々が「IVRでどんなことができるか」を知っていなければ、IVRが活用される機会は永久になくなってしまいます。

そこで、本書は緩和に携わる医療従事者の方々に「IVRでどんなことができるか」を知っていただくことを目的にまとめられました。よって、IVRの技術的な部分は概要の紹介に留め、患者さんの「症状」を中心に、その症状を緩和する方法としてどのようなIVRがあるかを紹介するかたちで構成されています。

なお、緩和という言葉はがん領域で使用される場合が多いですが、IVRは悪性疾患だけでなく種々の良性疾患や全身状態の低下したお年寄りの治療、あるいは高齢の方が自宅で少しでも快適に過ごされるための在宅医療にも活用できるものが多くあり、このため、本書ではがん以外の病態も対象としています。

本書が、緩和医療に携わり、眼前の患者さんのためより良い治療を模索されている医療従事者の方々に、IVRという新たな治療の選択肢を知っていただく機会となり、ひいては患者さんの苦しみを取り除くことに役立つことを願って止みません。


荒井保明

目次

推薦のことば

本書の目的

執筆者一覧

フローチャート(病態別・症状別)

1 液体貯留

概要

胸水

1 細径チューブによるドレナージ

2 胸腔-腹腔シャント

3 リンパ漏

心嚢液

4 心嚢ドレナージと心膜開窓術

腹水

5 細径チューブによるドレナージ

6 デンバーシャント

7 門脈閉塞に対するステント治療

8 門脈圧亢進症に対するTIPS

9 下大静脈症候群に対するステント治療

10 リンパ漏

膿瘍

11 膿瘍のドレナージ

12 膿瘍の内瘻化

2 消化管閉塞/経腸栄養

概要

1 経皮的胃瘻造設術(PRG/RIG)

2 経皮経食道胃管挿入術(PTEG)

3 腸瘻/消化管ステント

3 胆管炎/胆管閉塞

概要

1 経皮的ドレナージと胆管ステント

4 尿路系閉塞

概要

1 腎瘻造設と内瘻化(破綻例含む)

2 前立腺肥大に対する血管塞栓術(PAE)

5 疼痛

概要

背部痛(椎体痛)

1 骨セメント

2 疼痛に対するラジオ波凝固療法(RFA)

関節痛

3 経カテーテル微小動脈塞栓術(TAME)

腫瘍による疼痛

4 疼痛に対するラジオ波凝固療法(RFA)

5 疼痛に対する塞栓術

6 腹腔神経叢ブロック:内臓・腹腔・その他

骨盤部痛

7 骨盤内うっ血症候群に対する塞栓術

6 出血

概要

動脈性出血

1 動脈性出血に対する塞栓術

静脈性出血

2 静脈性出血に対する塞栓術

門亢症出血

3 門脈閉塞による出血に対するステント治療

4 門脈圧亢進症に対するTIPS

7 浮腫

概要

1 深部静脈血栓症による浮腫に対する治療

2 大静脈症候群による浮腫に対するステント治療

8 血管確保困難

概要

1 血管確保困難時における中心静脈カテーテル挿入と種々の経路

2 血管確保困難時におけるCVポート

9 IVR奏効例

1 多発嚢胞腎に対するIVR

2 腎機能廃絶のためのIVR

3 腫瘍による静脈塞栓により生じた顕著な上肢浮腫に対するIVR

4 1本のカテーテルにより両側腎をドレナージしたIVR

5 上腸間膜静脈、脾静脈の閉塞による消化管出血に対するIVR

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書籍情報

  • ISBN:9784765321167
  • ページ数:217頁
  • 書籍発行日:2026年9月
  • 電子版発売日:2026年10月1日
  • 判:A5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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