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スポーツ脳 アスリートの「覚醒」を科学するニューロサイエンス

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2026年10月
  • 電子版発売日 : 2026年10月14日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容


スポーツの観かたが変わる! 自分の身体と意識が拡張する!
ワールドカップで活躍したスーパースターは,空からの視点を駆使することでフィールドを支配しています.大人気サッカー漫画の主人公も「空間認識能力」を武器にライバルたちとの闘いに挑んでいます.そんな能力を,世阿弥も持っていたかもしれません.トップアスリートのすごさはこれだけではありません.「身体が勝手に動く」のは,普通の大人が捨て去ってしまった原始反射の生き残りかもしれません.神がかり的なプレーは,“ゾーン”に入ったことが要因かもしれません.そもそもゾーンってなんでしょう.その他,「登山における第三者現象」「ともかづき」「ボールはともだち」「時間がゆっくり進んだ」など,脳と身体と感覚を取り巻くテーマに,脳科学がどこまで迫っているのか知りたくないですか? 最新の研究は,「ゾーンは伝染する」ことにも回答を用意しています.少しだけその答えを明かすと,“応援”にも科学的意味があるんです.スポーツと脳の不思議な関係をぜひ覗いてみてください.

序文

プロローグ

スポーツ医学は怪我への対処や最適なトレーニングを求めて、骨・関節、筋など整形外科的な知見や、持久力、敏捷性、代謝、心肺機能に関する生理学的知見を積み上げてきました。それらをふまえた上で、アスリートの卓越した思考力、挑戦に取り組む精神力、ずば抜けた情報収集力などへの知見もまた、近年得られてきました。「覚醒」したアスリートには時に人間の限界を超越するかのような神秘や怪奇を垣間見る瞬間があります。そうした謎を解き明かすべく、ここ十年ほどで、スポーツ脳(ニューロサイエンス)科学が発展してきました。

スポーツでは、自分の状況と対象の状況を把握し、常にその情報を更新し続けながら次に起こることを予測し、即座に意思決定を行い実行するという高度な知覚・認知、推論、実行能力を駆使します。こうした能力はたとえばサッカーなどでは「ゲームインテリジェンス」と呼ばれます。体格や筋力などが際立つことで、それだけに注目がいきがちですが、トップアスリートは大脳皮質の使い方が異なるという報告もあります。スポーツ特有の脳の働きがあるのです。

ゲームインテリジェンスを支える脳機構は何か。トップアスリートの大脳皮質の使い方はどういうものなのか。トップアスリートが経験する特別な認知のあり方、心理的現象を説明づける神経解剖学(ニューロアナトミー)は何か。本書では、臨床神経学(ニューロロジー)が解明したニューロサイエンスの知見から、「スポーツ脳」とは何かに迫ります。

目次

Chapter 1 神がかりの瞬間 反射と反応

空中ダブルタッチシュート/ゴールに揺れるスタジアム/脳から筋肉への所要時間/非対称性緊張頸反射/原始反射/サッカーアカデミーでの原始反射調査/神トラップ/同側性模倣性連合運動/ドーパミン経路の関与/鬼神ナタラージャの如く/両手のひとさし指の鏡像運動/連合運動の一つの鏡像運動/脳梁の髄鞘化と鏡像運動/左右大脳間抑制による運動調整のメカニズム

Chapter 2 もう一人に出会う 極限の幻覚

誰でも条件次第で幻覚を経験する/寝ぼけた人が見間違える/寝ぼけてなくても見間違えるのさ/身体酷使と脳のバグ/第三者現象/山岳遭難での生存に必要なファクター/高山病と幻覚/側頭頭頂接合部と「もう一人」の存在/ダイバーの幻覚/志摩の海女/ともかづきの伝承/素潜りでの減圧症/ちやまい/フリーダイビングのエリート/フリーダイビングのエリート集団/タラヴァナ症候群/マリンスポーツで幻覚が生じる理由

Chapter 3 ゾーンに入る フローのニューロサイエンス

テレビのバラエティ番組で/ゾーンに入るって何だ/フローの発見/フローとは/至高の領域/挑戦的集中/フローのトリガー/サッカートップエリートの性格傾向/自律神経とフロー/フローの脳神経学/心的外傷後ストレス症(PTSD)とフロー /心的外傷後成長/生物の生存戦略と擬死/個体の中に眠る系統の痕跡/解離とフロー/身体活動が誘発する解離/体外離脱体験/睡眠麻痺と体外離脱体験/臨死体験とフロー/臨死体験と擬死反応/臨死体験の神経生物学からわかること/薬物による意識変容とフロー

Chapter 4 高所から戦況を眺める 鳥瞰的視野

パノラマ視野/サッカートップエリートの鳥瞰的視野/臨床推論とバードアイ/ラグビートップエリートのバードアイ/視空間認知の中枢/世阿弥の「目前心後」/もう一人の視点/チェスでの三人称視点/共感覚とパノラマ視野取得/記憶術と共感覚

Chapter 5 予測通りに進む アスリートの大脳皮質の使い方

試合が予測通りに進む感覚/自己効力感と反応効力感/意思決定と自己目的的な動機/背側線条体のドーパミンとフロー/実行機能/空間認知的な予測/神経効率仮説/トップアスリートは脳の使い方が異なる/パラスポーツアスリートのニューラルエフィシエンシー/パラとノンパラの境界を超えて/静視

Chapter 6 ボールはともだちか僕の足 身体図式の拡張

失われた情報の補完、幻肢/身体図式/錯覚によるボディシェーマの更新/道具やロボットと身体の融合/野球でのボディシェーマの拡張/身体所有感とボディシェーマ/慢性疼痛とボディシェーマ

【コラム】固有感覚とは

Chapter 7 時間がゆっくり進む 時間認知とスポーツ

時間は実在しない/時間は推測と期待によって認識される/時間情報のニューロサイエンス/時間認知のモデル/フローで時間がゆっくり過ぎるのはなぜか/恐怖も回復もドーパミンで生じる/パーキンソン病で時間認知が変容する/時間がスローモーションのように引き伸ばされる疾患/タキサイキアとは/ゼロ・グラビティ遊園地の落下実験/感情と時間認知/アスリートの時間認知/運動が時間を歪ませる/子供の頃は時間がゆっくり過ぎる

Chapter 8 ゾーンの伝染 グループフローと集団同期

集団の力/達人のゾーンに入りこむ/グループフローとは/システム全体で経験するフロー/集団同期/友人同士は脳活動が類似する/友人同士はデフォルトモードネットワークも類似する/デフォルトモードネットワークとは/認知的視点取得とミラーニューロンによる共感/カメレオン効果の発動/ミラーニューロンとは/運動とミラーニューロン/自動模倣とミラーニューロン/予測誤差運動伝染/ダーウィンの観察/観客効果/仮想闘技場での声援効果/ホームアドバンテージ/選手、コーチ、審判、観客、それぞれの思い/コロナ禍の無観客試合が明らかにしたもの/観客の集団同期

エピローグ

参考文献


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498073241
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2026年10月
  • 電子版発売日:2026年10月14日
  • 判:四六判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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