ケアが変わる! 看護×情報学

  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2026年10月
  • 電子版発売日 : 2026年10月14日
¥2,420(税込)
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商品情報

内容

「その情報は確か?」「患者さんにどう伝える?」よりよいケアを届けるために、情報をどう使うのか。看護と情報の世界を一緒に歩く入門書!

看護師は多様な情報を扱い、それらを結びつけながら、その人に必要なケアを考えており、看護は「情報」ととても深い関係にある仕事だと言えます。
本書は、看護における情報リテラシーの重要性と活用方法を解説する入門書です。健康情報リテラシーやエビデンスに基づく実践、情報の見極め方、患者への伝え方などを具体的に解説し、実践的に学べる内容となっています。

序文

はじめに

私たちは毎日、たくさんの「情報」に囲まれて暮らしています。わからないことがあればインターネットで検索し、SNSで人の体験を知り、最近では生成AIに質問することも増えてきました。知りたいことをすぐに調べられる、とても便利な時代です。

医療や看護の世界でも、情報は欠かせません。患者さんの症状やバイタルサイン、検査結果、薬の情報、看護記録、診療ガイドラインなど、看護師は毎日たくさんの情報に接しています。

けれども、看護で大切な情報は、数字や記録だけではありません。

「本当は治療が少し怖いです」

「家族には心配をかけたくありません」

「できれば、もう一度家に帰りたいです」

患者さんがふと話してくれた言葉や表情、いつもとの少しの違いも、大切な情報です。看護師は、さまざまな情報を受け取り、それらを結びつけながら、その人に必要なケアを考えています。そう考えると、看護は「情報」ととても深い関係にある仕事だと言えるでしょう。

しかし、情報は多ければ多いほどよい、というものではありません。SNSで「この治療で治った」という体験談を見たら、どこまで信じてよいのでしょうか。「成功率50%」は、高いのでしょうか、低いのでしょうか。専門家が言っていることなら、必ず正しいのでしょうか。生成AIがわかりやすく答えてくれた内容を、そのまま使ってもよいのでしょうか。

情報があふれる時代には、情報を集めるだけでなく、その情報は確かなのか、自分や患者さんの状況に合っているのかを考える力が必要になります。この力が、本書で取り上げる「健康情報リテラシー」です。

「情報学」と聞くと、コンピュータや統計の難しい話を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし本書でお伝えしたいのは、もっと身近なことです。

「その話の根拠は何だろう」

「何と比べているのだろう」

「数字の見せ方で、印象が変わっていないだろうか」

「この情報を患者さんにどう伝えたらよいだろう」

このような、日々の小さな疑問から一緒に考えていきます。

本書では、第1章で健康·医療情報、ヘルスリテラシー、エビデンス(根拠)に基づく医療· 実践(EBM·EBP)の基本を紹介します。第2章では、情報の偏り、数字の読み方、因果関係、利益相反など、情報を見極めるための具体的なポイントを取り上げます。また、書籍、インターネット、SNS、生成AIから情報を得る時の注意点も考えます。第3章では、患者情報を守ること、多職種で情報を共有すること、患者さんにわかりやすく伝えること、意思決定を支えることなど、情報を実際のケアに活かす方法を扱います。

各章を執筆したのは、日本ではじめて設立された公衆衛生大学院である京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻―「京大SPH(School of Public Health)」の健康情報学分野で学んだ卒業生と、現在学んでいる在籍生です。看護師・助産師・保健師として臨床や地域、教育に携わってきた経験と、健康情報学・疫学を学んだ視点を持ち寄り、できるだけ身近な例を使ってまとめました。本書は、健康情報学と臨床看護を組み合わせ、楽しみながら学べる実践的な入門書を目指して企画しました。

エビデンスや数字を正しく読むことは大切です。しかし、目の前の患者さんは、研究の中に登場する「平均的な患者さん」ではありません。その人には、その人の生活や希望、大切にしていることがあります。一般的な研究結果と、一人ひとりの患者さんの語り。その両方を大切にすることが、よりよい看護につながります。

この本を最初から順に読んでも、気になるところから開いてもかまいません。この本が、皆さんの好奇心を大切にしながら、看護と情報の世界を一緒に歩く入口になればと思います。


2026年8月

中山 健夫

目次

第1章 看護師のための健康情報学 ―よりよいケアのために

1 健康・医療情報とは?

2 昨今の医療を取り巻く情報環境

3 看護師に健康情報リテラシー(ヘルスリテラシー)が必要な理由

4 健康・医療情報との付き合い方・扱い方

5 EBMの重要性―根拠に基づく実践へ

6 まとめ―ヘルスリテラシーはケアの質を高める

第2章 健康・医療情報と付き合うために

1.情報の読み解き方

 #1 その情報は確かなの? 根拠を確認する

 #2 アンケートの結果はそのまま信じてよい? 情報の偏り(バイアス)をチェックする

 #3 内容は同じなのに受け取る印象が違う? フレーム効果を意識する

 #4 感染者数が多い病棟は感染率が高い? 数字の裏にある分母を見る

 #5 疲れなかったのは栄養ドリンクの効果? 因果関係を見極める

 #6 成功率50%は高いのか低いのか? 比較の対象を意識する

 #7 科学的な研究成果なら信頼できる? 利益相反をチェックする

 #8 効果が高いほど「良い」治療? メリットとデメリットを比較する

2.信頼できる情報の見つけ方

 #9 ケアの根拠はどう探せばいいの? エビデンスの探し方・使い方

 #10 書籍の情報はどう使う? 書籍や雑誌の活用と注意点

 #11 ネット上の医療情報はどう使う? インターネット情報の活用と注意点

 #12 SNSで話題の治療法、効果があるって本当? SNSの活用と注意点

 #13 生成AIに聞けば何でも教えてくれる? 生成AIの活用と注意点

Column 看護師に役立つ 健康・医療情報のウェブサイト

第3章 健康・医療情報をケアに活かすために

1. 気をつけるべき、情報の倫理

 #14 患者さんの個人情報、どう扱う? 個人情報取り扱いの法的・倫理的責任

 #15 どこで、どんな情報をどのように発信する? 医療従事者が情報発信する際の注意点

Column 遺伝子情報との向きあい方

2.多職種連携における情報共有

 #16 ほかの職種は何を見てどう考えているの? 多職種間の情報共有で意識すること

 #17 相手に間違いなく伝えるには? コミュニケーションミスを防ぐ仕組み

 #18 わかりやすい看護記録の書き方は? 記録の仕方・伝え方

3.患者・家族とのコミュニケーション

 #19 患者の気持ちに寄り添うためには? 感情を表出してもらうための働きかけ

 #20 その治療がもたらす効果は何か? 代理のアウトカムと真のアウトカム

 #21 その人らしい選択を支えられている? インフォームド・コンセントとSDM

 #22 安心して治療に臨んでもらうには? 患者の心配事を考える

 #23 患者さんの意思決定を支える説明とは? 理解と納得を深める伝え方の工夫

 #24 その人は病気についてどう思っている? 患者のナラティブ(語り)に耳を傾ける

 #25 診療ガイドラインの推奨の意味は? 臨床でのガイドラインの活用の仕方

 #26 エビデンスによる治療は常に最善? エビデンスと経験の統合

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書籍情報

  • ISBN:9784899965152
  • ページ数:168頁
  • 書籍発行日:2026年10月
  • 電子版発売日:2026年10月14日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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