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- がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026
商品情報
内容
日本糖尿病学会,日本癌治療学会,日本臨床腫瘍学会,日本がんサポーティブケア学会の4学会による初のステートメント.糖尿病とがん発症の関係や,がん治療に伴う薬剤・栄養管理が血糖管理に与える影響,周術期の血糖マネジメント,がん終末期における血糖降下薬使用の注意点など,がん患者の糖尿病治療で直面する疑問に,最新の知見を踏まえ答えます.両疾患の合併患者を診る医師必携の1冊.
序文
序
がん患者における糖尿病治療は,近年ますます重要性を増しています.がんと糖尿病はともにわが国の主要な健康課題であり,両疾患の合併は患者の予後やQOLに大きな影響を及ぼします.糖尿病はがんの発症リスクを高めたり予後を悪化させたりすることが明らかになっており,また,がん治療に伴う薬剤や栄養管理が血糖コントロールに影響を与えることも少なくありません.
本コンセンサスステートメントは,日本糖尿病学会,日本癌治療学会,日本臨床腫瘍学会,日本がんサポーティブケア学会の多領域の専門家が協働し,がん患者における糖尿病治療の現状と課題を整理し,現場の医療従事者が直面する疑問に対して,現時点での最善の知見を体系的にまとめたものです.策定にあたっては,PubMedや医中誌をはじめとする国内外の文献を幅広く検索し,システマティックレビューを基本としつつ,臨床現場での実情や患者・家族の価値観も重視しました.
がん患者の糖尿病治療においては,がんの種類や進行度,治療内容,患者の全身状態など多くの要素が複雑に絡み合います.例えば,手術や化学療法,放射線治療,免疫療法などのがん治療は,血糖値に直接・間接的な影響を及ぼすことがあります.また,栄養状態や感染症リスク,合併症の管理も重要な課題です.さらに,終末期や寛解後など,患者のライフステージに応じて治療目標や薬剤選択も柔軟に対応させる必要があります.
今回,糖尿病ががんの発症リスクや予後に与える影響,がん治療薬による血糖変動,周術期や終末期の血糖管理,各種血糖降下薬の選択と注意点など,26の臨床課題について現時点でのエビデンスを整理しました.特に,がん患者における血糖降下薬の使用については,薬剤ごとにがんリスクや副作用の報告がある一方で,研究デザインやバイアス,交絡因子の影響などから一貫した結論を得るには至っていません.現場では,添付文書やガイドラインに沿って,患者個々の状況に応じた最適な治療選択が求められます.
本コンセンサスステートメントは,現時点での標準的な指針を示すものであり,最終的な診療方針は患者・家族と医療者が十分に話し合い,個別性を重視して決定されるべきです.また,がん患者に対する血糖降下薬使用の安全性に関しては,現時点では十分なエビデンスが蓄積されておらず,安全性が確立しているとは言い難い状況です.少なくとも現状でのエビデンスの限界があり,今後の研究蓄積が必要であることを強調いたします.そして,エビデンスを有効に活用するために,電子カルテのツールなどの活用も重要性を増してくるでしょう.
本コンセンサスステートメントが,がん患者の糖尿病治療に携わるすべての医療従事者の一助となり,医療の質と患者のQOLの向上に寄与することを心より願っております.
2026年9月
「がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント」策定委員会 委員長
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科
山内 敏正
目次
CQ1 糖尿病はがんの発症リスクを高めるか?
FRQ2 がんは糖尿病の発症リスクを高めるか?
CQ3 糖尿病を合併していることでがんの予後に影響はあるか?
CQ4 糖尿病は膵がんのリスクを高めるか?
CQ5 糖尿病は肝がんのリスクを高めるか?
CQ6 糖尿病は大腸がんのリスクを高めるか?
CQ7 特定の血糖降下薬が,がんの発症に影響を与えるか?
CQ8 免疫チェックポイント阻害薬以外のがん治療で用いられる薬剤で,血糖値に影響があるものには何があるか?
CQ9 免疫チェックポイント阻害薬(ICIs) 投与開始後の患者において1 型糖尿病を早期発見するために勧められる定期検査,注意をはらうべき自覚症状などはあるか?
CQ10 FDG-PET を行う際の血糖マネジメントや使用する血糖降下薬の注意点は何か?
Q11 手術可能と判断されるHbA1c,血糖値の目安はどのくらいか?
Q12 手術の前に行っておくべき糖尿病合併症検査は何か?
Q13 手術を行う症例に対してインスリン治療を行う際の注意点は何か?
Q14 消化管(胃・食道・大腸)切除後の血糖マネジメントの際の注意点は何か?
Q15 膵切除後の血糖マネジメントの際の注意点は何か?
Q16 糖尿病患者に経腸栄養を使用する際の注意点は何か?
Q17 胃瘻や腸瘻を使用する際の血糖マネジメントの注意点は何か?
Q18 術後早期から厳格な血糖マネジメントをめざすべきか?
Q19 術後早期に使う薬剤として,インスリン製剤以外に経口薬を使用してもよいか?
Q20 ステロイド投与による高血糖に対する治療のポイントは何か?
Q21 抗がん剤治療後に食欲がなくなったときの血糖マネジメントの注意点は何か?
Q22 外来化学療法を行っている糖尿病患者にシックデイ対応として指導を行う際の注意点は何か?
Q23 がんが治癒,または寛解した症例における,血糖マネジメントの目標値はどのくらいか?推奨される血糖降下薬はあるか?
Q24 がん終末期では血糖マネジメントの目標をどこにおくか?
Q25 がん終末期でも安全に使える血糖降下薬は何か?
Q26 がん終末期に,食事摂取ができなくなった場合の血糖降下薬の減量・中止を判断する際の注意点は何か?
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書籍情報
- ISBN:9784758124607
- ページ数:104頁
- 書籍発行日:2026年10月
- 電子版発売日:2026年10月27日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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