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- 小児看護2025年6月号(48巻6号)知る・活用する・実践する こどもと家族のための災害対策
商品情報
内容
阪神・淡路大震災から30年が経過し、この間に医療現場ではさまざまな災害対策が行われるようになった。しかし、災害弱者であるこどもと家族を支えるための対策は多様で、いまだに発展途上である。本特集では災害対策にかかわる現在の制度や団体の活動に加えて、近年発生の熊本地震、能登半島地震、北海道胆振東部地震で実際に行われた対応や備えを考察とともに紹介する。いつ起こるかわからない災害を、いつか起こるものとして想定し備えていくための1冊。
序文
特集にあたって
日本は古くから地震や台風などの自然災害が多い国であるが,1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は,医療者にトリアージや災害派遣医療チーム(disaster medical assistance team;DMAT)の体制整備の必要性を初めて認知させ,その後の日本の災害医療対策の整備の起点となった。また,同年の3月に発生したオウム真理教による地下鉄サリン事件は,心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder;PTSD)が広く知られるきっかけとなった。しかし,2011年3月11日に発生した東日本大震災は,東北から関東にかけて地震と津波,そして原子力発電所事故による未曾有の広域かつ甚大な被害をもたらし,災害対策についてさまざまな課題を突き付けた。さらに,毎年各地で発生する台風や豪雨災害でも,医療施設が直接の被害を受け,医療の提供が困難になる状況が発生している。そして,2024年1月1日に発生した能登半島地震は,新年を祝う人々の幸せを一瞬で奪い,その後の人生を一変させたことは記憶に新しい。
これらの災害を経て,私たち看護師は平時の備えと災害発生時の対応について,知識と実践能力が必要であることを痛感している。現在は,看護基礎教育において災害看護は「看護の統合と実践」のなかでの必須カリキュラムとなっており,看護師の災害に対する意識は高まっている。
しかし,災害対策は進化の途上にあり,また,非常に広範で,平時の備えから,災害発生時の被災者の救出・救命,医療施設における患者と職員の安全確保,医療提供体制の復旧・維持,避難所の支援,健康維持・管理,関連死の予防,災害弱者への支援,喪失体験への長期的ケア,災害支援に携わる人々の身体・メンタルケア…と多岐にわたり,支援の対象となる人,支援を提供する職種,提供の場・時期・方法,必要なツールなども異なる。なかでもこどもと家族は災害弱者であり,特別な配慮を必要とし,課題も多い。
阪神・淡路大震災発生から30年という節目の年に,こどもと家族のための災害対策を特集し,さまざまな分野の第一人者,専門家にご執筆いただいた。過去の経験と最新の知見を学び,必ず起こる次の災害に備え,読者の皆さんそれぞれの立場で活用し,実践していただければ幸いである。
来生奈巳子 Kisugi Namiko
国立看護大学校看護学部小児看護学教授
目次
特集:知る・活用する・実践する;こどもと家族のための災害対策
編集/来生 奈巳子
【カラーグラフ】
死別・喪失体験を経験した震災遺児のレインボーハウスでのケア活動/西田 正弘,他
【特集にあたって】
災害時にこどもと家族を守る力をつけよう/来生 奈巳子
【総論】
災害時のこどもの健康とウェルビーイング/中村 安秀
【災害医療に関する制度,団体の取り組み】
①わが国における災害医療対策/赤星 昂己,他
②日本小児医療保健協議会 小児周産期災害医療対策委員会の活動/米倉 竹夫,他
③災害時小児周産期リエゾンの活動の実際と小児看護に携わる者の役割/菅原 淳
④災害時の情報管理と大規模災害対策情報システム(PEACE);小児科掲示板を含めた活用/祝原 賢幸
⑤小児・周産期医療従事者向けの災害医療研修会/伊藤 友弥
⑥災害支援ナースの仕組みと災害時に求められる小児看護/松本 珠実,他
⑦日本小児看護学会災害対策委員会の活動/来生 奈巳子
【災害時の活動の実際】
①小児看護の医療の場における災害時の看護管理;熊本地震での病院間の小児・新生児の避難と受け入れを経験して/菅 仁美,他
②災害時における被災したこどもと家族への母子保健活動の実際/上吉原 良実
③医療的ケア児と家族のための厳冬期における災害への備え;2022年度日本小児看護学会災害対策研修会報告より/牧田 靖子
【専門知識・トピック】
①自宅で生活する重症心身障害児と家族の防災・減災;自然災害遭遇時に生活適応力を促すケアモデル/三宅 一代
②被災した子どものための心理的応急処置(PFA)/赤坂 美幸
③こどもへのグリーフサポート/佐藤 利憲
連載
心が歌えば,世界が揺れる (46)
心を軽くする時間/佐藤 聡美
むかしといまを繋ぐ知恵;故事・ことわざ・名言をたずねて (35)
羹に懲りて膾を吹く;熱い物を食べて火傷をすると冷たい物まで冷まして食べようとする/磯崎 三喜年
あまの橋架け;病院にかかわるみんなのコミュニケーション (31)
市民が医療政策に参画する方法/阿真 京子
医law医lawな関係 (144)
学校における呼吸状態悪化時の処置の過失害/粟野 公一郎
ひとりごとスケッチ (104)
パレスサイド・ビルディング/土田 菜摘
かれいどすこーぷ (148)
「虫が好かない」あのソフト/小鳥遊 遊鳥
看護系絵本堂 (148)
腸よ鼻よ/谷口 あけみ
学んで驚く!子どもの応急手当 (25)
熱中症は予防と準備が大切!/飯村 知広
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書籍情報
- ISBN:9784012204806
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2025年5月
- 電子版発売日:2025年5月22日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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