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患者さんとご家族のための遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2025年版

  • ページ数 : 148頁
  • 書籍発行日 : 2025年5月
  • 電子版発売日 : 2025年6月3日
¥2,750(税込)
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商品情報

内容

大腸癌の中でも遺伝的な要因がかかわる「遺伝性大腸癌」について、患者さんやご家族にも分かりやすく解説しました。検査や治療についての解説はもちろん、「遺伝ってどういうこと?」という遺伝の基礎的なことから、「未成年の子どもに遺伝性大腸癌のことを伝えた方がいい?」「カウンセリングの費用は?」といったお悩みについてもQ&Aでお答えしています。
専門の先生たちが作成した、安心できる1冊です。

序文

刊行にあたって


このたび、一般の皆様に向けた「患者さんとご家族のための遺伝性大腸癌診療ガイドライン」が刊行の運びとなりました。本書をお届けできますこと、大変うれしく思います。

本書を手にされた方は、ご自身がすでに遺伝性大腸癌と診断され治療を受けておられる患者さんや遺伝性大腸癌を発症する可能性があると指摘された患者さんなど、さまざまな状況にあるのではないかと推察いたします。

さてわが国では年間約95万人もの方が新たに癌と診断されており、その中で大腸癌(結腸癌+直腸癌)の診断は、約14万7,000人(2020年)、2023年に命を落とされた方は約5万3,000人と報告されています。

この大腸癌の発生としては、約70%の大腸癌は高脂肪食、肥満、生活環境、加齢など後天的な要因によって遺伝子変異が生じることで発生すると考えられ、散発性大腸癌と呼ばれています。一方、約5%は1人ひとりが生まれつきに持っている体質(遺伝的)、明らかな遺伝異常が指摘されている大腸癌であるといわれています。

「遺伝」という名前から、もともとの病気のご心配に加えて、大切なご家族・血縁者への影響についても気がかりになることと思います。本書では診療ガイドライン作成を担当した医師、看護師、遺伝カウンセラーなど多くの医療職者に加えて当事者の方にもご参加いただきました。医療者と一般市民の方と幾度となる共同作業を重ね、遺伝性大腸癌の本質や診断、治療について、わかりやすい言葉で各項目のクエスチョンの解説に心掛けて完成にいたりました。また企画刊行にあたり、多大なるご支援をいただいた金原出版の皆様にもこの場をお借りして心から御礼申し上げます。

本書が遺伝性大腸癌もしくはその疑いと診断され、検査や治療が必要となった患者さんご家族にとって正確な情報源となり、適切で十分な治療やフォローアップが受けられる土台となり、皆様のお役に立つことを心から願っています。


2025年

大腸癌研究会会長
味岡 洋一
「患者さんとご家族のための遺伝性大腸癌診療ガイドライン」責任者
五井 孝憲

目次

第1章 大腸癌の基礎知識

1.ガイドラインを理解するための基礎知識

(1) 大腸癌の患者数

(2) 大腸とは

・解剖学的位置

・各部位の名称

・血液の流れ

・リンパの流れ(リンパ系)

・神経の走行(神経支配)

■用語説明 自律神経/ 排尿障害/ 性機能障害

・大腸壁の構造

(3) 大腸癌とは

・癌とは

・大腸癌が発生するしくみ

・遺伝的素因

・大腸癌の肉眼的形態

(4) 大腸癌の広がり方

・浸潤

・リンパ行性転移

・血行性転移

・腹膜播種

・ステージ分類(病期分類)

(5) 大腸癌による症状

(6) 大腸癌の検査法

1)検診法

・便潜血検査

2)診断法

・直腸指診

・注腸造影検査

・大腸内視鏡検査

3)治療方針を決めるために必要な検査

・胸部腹部CT:computed tomography

・腹部超音波検査

・ MRI:magnetic resonance imaging

■その他の検査 CT コロノグラフィ/ カプセル内視鏡/PET

(7) 大腸癌の治療法

1)内視鏡治療

・ポリペクトミー

・内視鏡的粘膜切除術(EMR)

・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

・内視鏡治療の適応

・内視鏡治療の合併症

2)手術治療

・リンパ節郭清(D1、D2、D3 郭清)

・結腸癌の手術

・直腸癌の手術

・腹腔鏡下手術

・ロボット支援手術

■コラム 大腸癌の手術方法の特色

2.大腸癌治療ガイドラインの解説

(1) ステージ0 〜ステージIIIの大腸癌の治療

1)内視鏡治療と手術治療の選択

2)手術治療

(2) ステージIVの大腸癌の治療

(3)薬物療法

・薬物療法の内容

・術後補助化学療法

・切除不能進行・再発大腸癌に対する薬物療法

・薬物療法の継続

(4) 放射線療法

・補助放射線療法

・緩和的放射線療法

第2章 遺伝性大腸癌はどのような病気?

1.遺伝性大腸癌とは

・ 3種類の大腸癌

■用語説明 遺伝子変化

・癌抑制遺伝子

・遺伝性大腸癌の特徴

・遺伝性大腸癌の代表疾患

2.遺伝性大腸癌についてのQ&A

Q1 「遺伝」ってどういうこと?

Q2 遺伝子と遺伝はどう違うのですか?

Q3 血縁者に大腸癌が多い場合、「遺伝性大腸癌」なのですか?

Q4 「遺伝性大腸癌」の場合、子どもも必ず同じ病気になるのでしょうか

Q5 遺伝性大腸癌に種類はありますか?

Q6 遺伝性大腸癌かどうかは、どうすればわかりますか?どのように診断しますか?

■用語説明 生殖細胞系列

第3章 家族性大腸腺腫症はどのような病気?

1.家族性大腸腺腫症とは

・家族性大腸腺腫症

■用語説明 標準治療

2.家族性大腸腺腫症についてのQ&A

Q1 家族性大腸腺腫症にはどのような症状がありますか?

Q2 家族性大腸腺腫症の原因はどのようなものですか?

Q3 家族性大腸腺腫症の発生頻度はどれくらいですか?

Q4 どのような要素で家族性大腸腺腫症と診断されますか?

Q5 遺伝子検査はどのようなものが必要ですか?診断のための検査は保険診療か、費用はどのくらいかかるのか教えてください。

Q6 家族性大腸腺腫に発症する大腸癌に特徴はありますか?

Q7 家族性大腸腺腫症にはどのような治療法がありますか?

Q8 家族性大腸腺腫症ではどのような手術をするのですか?

Q9 手術後の体の変化や生活への影響について教えてください。

Q10 家族性大腸腺腫症の手術で切除した大腸に大腸癌が見つかった場合、追加の検査や治療が必要になりますか?

Q11 大腸癌の予防に有効な薬はありますか?

Q12 家族性大腸腺腫症の人が大腸癌以外に気を付ける病気はありますか?

Q13 家族性大腸腺腫症と診断されたあとは、定期検査が必要ですか?

Q14 家族性大腸腺腫症の家族や血縁者への影響を教えてください。血縁者は遺伝子検査が必要ですか?

第4章 リンチ症候群はどのような病気?

1.リンチ症候群とは

・リンチ症候群

2.リンチ症候群についてのQ&A

Q1 リンチ症候群にはどのような症状がありますか?

Q2 リンチ症候群の原因はどのようなものですか?

Q3 リンチ症候群にはどのくらいの割合の人がなりますか?

Q4 リンチ症候群の遺伝子検査ではどのようなことを行いますか?診断のための検査は保険診療ですか?費用はどれくらいかかりますか?

Q5 マイクロサテライト不安定性、ミスマッチ修復タンパク質欠損とは何ですか?

Q6 リンチ症候群を診断するためのユニバーサルスクリーニングとは何ですか?

Q7 リンチ症候群かどうかはどのような検査でわかりますか?

Q8 リンチ症候群に発症する大腸癌は、遺伝と関係ない大腸癌とはどう違いますか?

Q9 リンチ症候群の大腸癌にはどのような治療法がありますか?

Q10 リンチ症候群の大腸癌にはどのような手術をするのですか?

Q11 リンチ症候群では、遺伝と関係ない大腸癌と抗癌剤(薬物療法)の効果に違いがありますか?

Q12 手術後の体の変化や生活への影響について教えてください。

Q13 大腸癌の予防に有効な薬はありますか?アスピリンの内服は有効ですか?

Q14 リンチ症候群で大腸以外にできる腫瘍について教えてください。また、腫瘍に対しては、どのような検査が必要ですか?

第5章 血縁者への伝え方、妊娠・出産などへの影響、遺伝カウンセリングと支援制度

1.癌診療における様々な悩みとご相談先について

2.癌についての悩みQ&A

Q1 未成年の子どもに遺伝性大腸癌のことを伝えた方がいいでしょうか?いつ伝えるのがいいですか?

Q2 家族性大腸腺腫症と診断された場合、妊娠はできるのでしょうか?妊娠中や出産への影響について教えてください。

Q3 妊娠・出産前に、子どもの遺伝子検査を行うことはできますか?

Q4 遺伝カウンセリングとは何ですか?癌になった本人以外の人も参加できますか?

Q5 遺伝カウンセリングにはどのくらいの費用がかかりますか?健康保険で受けられますか?

Q6 療養中に活用できる支援制度はありますか?

第6章 資料集

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書籍情報

  • ISBN:9784307204767
  • ページ数:148頁
  • 書籍発行日:2025年5月
  • 電子版発売日:2025年6月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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