性感染症ナビ

  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2025年7月
  • 電子版発売日 : 2025年7月30日
¥5,280(税込)
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商品情報

内容

STI診療はデリケートな問題への配慮や疫学情報の把握など,特有の難しさがあります.
本書では,非専門医に必要な基礎知識,専門医が求める最新治療・予防までを幅広く網羅.専門クリニックの実例を踏まえ,医療スタッフに求められる配慮,当事者への説明の工夫にも焦点を当てています.
見落とされがちな疾患やトランスジェンダーの方々のSTIにも丁寧に言及.日常診療で役立つ実践的知見と最新情報を凝縮した一冊です.

序文

はじめに

性感染症(sexually transmitted infections:STI)は,日々の診療において,決して避けて通れない,重要な健康課題です.感染は誰にでも起こりうるため,医療従事者はもちろん,感染当事者にとっても,常に最新の知識と適切な対応が求められます.しかし,STIは「性」というデリケートな側面に深く関わっているため,当事者は誰にも打ち明けられず,一人で悩みを抱え,受診をためらう傾向があります.また,医療者側も,患者のプライバシーに配慮しながら,適切な情報(感染経路や性行動等)を丁寧に聴取すること,患部の診察に際して細心の注意を払うことなど,特有の難しさに直面します.

本書は,このような幅広いニーズに応えるべく,感染当事者,医療従事者(専門医,一般開業医,看護師,医療スタッフ等)それぞれのレベルに合わせた情報を提供することを第一の目的としています.感染当事者は「このまま放っておいたらどうなるのか?」,「治療法はあるのか?」といった不安を抱えています.一般開業医や看護師は,疾患の基礎知識から患者心理,最新の診断・治療法まで,幅広い情報を必要とされていることでしょう.そして,専門医は,標準治療のみならず,わが国ではまだ導入されていない最先端の事柄から,世界で行われている新しい予防法まで,一流欧文雑誌で論文になっている内容を知りたいはずです.そこで本書の構成は,手に取った読者がどこを読めば自分のニーズに合うのかがわかるように層別化しました.

STIに関する本はこれまでもいくつか出版されており,日本性感染症学会からは診療ガイドラインも発行されています.本書は,それらを補完し,さらに一歩進んだ情報を提供することを目標としています.標準治療の詳細は,ガイドラインを参照いただくことを前提としつつ,本書では学会のガイドラインでは十分に触れられていない,臨床現場で直面するであろう実践的な疑問や課題,そして専門医にとっても読み応えのある,標準治療をさらに深掘りした内容までを幅広く網羅しています.たとえば,わが国の保険診療は,治療においては世界に誇ることのできる制度となっていますが,予防においてはきわめて後ろ向きです.しかし,世界ではSTIに関しても予防に対し積極的で,新しい知見が次々と生まれています.わが国でも自由診療クリニックでは,それらの新しい予防法をいち早く導入し,成果を上げています.本書では,保険診療の枠にとらわれることなく,国内外の最新の予防戦略,そして実際に最前線で予防に取り組んでおられる先生方にも執筆者として参加していただき,貴重な知見と経験に基づいた,実践的な情報を提供していただきました.STI診療に携わるすべての医療従事者にとって,非常によい羅針盤となることでしょう.

本書では,日常診療でよく遭遇する梅毒,淋菌感染症,クラミジア感染症から,新しいSTIとして広がりをみせているエムポックス(サル痘)や,近年社会的な認知も高まりつつあるトランスジェンダーの方々のSTIに関しても触れています.また,一般には,あまりSTIとして認識されていない肝炎や赤痢アメーバ症(アメーバ赤痢)に関しても解説を加えました.本書は,浅く広くではなく,時に深く,そして幅広く,読み物としても興味深く,臨床の合間にも気軽に手に取っていただけるように,Columnや「ちょっとヨリミチ」なども豊富に掲載しています.ぜひ,本書を通して,患者さんのために,そしてご自身のために,STIの知識をアップデートし,日々の診療に役立てていただければと思います.


2025年5月吉日

岡 慎一
国立健康危機管理研究機構国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター
名誉センター長
国立療養所多磨全生園 特命副院長

目次

A 梅毒

Ⅰ 感染経路と年代別分布  塩尻大輔

Ⅱ 病期  塩尻大輔

Ⅲ 診断  塩尻大輔

Ⅳ 治療  安藤尚克

Column 梅毒における「セロファスト状態」  塩尻大輔

B 淋菌感染症(淋病)

Ⅰ 地域性   石内崇勝

Ⅱ 診断   石内崇勝

Column 薬剤耐性の現状   石内崇勝

Ⅲ 治療   石内崇勝

Column ワクチン   石内崇勝

Column STI に地域差はあるのか?   石内崇勝

C クラミジア感染症

Ⅰ 疫学   吉田昂汰

Ⅱ 診断   吉田昂汰

Ⅲ 治療および微生物学治癒   吉田昂汰

Column 混合検体検査(3 in 1 検査)  安藤尚克

Column 保険診療と自由診療の現状と課題   吉田昂汰

D Doxy-PEP/PrEP

Ⅰ Doxy-PEP/PrEP   阿部静太郎

Column STI クリニックの役割と運営   石内崇勝

E STI のパートナーへの説明

Ⅰ STI のパートナーへの説明   石内崇勝

Column STI クリニックを訪れる患者の心理   石内崇勝

F トリコモナス症

Ⅰ 臨床症状と診断  岡 慎一

Ⅱ 治療と予防  岡 慎一

G 性器ヘルペス

Ⅰ 臨床症状と診断  塩尻大輔

Ⅱ 治療と予防  塩尻大輔

H 亀頭包皮炎

Ⅰ 亀頭包皮炎  塩尻大輔

I 細菌性腟症,腟カンジダ症

Ⅰ 細菌性腟症,腟カンジダ症  塩尻大輔

J マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症

Ⅰ 診断  安藤尚克

Column 薬剤耐性の現状  安藤尚克

Ⅱ 治療  安藤尚克

Column 治療失敗例  安藤尚克

K 赤痢アメーバ症

Ⅰ 概要   川島 亮

Ⅱ 診断   川島 亮

Ⅲ 治療   川島 亮

Column 無症候性キャリアの病態   川島 亮

L 男性のHPV 感染症

Ⅰ 概要  塩尻大輔

Ⅱ 男性のHPV ワクチン   中本貴人

Column 肛門へのHPV 感染と肛門がんスクリーニング  塩尻大輔

Ⅲ 尖圭コンジローマ   中本貴人

M 女性のHPV 感染症

Ⅰ 概要   西家由里子

Ⅱ 女性のHPV ワクチン   西家由里子/塩尻大輔

Ⅲ 子宮頸がん   西家由里子

Ⅳ 頭頸部がん   西家由里子

N ウイルス性肝炎ABC

Ⅰ 診断   上村 悠

Ⅱ 治療   上村 悠

Ⅲ 予防   上村 悠

Column B 型,C 型肝炎の分子疫学   上村 悠

O HIV 感染症

Ⅰ 診断  岡 慎一

Ⅱ 病態  岡 慎一

Column quasispecies,R5/X4 ウイルス  岡 慎一

Ⅲ 予防  岡 慎一/水島大輔

Ⅳ 治療  岡 慎一

Ⅴ 現状の問題点  岡 慎一

Column 新規HIV 感染ゼロは可能か?  岡 慎一

P エムポックス(サル痘)

Ⅰ 概要     中本貴人

Ⅱ 診断     中本貴人

Column ワクチン     中本貴人

Q ジェンダー医療

Ⅰ 感染リスクと予防  池袋 真

Ⅱ 妊娠リスク  池袋 真

Ⅲ 検査と配慮  池袋 真

Column STI クリニックにおけるジェンダー外来   石内崇勝

Column 看護師の役割   清水健伍/坂元奈桜/石内崇勝

ちょっと ヨリミチ

▶ ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(JHR)  塩尻大輔

▶ 骨盤内炎症性疾患(PID)   石内崇勝

▶ 皮膚疾患としての淋菌感染症―全身播種性淋菌感染症(DGI)  石内崇勝

▶ セフトリアキソン(CTRX)の治療量の変遷   石内崇勝

▶ 女性に対するSTI 検査と知識の普及 坂元奈桜

▶ 望まない性行為を経験した患者への対応指針   吉田昂汰

▶ 性器だけじゃない! STI 検査と看護師の案内力   坂元奈桜/清水健伍

▶ 不安な初診に寄り添う! 看護師の声かけと気づき   吉田菜乃

▶ 喉にできるHPV 感染症―医療従事者への注意喚起   中本貴人

▶ HPV ワクチン「積極勧奨」再開後のSNS の反応は?   西家由里子

▶ HPV ワクチン接種率向上のためのコミュニケーション戦略  西家由里子

▶ 子宮頸がん患者へのスティグマ(差別,偏見)   西家由里子

▶ 性と生殖に関する健康と権利(SRHR)   西家由里子

▶ 加熱式タバコなら吸っても大丈夫⁉   西家由里子

▶ U=U(undetectable equals untransmittable)  岡 慎一

▶ 病状の進行とHLA  岡 慎一

▶ フルブラウンエイズ  岡 慎一

▶ AIDS 研究のレガシー  岡 慎一

▶ “SOGI/SOGIE” と“LGBTQ+”―性の多様性への理解  池袋 真

▶ “AFAB/AMAB”,“FtM/MtF”―用語について  池袋 真

▶ 女性検査デー  池袋 真

▶ ジェンダー医療を支えるチームアプローチ  三上 蓮


編集後記  岡 慎一

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784787882431
  • ページ数:320頁
  • 書籍発行日:2025年7月
  • 電子版発売日:2025年7月30日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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